【WH日記】琉球舞踊でつなぐ沖縄とオーストラリア – 赤嶺里緒菜さん

みんなの「ワーホリ・ダイアリー」

琉球舞踊でつなぐ沖縄とオーストラリア

第52回 今回登場のワーホリ・メーカーは?

赤嶺里緒菜 さん


1989年生まれ・沖縄県出身
5歳の時に家族のお祝いで琉球舞踊を練習・披露したことをきっかけに、小学校入学と同時に本格的に活動を開始。地元では首里城などで踊り手として活動。豪州で舞踊を披露するため保育士の仕事を退職し2016年4月に来豪、2年間滞在。帰国後は保育士に復職予定。


目に飛び込む鮮やかな着物に身を包み、たゆたう時の流れに似た三線(さんしん)の調べに合わせ優雅に沖縄県の伝統舞踊「琉球舞踊」を舞う、赤嶺里緒菜さん。地元では世界遺産にも登録されている首里城(那覇市)を始め各地で踊り手として活動していたが、遠く離れたシドニーでの生活もその伝統舞踊と共にあった。

赤嶺さんが琉球舞踊と出合ったのは、わずか5歳の時。家族のお祝いの席で披露するために1カ月間練習したことがきっかけだったという。姉と妹、3姉妹で披露したが、その後も続けたのは赤嶺さんだけ。幼かった彼女の気持ちをつかんだ理由を「人前は緊張するタイプなのですが、踊りだけは別だったようです。踊りの場合、人前ではスイッチが入り楽しくなってしまったんです」と振り返る。

小学校に入学すると同時に稽古場に入り、本格的に練習を始めた。中学生になってからは部活動でバレーボールを始めたが、琉球舞踊は生活から離れていくどころか、心の拠り所と言える存在になっていた。

「生活で嫌なことがあり今日は踊りたくないと思っても、稽古場で踊り始めると嫌な気持ちをなぜかすっきりと忘れることができたんです。マイナスな気持ちが浄化される、不思議な感覚でした。『芸は身を助く』ということわざの通り、いつも自分を助けてくれていましたね」

その後も活動を続けた赤嶺さんにある時、大きな転機が訪れる。大学生時、アメリカへ琉球舞踊を披露しに行くことになったのだ。アメリカで舞踊を披露すると現地の人はそれを驚きと好意を持って受け止めた。海外の人に初めて沖縄の文化を伝えた時の気持ちをこう語る。

「海外で琉球舞踊を披露できるなんて、それまで全く考えたことがありませんでした。ただ、アメリカで沖縄の文化を温かく受け止めてもらってから、これからも海外で披露したい、そう思うようになったんです」

その思いは社会人になっても続き、2016年4月、保育士の仕事を退職しワーキング・ホリデー制度を利用し来豪。スーツ・ケースには舞踊で使う2着の着物を入れた。

1人ひとりが沖縄の大使に

祭りジャパン・フェスティバルで琉球舞踊を披露する赤嶺さん""
祭りジャパン・フェスティバルで琉球舞踊を披露する赤嶺さん

オーストラリアに渡った赤嶺さんがまず始めたことは、意外にも琉球舞踊の活動ではなかった。

「来豪前、舞踊の活動ための時間を1年間しっかり確保したいと思っていました。そこで、こちらに来てすぐにファームに行き、セカンド・ビザ取得に必要な日数、仕事をしたんです」

1年目はオーストラリアでの生活に慣れるという目的もあったそうだが、それでもただ無為に毎日を過ごしたわけではなかった。シドニーで舞踊を披露できそうなイベントはないか情報を集め、市内の沖縄料理店に足を運んでは県人会の人たちと人脈を作り、自身が琉球舞踊の踊り手として活動をしてきたことを伝えた。

そうした地道な努力が実を結び、県人会、そしてオーストラリアで沖縄の伝統文化・音楽を伝えながらチャリティー活動を行う団体「豪州かりゆし会」から舞踊披露の依頼が寄せられるようになった。数々のイベントでパフォーマンスを行ったが、自身のハイライトとも呼べるのは昨年12月にダーリング・ハーバーで開催された「祭りジャパン・フェスティバル」。5万人以上もの来場者が訪れた同イベントは、1年目に訪れた時「ここで琉球舞踊を披露できたら最高だな」と憧れ続けた舞台だった。

2年間の充実した時間を過ごした赤嶺さんは、日本帰国後の自身の展望をシドニーで支えてもらった人たちの思いと共に次のように思い描く。「県人会の人たちと、帰国したら周囲の人たちに2つのことを伝えると約束しました。オーストラリアで沖縄を紹介する活動をしている人たちの存在、そして自分を例に1人であっても海外で沖縄の大使のような活動ができるということ。自分の経験を話すことで、1人でも多くの人が海外に興味を持ち、沖縄と世界をつなぐ存在になってもらえたらうれしいですね」

異国で故郷の文化を伝え続けた赤嶺さんの情熱に背中を押され、新たな沖縄の伝え手がまたオーストラリアの地を踏むことだろう。

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