失業率4.5%まで下がるが雇用は大幅減

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労働時間低下に加え統計に現れない数字

 豪統計局(ABS)の新しい統計数字でコロナウイルス・ロックダウンが続き、多くの事業所が休業しているさなか、失業者がさらに減少している。ただし、この数字は雇用増大を示すものではない。

 9月16日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 新しい失業率4.5%は過去13年近い期間でも最低水準になっているが、8月の総労働時間も急激に減っており、コロナウイルス・ロックダウンの影響がはっきりと現れている。

 7月の失業率4.6%から8月には4.5%に下がっていたが、同時期に146,300人の失業者が出ている。また、総労働時間は8月には3.7%減っており、また求職者も就職を諦めている。

 NSW州がもっとも大きく後退しており、被雇用者数は210,000人減っている。同時に総労働時間はロックダウン開始時に比べて13%減少している。

 NSW、VIC両州とACTでコロナウイルス・ロックダウンが続いたことで働く用意のある者が66%から65.2%に下がっており、結果的に失業率が減少していた。

 ABSの労働統計課のビュルン・ジャービス主任は、「人々は失職しただけでなく、失業者が就職を諦めて労働力から脱落していったのであり、ロックダウン中に積極的に仕事を探し、仕事に就くことが非常に難しいことを示している」と述べている。

 ジャービス主任は、「同時に、ロックダウン地域のjobseekers受給者に対して求職活動義務が一時的に停止され、求職者の数字に現れなくなったことも関係している。さらに、総労働時間は3.7%減少しており、その上、不完全雇用が1%ポイント上昇して9.3%になっている」と述べている。

 また、職業斡旋ウエブサイト、Indeedのカラム・ピッカリング・アジア太平洋エコノミストは、これらの数字がパンデミック中の経済のダメージを示すものとして最適だ、として、「オーストラリア労働市場は8月に大打撃を受けた。この痛みはシドニーとメルボルンが規制を緩和できるようになるまで続くと考えられる」と述べている。

 ジャービス主任は、「8月上旬にロックダウンを経験した州、準州はすべて総労働時間が大きく落ち込んでおり、VIC州で3.4%減、QLD州で5.3%減、ACTで2.5%減となっている。
■ソース
Unemployment falls again to 4.5pc, but hours worked paints the true picture of lockdown

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