【WH日記】海外のクラブ・カルチャーを日本へ – 樋口佳明さん


海外のクラブ・カルチャーを日本へ

第45回 今回登場のワーホリ・メーカーは?


樋口佳明さん


1985年生まれ・熊本県出身
高校3年生時にDJになることを志し、高校卒業後ハワイでの留学を機に本格的にDJとしての活動を開始する。留学後、地元・熊本県で4年間の社会人生活を送るが2015年に来豪、現在は「DJ BOZU」の名前でパースのナイト・クラブやアパレル・ショップで活動中(Web: djbozu.com


パースにあるアパレル・ショップやナイト・クラブで週末にDJとして活動する、「DJ BOZU」こと樋口佳明さん。空手とテコンドーの師範である父親を持ち、また三兄弟の一番上の兄・清輝さんはテコンドーでシドニー五輪に出場するなど格闘技一家の中で生まれ育ったが、高校3年生の時、ブラック・ミュージックが好きで先にDJの活動を始めていた友人の影響を受けDJになることを決意。そして高校卒業後、ハワイでの留学を機に本格的なDJ活動をスタートさせた。

「元々兄たちと同じくテコンドーをしていたので、高校生の時、1年間韓国に留学していました。そのため、高校生の時から海外にはずっと興味があり、大学進学の際はハワイの専門学校に進みました。6年間の滞在中、本格的にDJとしての活動を行い、それが今の活動の原点になりました」

留学後、熊本県に戻り地元のIT企業に勤めながらも、月に4、5回ほど地元のイベントにDJとして出演するなど活動を続けた樋口さんだったが、日本で社会人生活を始めた当時を振り返り「その時は、もう一度海外に出て世界で活躍するDJになりたいという気持ちが強かった」と語る。その後、4年間の社会人生活を経て2015年12月にワーキング・ホリデー制度を利用しオーストラリアに渡った樋口さん。本人を来豪に駆り立てた大きなきっかけは、自身にとって現在の活動の原点とも言えるハワイでの生活の中にあった。

「ハワイでの留学中、『アーティスト・ビザ』と呼ばれるDJやミュージシャン、ダンサーなどがアメリカ国内で有償の活動するために必要なビザを申請しようとしていたのですが、申請に必要とされるスポンサーが見つかりませんでした。海外で活動し続けることを夢に思っていましたが断念せざるを得なくなり、日本帰国後も心の中で何かがくすぶり続けていたんです」

日本での仕事を辞めパースに渡った樋口さんは、そこでかつての悔しい思いを振り払うように新たにDJとしての活動に取り組むことになった。

1人のDJとして大切なこと

「世界で活躍するDJ」、そんな思いを抱いていた樋口さんは、なぜオーストラリア最大の都市であるシドニーやメルボルンではなく、西の地方都市・パースに向かったのか。そんな素朴な疑問に、樋口さんは明確な意図があったと答えてくれた。

「シドニーなどの大都市は当然人口も多くナイト・クラブはとても充実していますが、自分がDJとして新たに挑戦していくことに、果たしてどれほど可能性があるのかと正直疑問でした。一方で、パースは現在も人口が増え続け街も成長の過程にあるので、DJとして活動できる可能性は大都市より大きいはずだと来豪前に考えたんです」

より大きな可能性を期待していたものの、来豪当初の樋口さんにとってDJの仕事探しは一筋縄ではいかなかった。フェイスブックで表示されるクラブ・イベントの情報を通しプロモーターや出演するDJにメールで連絡、実際に会えれば自作のCDと履歴書を手渡すことを繰り返す日々。そして、半年近く経ったころ、ようやく来豪後初の仕事を手に入れたのだった。

その最初の仕事を手に入れた時が「オーストラリアに来て最もうれしい瞬間だった」と語る樋口さん、その後はパースでのDJ活動は徐々に軌道に乗り着実に自身の足場を固めていけたという。また、自身の活動が充実していく中で、樋口さんは日本におけるDJの世界の違いや今後の活動にも通じるある大切なことに気付いたという。

「オーストラリアのDJの世界には縦社会はほとんどなく、良いパフォーマンスをすれば実績に関係なく高く評価してくれます。逆に良くなければ何も声を掛けてくれない、分かりやすい実力主義の世界です。日本では実力だけでなく有力な人とのコネクションがあるかも重要ですが、こちらではDJ同士でお互いを認め合えるかどうかが次のチャンスへとつながっていくんです。ただ、こちらでも同じかもしれませんが、その人脈を作るにはDJとしての技術だけでなく人間関係を大切にできる人間性が何より重要ですし、オーストラリアに来たからこそ感じることができた部分でした」

現在、セカンド・ビザで2年目のパースでの生活を送る樋口さん。海外でDJ活動を続けた先に思い描く未来は壮大だ。

「パースで築いた人脈、そして海外でのDJ活動で培ったノウハウを生かし、将来は日本でナイト・クラブの普及を目指したいですね。1人のDJとしてとどまるよりは、日本におけるクラブ・カルチャーの仕掛け人のような人になっていきたいんです」

長く海外で活躍してきた1人のDJが一体日本に何をもたらすのか、その未来が楽しみだ。

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