【WH日記】ランニングを通した国際交流 – 原口孝徳さん


ランニングを通した国際交流

第29回 今回登場のワーホリ・メーカーは?


原口孝徳さん


1990年生まれ・佐賀県出身
中学生から長距離走を始め、高校1年で国体14位に。大学の駅伝部を経て、アメリカ、カナダなどで大会出場を重ねた後、2015年にワーキング・ホリデーでオーストラリアへ。写真はシドニーのランニング・チーム「SWEAT」のコーチ(左)と。


「ゴール後に人それぞれの感動や喜びがあることが、長距離走の楽しさです」と話す25歳の原口孝徳さん。現在、シドニーのセンテニアル・パークを拠点とするランニング・チーム「SWEAT」でトレーニングをしながら、各地でマラソン・イベントに出場する暮らしを送っている。

原口さんは長距離ランナーとして高校1年生の時に国体で3,000メートル14位を記録。その後、大学の駅伝部からオファーを受けて進学したが、けがやチームの練習方針などに悩むこともあったそうだ。

異国の地で走る

しかし、大学卒業後に出場したハワイのマウイ・マラソンで見事優勝を飾った。

「初めての海外の大会でした。景色がきれいで、ランナーも市民もフレンドリー。英語があまり分からなかったのですが『海外のマラソンっておもしろい』と感じました」

その後カナダへ渡った原口さんは、ミートアップで見つけたランナーのクラブに参加し、さまざまな大会に出場する。現役五輪代表選手と共に上位入賞を果たしたり、ランニング・グッズの販売会社「Running Room Inc」にワーキング・ホリデー(WH)滞在者としては異例ながら採用されるという経験もここで得た。

「バンクーバー・マラソンでは6位に入賞。この時、日本人選手たちをマネージングする団体『海外マラソン日本事務局』の方にロンドン五輪のオーストラリア代表選手を紹介され、未来の五輪候補選手もいるシドニーのチームに参加することにしました」

日豪のランニングの違い

WHビザでオーストラリアにやって来た原口さん。シドニーの「SWEAT」で唯一の日本人ランナーとして、チーム練習に週4日参加している。シドニーは練習に適した公園も多く、ランナーにとって良い環境なのだと言う。

「400メートルを10本走る練習の場合、日本なら時間を設定し監督の指示を忠実に守るイメージですが、ここでは時間設定をせず個々にコーチと相談しながらその日のやり方を決めるなど、自由度が高いです。『このフォームで走ってみて』と筋肉の使い方を具体的に指導されるなどの効果的な練習や、プロも趣味のランナーも同じチームにいるという点がおもしろいですね。また、選手の社会的な立ち位置も日豪で異なります。企業が持つチームに選手が所属し安定した給与が支払われる日本に対し、オーストラリアなどでは個人が企業からスポンサー契約を得て、コーチの職などで収入を得ながら選手をやるのが一般的です」

走っていると、人が集まって来る

「チーム練習の無い日は個人でジョギングを16~20キロ。週に1回程度は完全に休む日、または6キロほどの軽いジョギングだけです。毎日就寝前には体幹トレーニングとストレッチを行います」と原口さんは体作りに余念が無い。最近は、大学時代に経験したピラティスを取り入れたトレーニングも始めたそうだ。

「自分がランナーとして走るだけでなく、ランニング・コーチやサポートもやりたいので、ピラティスの指導資格を取る予定です。今、ロサンゼルス・マラソンのウェブサイトの日本語訳のお手伝いなどもやっており、日本人がもっと海外に出やすいように、そしてランニングを通じて日本と海外とのつながりを深められたらと思っています」

原口さんがそう考える背景には、数々の出会いがある。「走っているお陰で知り合いが増えるんです。周りはランニング関係のオージーばかり」と言う通り、けがの治療を通して知り合った10,000メートル走の豪州記録保持者らと共に合宿に参加するなど、人との出会いは絶えることがない。

「ランニングと無関係なことやっていた時期は交友関係が広がらなかったのに、全部投げ出してただ走っていたら、人が集まってきていたりするんです。今は大会での結果を求めるだけでなく、トップ・ランナーも趣味のランナーも一緒に走れるこの環境を楽しみたい。好きなことを一生懸命やっていれば人種の壁もありません。そして今後の大きな目標は、今年の12月にカタールで行われる50キロの世界選手権の派遣記録を突破し、日本代表になること。不安もありますがワクワクする気持ちのほうがずっと強いです」

「今」を駆ける原口さんが今後どんな出会いを経て、どこでマラソンのゴール・テープを切るのか、ますます目が離せなくなりそうだ。

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