【WH日記】海外でプレーを続ける野球選手 – 安田裕希さん


海外でプレーを続ける野球選手

第41回 今回登場のワーホリ・メーカーは?


安田裕希さん


1990年生まれ・神奈川県出身
小学校1年生から野球を始め、大学進学後は準硬式野球部を経て社会人野球チームでプレー。大学卒業前からアメリカ独立リーグにプレーの場を移すと、アメリカだけでなくオーストラリア・ベースボール・リーグに練習生として参加するなど現在まで海外でのプレーを続けている。


アメリカを拠点にオーストラリアなど海外でのプレーを続ける、野球選手の安田裕希さん。厳しい環境の中でも「とにかく野球が好き」という思いと共に選手としての高みを目指し続ける安田さんだが、かつてはプロを目指し途中で夢破れた球児の中の1人だった。

「中学校までは体格的に他の選手より恵まれていたので、プロ野球選手になれるかなと思っていました。ただ、高校に入ると自分は平均的な選手だったんだと気付かされたんです。そして、高校時代は練習もきつくて休みも1年で4日くらいでしたから、高校3年生で迎えた夏の甲子園神奈川県予選の準々決勝で敗れた時には、気分すっきり野球を辞めました」

その後大学に進学すると、一度は未練無く辞めたはずの野球が「また恋しくなった」と準硬式野球部に入部。ここからまた安田さんにとっての新たな野球人生が始まることになる。

アメリカに渡りプロの道へ

大学で野球を続けながらも、元々「人に何か良い影響を与えられる人物になりたい」と考えていた安田さんは大学3年生の時、将来の職業として教員になることを考え始める。一方、「どこにでもいる普通の大学生だった」という安田さんは、当時「教員になれたとしても、このままの生活で人に何かを伝えられるようになるのだろうか」と疑問を感じていたという。

そんな問題意識を感じ始めたころ、準硬式野球部を引退しプレーを始めた社会人野球のチームで、安田さんはアメリカ独立リーグでコーチをしていた人物と幸運な出会いを果たす。そして、「カリフォルニア・ウィンター・リーグ」という将来的にプロ野球入りを目指す選手たちが集まりプレーするスカウト・リーグを紹介されたのだった。

「アメリカ行きの話を聞いた時は、絶対にプロ野球選手になるという気持ちは無く、他の人には無いような経験ができれば面白いなと思いました」

プロ志望の気持ちが無かっただけでなく、その後の契約があることさえ知らず、また英語も全く話せなかったという安田さんだったが、アメリカに渡ると本人も「実力以上のものが出た」と語るほどの大活躍を見せた。そして契約を勝ち取ると、その後は野球で生計を立てる「プロ選手」としての道を歩み始めたのだった。

ワーキング・ホリデーでの充実の調整期間へ

アメリカ独立リーグでプレーを始め4球団目となるチームでシーズンを通した大活躍を見せ、新シーズンの契約を勝ち取りチームに残留することができたころ、安田さんはワーキング・ホリデー・ビザを利用してオーストラリアに渡った。日本に帰国してトレーニングすることも選択肢としてあったというが「実戦でプレーすることが野球上達のための一番の方法だと信じていた」と語る安田さんは、NSW州のローカル・リーグでプレーし新たな経験を積んだ。

「街で出会った子どもが“ベースボール”という単語を知らなくて驚いた」というほど、野球がマイナーな存在のオーストラリアでは環境面でストレスになることも少なくなかったというが、それでもオーストラリアでの調整期間にデメリットは無かったと当時の状況を振り返る。

「大学卒業後、すぐにアメリカでのシーズンをスタートさせていたこともあり、常に十分な貯蓄はありませんでしたが、オーストラリアにワーキング・ホリデーで来て仕事をし、自分に必要な活動資金を捻出することができました。そして、アメリカの国民性との違いを理解できたり、恵まれた気候の中で野球の実戦経験を積めたことは良かったですね」

ローカル・リーグでは外国人枠も無く、チーム合流後はシーズン全試合出場。当初安田さんが信じていた通り、プレーヤーとしても充実した時間を過ごせたのだった。

自身を通して示す可能性

現在でも日本のプロ野球を含め、レベルの高いステージに向かおうとし続けている安田さんだが、自身のビジョンは「人に何か良い影響を与えられる人物になりたい」と教員を目指していたころのものと相通じる。

「海外を渡り歩きプレーする現在の自分の姿を高校生のころに知っていれば、高校で野球を辞めなかったのではないかと思います。日本では高校や大学卒業時に野球を続けたくても続けにくい状況が多いと感じています。たとえ少数派の存在であるとしても、新しいプロ野球選手のロール・モデルとして活躍しメディアで注目されることなどを通じて、泣く泣く野球を諦めざるを得ない状況の若い選手に少しでも未来の可能性を示していければうれしいですね」

プロ野球選手として可能性にチャレンジし続ける安田さんが、新しい「野球選手の在り方」を示す日が必ず来るはずだ。

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