クリスマス・シーズンの全土州境開放も危ういと
9月29日付ABC放送(電子版)は、QLD州の接種普及が遅れていることについて、NSW州政府の州境往来コミッショナーが、このままではクリスマス・シーズンに国内全土の州境を開放し、国民が家族と集えるようにとの計画も危うくなると苦言を呈したことを伝えている。
家族友人訪問やレクリエーション目的の州境往来は今も禁じられている。一方、NSW州政府は16歳以上の成人州民の接種率70%、80%と達成の段階に応じて規制を緩和していくロックダウン脱出計画の日程を編成し、発表した。
また、QLD州政府は、「今週中にモデリングを発表することになっており、それが州境閉鎖解除のガイドラインになる」と発表している。
16歳以上の成人の完全接種率はNSW州では62%にのぼっているが、QLD州は依然45%程度で低迷している。1日の接種回数が現在のまま続くと仮定した場合、QLD州で2回の完全接種率が80%に到達するのは12月初旬と予想されるが、NSW州は10月中旬に達成できると予想されている。
NSW州のジェームズ・マクタビッシュ州境往来コミッショナーは、「NSW州は70%達成も80%達成もQLD州に比べて6週間は先行している。NSW州が州境閉鎖を解除して州境周辺の地域で陽性者が発生すれば地域にとってはかなり難しい問題になる」と語っている。
9月28日夜にはNSW州北部で2人が陽性と判定されており、29日にはゴールド・コーストで1人が陽性と判定されている。また、NSW州で陽性と判定されたトラック運転手は、感染能力のある時期の9月25日から27日まで市中を移動していた。QLD州のジャネット・ヤング主席医務官は、「本日、問題のトラック運転手は感染可能な時期にNSW州北部のバイロン・ベイやバリナを移動していた」と語っている。
9月27日にグラディス・ベレジクリアンNSW州首相が日程表を発表したが、アナスタシア・パラシェイQLD州首相は10月1日の全国閣僚会議でさらに新しいモデリングが発表されるまで待つこともできるとしている。
これに対して、マクタビッシュ氏は、「ビジネスは各州政府が協力して確実な見通しができることを望んでいる。QLD州の問題はこれから接種者を増やすことだが、州の一部の地域ではかなり接種が遅れている」と語っている。
■ソース
Queensland’s lagging COVID vaccination rates cast doubt over Christmas travel, NSW says