【WH日記】「TaikOz」唯一の日本人太鼓プレーヤー – 浜田隆二さん


「TaikOz」唯一の日本人太鼓プレーヤー

第36回 今回登場のワーホリ・メーカーは?


浜田隆二さん


1990年生まれ・神奈川県出身
小学5年生から太鼓演奏を始め、中学生から大学卒業まで神奈川県の地域サークルで演奏活動を続ける。大学卒業後、ワーキング・ホリデーでオーストラリアへ。ローカルの太鼓パフォーマンス集団「TaikOz」(Web: www.taikoz.com)に入団し、研修を経て正式団員として活動中。


「TaikOz(タイコーズ)」はシドニーを拠点に活動する、和太鼓のパフォーマンス集団だ。日本発祥の和太鼓を愛するオーストラリア人により1997年に設立され、日本の伝統的な曲からオリジナル曲までを携え、オーストラリア全土のみならず海外での公演も催行。太鼓演奏に踊りや現代音楽要素など、さまざまなエッセンスが加わった舞台は音楽の枠にとどまらず多くの人を魅了している。

そのTaikOzメンバーで唯一の日本人演奏家として活躍している浜田隆二さんは、太鼓の魅力を「音楽ではありますが、太鼓は耳で聴くより体で感じる要素が強い楽器です。打つ人の気持ちを、聴く人がダイレクトに共感できるので、他の楽器より心に訴えかけるものが多いかもしれません」と話す。

浜田さんが太鼓演奏を始めたのは小学5年生の時、学校のクラブ活動だったという。

「元々、兄と姉が太鼓をやっていてかっこいいなと思っていたんです。クラブに入った頃は先生に笑われてしまうくらい下手だったのですが、全身を動かしてエネルギーを発散させるような太鼓の演奏はただただ楽しくて。中学校に入学すると同時に地域の太鼓サークル『昇龍』に入り、大学卒業まで週2日の練習と、日本中の祭りや老人ホーム、幼稚園での演奏など年間約60公演を続けました」

浜田さんの出身地は、世界的に有名な太鼓芸能集団「鼓童」の元メンバー・吉井盛悟さんを排出した地域でもあるそうだ。実際にその演奏を観る機会などを経て、高校生の頃の浜田さんの心には「将来的に太鼓で食べていく」という選択肢も浮かぶようになっていたという。大学時代に地域サークルのリーダーになった浜田さんは、憧れの「鼓童」の入団オーディションを受けた。

「年に1度の機会だったのですが落ちてしまって……。その時は『入りたいのは鼓童だけ』と強く思っていたので、もう1年待って再度オーディションを受けようと考えていました。その間、英語を勉強するために気候の温暖なオーストラリアにワーキング・ホリデーで来ることにしたんです。鼓童のようなグループは海外公演も多いので、自分もそれに備えておきたいという気持ちもありました」

オーストラリアで太鼓を叩く

ゴールドコーストで語学学校に通いながら、浜田さんは同地の日本人による太鼓サークルに所属。そのメンバーに誘われてあるコンサートを観に行くことになった。

「そこで初めてTaikOzの演奏を観たんです。自分がそれまでやってきた泥臭く勢いのある日本の太鼓と違い、音質や動きの1つひとつに気を遣った繊細かつ力強い演奏はとても新鮮でした」

終演後、TaikOzメンバーと話をして興味を持った浜田さんは数カ月後に入団オーディションを受け、見事合格。研修生として入団するためにシドニーに移り住んだ。

「日本でやっていた演奏とは、打つフォームが違い、音も違う。そもそも日本での太鼓はプロでも楽譜がないのが一般的で、口承でリズムや曲を教えます。しかしTaikOzでは楽譜(リズム譜)を使い、太鼓をより音楽的に理論的に捉えている。ちなみにリーダーはシドニー・シンフォニー・オーケストラの元・主席パーカッショニストで、他のメンバーもパーカッション出身者が多いです。僕はここで、演奏者自身が熱くなるのではなく観ている人を熱くさせる、ということを教えられました」

浜田さんの研修生としての初舞台は、キャンベラを訪問した安倍総理大臣のディナーの席での演奏だった。プロの演奏家としての道をオーストラリアで歩み始めた浜田さんは現在TaikOzに正式団員として迎え入れられ、この国のことを、そしてTaikOzの太鼓をもっと知りたいと考え、学校に通いながら活動を継続中だ。この9月にはブリスベンで3週間にわたる公演を終えてきたばかりで、年内にはキャンベラ公演(10月29日)、11月半ばからはインドでの演奏ツアーも控えているという。

「太鼓を通してさまざまな人と出会えることも喜びです。TaikOzはワークショップやレッスンも開いており、僕もイヤー5から8くらいの年齢のクラスを受け持っています。英語で教える難しさもありますが、個人に合った指導で、1人ひとりと深くつながるレッスンが目標。オーストラリアにはシドニーだけでなくメルボルンやゴールドコーストにも太鼓グループがありますが、もっと広く太鼓を知ってもらうために僕も貢献したいですし、まだまだTaikOzでやりたいです」

TaikOzのダイナミックな演奏はYouTube動画などでも観ることができるが、激しい鼓動のように空気を震わす太鼓の響きを体で味わえるのは生演奏の醍醐味。浜田さんのTaikOzでのパフォーマンスをぜひコンサート会場で体験してみては。

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