ホリデー・イン・クラスター11人を重大視
2月11日、VIC州メルボルン空港ホリデー・インのホテル隔離から11人の感染者が出たことを重視したSA州政府は、両州間の州境を閉鎖した。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
VIC州保健局が、「ホリデー・イン・クラスターは、海外帰国でホテル隔離していた3人家族の1人が喘息治療にネブライザー吸入器を使用したため、ウイルスがネブライザーのミストに乗って部屋に充満し、さらに廊下に漏れて、警備員やホテル隔離の客室に飲食物を運ぶ配膳給仕らに感染したことはほぼ確実。感染可能性のある者をすべて検査してほとんどが陰性と判定されており、また陽性者はすべて隔離している。これ以上市中感染の危険はない」と発表している。
ネブライザー吸入器は薬剤を霧状に噴射し、患者はこのミストを吸入するため、薬剤が気道から肺まで直接作用する。ネブライザーを使った喘息患者がウイルスを持っていた場合、ウイルスが漏れ出たミストに乗って広がる可能性がある。
この発表について、2月10日、豪医師会VIC州支部のジュリアン・レイト会長が、「ホテル隔離中にネブライザー使用を許していたというのはまったくあり得ない話だ。ネブライザーがコロナウイルス・スプレッダーになることは医療関係者はよく知っているはず。ネブライザーがコロナウイルス・アウトブレークの原因になった例は国内でも海外でもいくつもある」と語っている。
このクラスター拡大で、QLD州が州境規制を再導入し、2月13日午前1時よりVIC州からの入域者は全員州境申請書に記入しなければならない。また、特定日時にクラスター陽性者の立ち寄り先に入ったことのある者は入域を禁じられる。
WA州は、VIC州に対する州境規制をさらに7日間延長すると発表した。VIC州からWA州に入る者はWA州に入って直ちに検査を受け、さらに14日間の隔離が義務づけられている。
SA州は2月11日夜より、大メルボルン地域からの旅行者の入域を禁じる。ただし、重要な理由のある旅行者、SA州民、DV加害者から逃げる被害者、SA州に転居する者は禁止適用を受けない。
■ソース
‘Still in opening quarter’: Holiday Inn COVID-19 cluster grows to 11