第10回 Would you rather sun or ski? 冬真っ盛りのシドニー いっそ、スキーはいかが ?

サマンサのとっておきシドニーライフ

サマンサのとっておきシドニーライフ

第10回
Would you rather sun or ski?
冬真っ盛りのシドニー
いっそ、スキーはいかが ?



 バルコニーの一番陽当たりのいい場所を見つけて、今これを書いているんだけど、日が暮れて冷え込む前の最後の日差しを浴びるために、椅子を少しずつずらし続けているの。私はまぎれもなく“夏女”なのよね。寒いのにはからきし弱い。ベッドからは出たくないし、ソファからは動きたくないし、シャワーからも出たくない。凍えるのはいやだからね。そこで、この寒さに打ち勝つ唯一の方法を見つけたのよ。それはスキー場に飛び込んじゃうこと。

 まず、ここで告白があります。ちょっと恥ずかしいけど、こういうことなの。オーストラリアにはスキー・リゾート地が複数あるってことをたった今発見したわけ(グーグルのおかげでね)。オーストラリアの地理に疎いってことが今ごろ分かって、笑っちゃうわよよね。
 NSW州のスノーウィー・マウンテンにあるいろんなスキー場は、私も行ったことがあるしよく知ってる。でもVIC州にも結構いいスキー場があるみたい(フォールズ・クリーク、マウント・ブラー、マウント・ホッサム、マウント・バウバウなど)。
 スキー場がたくさんあることは分かったので、ここではペリシャー(ブルー・カウも)とかスレドボとか、昔から人気があって、私が知っているスキー場に話を絞ることにするわね。

サマンサのとっておきシドニーライフ
コジウスコ山に広がるペリシャー・リゾート(Photo: Tourism NSW)

 ちょっとここで言っておくと、この冬はスキーに行くつもりはないの。2月に行って来た長野で思う存分純白のパウダー・スノーを味わったから、きっとオーストラリアの水っぽい雪に感激できないと思うのよね。行くとしたら来年かな。
 だけど、私の弟の方はこの冬思い切ってスキー場で働くことにしたのよ。スロープの所でリフティー(リフト係)をやっているの。お客さんをスキー・リフトに安全誘導して、お客さんのどんな質問にも答える、あの係よ。つまり、彼は丸一日中雪の上で過ごすわけ。
 昼休みや仕事のあとはスノーボード、休日をもらえればスノーボード、そしてそれ以外の時間はパーティー三昧に違いないわ。もしこの冬スキーに行くことに決めた人がいたら、彼によろしくね。とは言っても、ペリシャーは南半球最大のスキー&スノーボード場なわけだから、ブロンドっぽい男のリフティを見かけたら名前がトッドかどうか聞いてから、親しく振舞うようにしてね。
 ペリシャーは本当に広いのよ。同じリフトに乗ることなく、1日中スキーができると言われている。スレドボはそこまで広くないけど、若い人たちに人気があるのはこっちの方かな。ペリシャーはもう少し「ファミリー向け」なんだと思う。値段もスレドボのほうが高めで、「雪上」の宿泊施設がたくさん用意されている。私は1度だけそういうスキー場の施設に泊まったことがあるけど、とってもよかったわ。それ以外は、手持ちのお金を数えて、スレドボから車で20分、ペリシャーからは30分のジンダバインに泊まるしかなかった。

サマンサのとっておきシドニーライフ
これが弟のトッド

 自分の車があっても現地で駐車をするのはちょっと大変。それで、シャトルバスとかスキー・チューブ(とっても長い地下レール)が用意されている。友達と車で行ったことがあるけど、スキー場へは結局シャトルバスを使ったわ。誰かほかの人が運転してくれていると(特にスパイク・タイヤが義務付けられているから)、ストレスがずっと少ないもの。スノーウィー・マウンテンへは車で行く(シドニーから約6時間)以外に、大型バスで行くのも人気。シドニーからクーマやキャンベラへは飛行機も飛んでいるけど、こんな短い距離で、利用する人がどのくらいいるのかな。
 オーストラリアのスキー・リゾートの雪は、日本でスキーしたことのある人が期待するようなすばらしいパウダー・スノーというわけにはいかないの。ちょっと固めでちょっと水っぽい。初心者コースとかスロープ脇の売店や建物のある所みたいに利用者が多いエリアの雪は特にね。
 それから、オーストラリアにはスキー場が少ない(こんな広い国にたった8カ所よ)から当然なんだけど、リフト代、宿泊代などにかかる費用は結構高くて、お金がかかってしまうことも覚悟した方がいいわね。私がジンダバインに泊まるしかなかったのも、実はそれが理由なの。
 オーストラリアでは学校のクラス旅行でスキーに行くこともよくあるのよ。私は11年生の時に行ったし、妹たちなんか5年生の時に行ったわ。どんなことでもそうだけど、団体で行けば格安になるし、友達のグループで行けば、ころんじゃった時にゲラゲラ笑い合ったりしてずっとおもしろくなるわよね。消灯時間を過ぎて静かにしていなくちゃいけない時に友達とクスクス笑い合ったのは、ハイスクール時代に一番楽しかったことの1つよ。

サマンサのとっておきシドニーライフ
子ども向けのレッスン・プログラムもある(Photo: Tourism NSW)

 さて、お日様はとうとう暮れちゃった。ソファーに行って毛布にくるまり、ヒーターを点けた方がよさそう。私が夏を恋しがっていることが分かるでしょ ? 早く日光浴がしたい !
Write-y?
私はライティ ? Yで終わる職業

 オージーの中には、専門職とか仕事のタイプを表すのに、名詞の語尾に「y」を付けたがる人たちがいる。だから、スキー場のリフト lift で働く私の弟は、リフティ lift-y になるというわけ。Bricklayer(レンガ工)は brick-yに、スパークを飛ばす電気工はSpark-y になる。どこから始まったことなのかはよく分からないけど、「怠惰さ」がひと役買っていることは確かだと思うわ。こういう呼び方はふつう、××工とか、肉体労働がたくさん必要な仕事にだけ使われている。職業名は怠惰でも、筋肉の方は怠惰でないはず、たぶんね。


プロフィル
Samantha Holland

シドニー大学ではジャーナリズムとコミュニケーション学を専攻。「シドニー・モーニング・ヘラルド」紙の書評コーナーに記事を寄稿するほか、本紙別冊の英字誌「jstyle(ジェイスタイル)」では編集長という大役も務める23歳。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る