「会計監査院の批判を招く」との官僚の諌言無視
連邦政府の「コミュニティ安全プロジェクト」に応募した地方自治体の計画書を内務省職員が審査し、70件の申請をピーター・ダットン内相に送ったところ、ダットン大臣が理由を示さずに助成金を削り、ダットン氏が独自に選んだプロジェクトに回していたことが明らかになった。
内務省職員は、大臣に、「メディアや会計監査院の批判を招く」と諌言したが大臣はこれを無視したと報じられている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
内務省職員は、応募した自治体の計画書の内容を審査し、優れた評価を受けた70件の「コミュニティ安全プロジェクト」リストを省の勧告案として大臣に送ったところ、ダットン氏は最高評価を受けた19件について助成金額を減らし、その金額を個人的に選んだプロジェクト助成に回した。
助成金ガイドラインには、大臣が省の評価選定を無視して自分で選定することができると述べられている。
さらに、ダットン氏は、補欠選挙で接戦区になる2つの自治体を新たに選んで助成金交付を決めているが、これも内務省からは「助成金を交付しないよう」わざわざ勧告を受けていた。
この「コミュニティ安全プロジェクト」の資金は犯罪組織から没収した資金を積み立てたもので、街灯や防犯カメラなどの設置に充てられることになっているが、ABC放送の時事番組「7.30」の調査の結果、ダットン氏が異常な権限をふるって内務省の選定作業を却下したことが暴露されている。
同番組は、内務省職員が大臣への説明で、「省が地方自治体のコミュニティ安全計画を評価し、優れた計画を選んで助成金交付を勧告している。このメリット本位の選定を大臣が覆すことは連邦会計監査院やメディアの不審を招き、厳しい点検を招くことになる」と諌言していたことも明らかにしている。
ABC放送(電子版)は、「ダットン氏には大臣行動基準について質問したが返事がなかった」としている。
■ソース
Peter Dutton slashed funding for highly regarded community safety projects. Then he selected his own list to fund