【WH日記】ファーム・ジョブに一石を投じるブログ – 西村欣也さん

みんなの「ワーホリ・ダイアリー」

ファーム・ジョブに一石を投じるブログ

第54回 今回登場のワーホリ・メーカーは?

西村欣也さん


1985年生まれ・北海道出身
北海道の保育士専門学校を卒業後、沖縄県の保育園、情報サービス企業勤務を経て2015年1月に語学留学で来豪。同年11月からワーキング・ホリデーで2年間豪州各地に滞在。その間、ファーム・ジョブの自身の経験を基にしたブログ「House Green Japan」(Web: housegreenjapan.blog.jp)を開設。7月からは携帯アプリもリリース


オーストラリアでファーム・ジョブを行う日本人に向けたブログ「House Green Japan」。管理人の西村欣也さんは、2015年11月から2年間に及んだワーキング・ホリデー生活のほぼ全てをファーム・ジョブに費やす中、同ブログを開設した。収穫物の解説からセカンド・ビザ取得後の注意点まで、多角的な視点で充実した情報が掲載されているが、開設直後の投稿の中の一文にはこのブログに込められた強い意志が滲(にじ)む。

「オーストラリアにおける日本人のファームジョブを変えたい」

西村さんは地元・北海道の保育士専門学校を卒業後、沖縄県で5年間保育園に勤務すると、その後同県の情報サービス事業大手の企業に営業職として転職。異業種ではあったがすぐに頭角を現し、同期の中ではトップの営業成績を誇っていた。その成績が上司の目に留まり東京にある本社の採用試験に進んだが、結果は惜しくも不合格。この時、将来的な転職の武器になればと海外で語学を学ぶことを決意、オーストラリアを渡航先に選んだ。

ワーキング・ホリデーも視野に、同年1月から半年間、学生ビザでゴールドコーストの語学学校に通った。その学生生活の中で、西村さんは都市部での生活に対し「仕事と家の往復の日々を送るだけのように見え、刺激的だと思えなかった」と感じたそうだ。そして、ワーキング・ホリデーでの滞在中は、ファームで働くことを考えた。

期待を胸に、ワーキング・ホリデー生活をタスマニアからスタートさせた。しかし、その矢先、仕事の斡旋機能を兼ねた宿泊所であるワーキング・ホステルに足を運んだ際、不運にもトラブルに遭ってしまう。

「ワーキング・ホステルで仕事を斡旋しているという人に紹介料を払ったのですが、仕事は紹介されず、結果的にお金をだまし取られてしまいました。そこには自分と同じように紹介料を払ったものの、仕事を始められず待機している日本人が20人程いました」

中には1カ月近く待機状態だった人もいたという。現実は、想像と違い残酷なものだった。

情報発信から変えられる意識と現状

ワーキング・ホステルでの被害後、西村さんは、さまざまな収穫物のファームを渡り歩く中である思いを強くした。

「被害に遭ったそのワーキング・ホステルには、以前から悪い噂があったはずです。ただ、十分に情報が共有されなかったことで同じ被害が繰り返されたんだと思います。その悪い連鎖を断ち切りたいと考えました」

繰り返される被害を防ぐために考え付いた方法は、ファームに関する書籍の出版だった。一方で、これからファームの仕事に臨むという人に不安を取り除いてあげたいという気持ちもあった。書籍の出版を待っていたのではその思いさえも果たせない――。そう考えていた時に起こった1つの事件が、現在のブログ開設の大きなきっかけとなった。

「ある時、ファームに関する情報を共有したいと思い、ワーキング・ホステルの掲示板に張り紙をしたら、日本人の管理人がそれを不利益な情報だと考えて自分を出入り禁止にしたんです。強い怒りを感じましたが、この件をフェイスブック投稿すると、多くの人が自分の行為を支持してくれました。そこで、自分のしようとしたことは間違いではないという確信を得て、次の日にブログを開設しました」

7月からリリースされるファーム関連情報アプリ「TAS House Green Japan」
7月からリリースされるファーム関連情報アプリ「TAS House Green Japan」

当初は被害者を減らし、仕事に臨む人の不安を取り除こうとの思いで始めたブログだったが、現在はその情報発信をより大きな視点で捉えている。

「劣悪な環境や人間関係など難しい面もありますが、ファーム・ジョブには魅力溢れる世界があるのも事実です。それを知ってもらうためにも、自分のブログも参考にしつつ複数のファームを訪れて欲しいと考えています。そうして得た確度の高い情報がインターネット上などで共有されることで、日本人の意識は変わり、ファームにおける日本人を取り巻く現状も改善されていくはずです」

7月から西村さんは、ブログに加えファーム情報の携帯アプリもリリースする。オーストラリアでファーム・ジョブを行う日本人のための支援の手は、今もなお差し伸べられ続けている。

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