【WH日記】日本のサッカー選手を豪州から支える – 齊藤麻衣子さん


日本のサッカー選手を豪州から支える

第35回 今回登場のワーホリ・メーカーは?


齊藤麻衣子さん


1986年生まれ・マレーシア出身
日本人の両親の下マレーシアで生まれ、タイと日本で育つ。高校3年生から日本の社会人チームでサッカーを始め、ジュニア・ユース・クラブのスタッフなどを経て、2016年ワーキング・ホリデーで来豪。現在、「豪州フットボール・アクション」でサッカー・マネジメントに携わる。


オーストラリアのサッカー・チームと、そこでプレーしたい日本人選手をつなぐ団体「豪州フットボール・アクション」で、唯一の女性スタッフとしてマネジメント業務を担当する齊藤麻衣子さん。子どもの頃からスポーツに親しんできた彼女がサッカーを始めたのは、高校3年生の時に同級生に誘われて入団した社会人チームだった。「それまでも高校サッカーが好きで観戦には行っていましたが、プレー経験はほとんど無し。チームは元国体選手なども所属する強豪だったので私は試合には出られませんでしたが、週6日の練習はハードながらとても楽しかったです」とタフな一面を覗かせる。

マレーシアで生まれ、タイと日本で育った齊藤さん。高校卒業後に語学留学のために再び訪れたマレーシアでも、余暇の楽しみとして男子学生ばかりのサッカーの集まりに参加した。「個人プレーでの勝ち負けよりチーム・プレーの喜びの方が性格に合うようで、サッカーはそこが良かったんです」

選手でなく、サポーターでなく

留学期間後、齊藤さんは日本でも個人のフットサル・チームなどでプレーを続け、その縁で2011年からジュニア・ユースのサッカー・クラブ「クラブ与野」にスタッフとして参加することに。「男子中学生を中心に約150人を擁する埼玉のクラブで、新たに女子チーム立ち上げのタイミングで誘って頂いたんです。平日は別の仕事をしながら、主に土日にスタッフとして参加し、女子選手のケアからコーチ代理、試合への帯同や審判などを担当していました」と齊藤さんは話す。自身がプレーすることも楽しいサッカーだが、スタッフとして関わることには別の喜びがあることをそこで発見したそうだ。

「選手でもサポーターでもない立場から、怒ることも、楽しさも、勝ってうれしいという感動も、チームの一員として共有できる。スタッフの仕事や指導のおもしろさを知りましたし、女子中学生の成長過程を見られるのも楽しかったです」

齊藤さんは同クラブで4年間ジュニア・ユースの指導にあたり、オーストラリアでサッカー・マネジメントに携わるためにクラブを離れた今も、選手たちとの交流は続いているそうだ。

オーストラリアのサッカーに触れる

マレーシア留学後、齊藤さんがジュニア・ユースの指導を始める前のこと。留学当時の友人を訪ねてオーストラリアで観光をしていた時、「オーストラリアのセミプロ・チームのトライアル(入団テスト)を受けたのですが、ローカルの選手は女子とはいえ体格が縦も横も自分よりずっと大きな人ばかり。技術・体力的にも、現役を離れて長かった私には厳しいものでした」。

しかし同じ頃、偶然見つけた草サッカー・チームのメンバー募集の貼り紙から、現在齊藤さんが働く豪州フットボール・アクションや関連団体の「豪州ソリューションズ」との交流が始まった。それが縁となって2015年に豪州フットボール・アクションからスタッフとしての誘いを受け、16年にシドニーへ。この国でサッカーと関わる道を踏み出した齊藤さんは、「日本の女子選手をもっとオーストラリアに!」と現在の野望を語る。

「男女問わずオーストラリアでサッカーをしたい人のための情報発信をしたり、希望者を現地で案内することが今の主な仕事です。こちらのチームはセミプロでもサポーターがいて、スタジアムも持っていたりと、日本とは全く違って驚きました。先日はフットサル元日本代表の藤田実桜さんの帯同をしましたが、もっと多くの女子選手にオーストラリアのサッカーに肌で触れて欲しいです」

齊藤さんは選手のマネジメントの他に、小学生のサッカー・スクール「ソルリエーフ」のコーチも務めており、「日本にいた頃よりサッカーとの関わりが増えました。スクールでもいつか女子チームを作れたら」と熱心に取り組んでいる。

当面の目標は、日本の女子選手をオーストラリアのWリーグ(女子のプロ・リーグ)に送ること。日本でプロになることは実力のある人にとっても非常に狭き門だが、オーストラリアにはまだチャンスがある、と齊藤さんは言う。「英語圏で暮らしやすい国ですし、女子サッカーは今オーストラリアの方が日本より強いです。高い技術を持つ日本人選手がオーストラリアで外国人選手として注目を集めれば、なでしこジャパンの澤選手のように、外国から日本代表へという逆輸入も夢ではないと思います」

オーストラリアから、そしてマネジメントという側面から日本のサッカーの未来を見つめる齊藤さん。そこから羽ばたく選手たちの活躍を見られる日が楽しみだ。

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