ファイザー、モデルナのワクチンが60歳以上にも解禁

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10月1日より、アストラゼネカもこれまで通り選択肢に

 9月30日付ABC放送(電子版)は、連邦政府の発表として、オーストラリア全土で60歳以上もファイザー、モデルナ(モダーナ)のmRNA系ワクチンを選択できるようになると伝えている。

 これまで、オーストラリアではファイザー、モデルナのワクチンは12歳から59歳までを対象としており、60歳以上は体質に問題がない限り、アストラゼネカ・ワクチンしか選べなかった。この措置に伴い、60歳以上の人口は3つのブランドのどれでも選べるようになる。

 連邦政府はこれまでにアストラゼネカ・ワクチンは輸入、国産双方で5,700万用量、ファイザーは4,000万用量の供給契約をしており、アストラゼネカ・ワクチンは1用量あたり$2程度、ファイザー・ワクチンはその10倍以上という価格差があった。その上にアストラゼネカ・ワクチンは初期にヨーロッパでまれに血小板減少を伴う血栓症を引き起こすことが判明し、しかも、年齢が下るほど血栓症が出やすいというデータが集まった。そのため、オーストラリアでは最初はアストラゼネカ・ワクチンを50歳以上とした。その後、50代でも血小板減少を伴う血栓症が起きたため、60歳以上を対象とすることに改められていた。

 その後、高齢者もアストラゼネカ・ワクチンを忌避して接種を引き延ばす傾向が現れたため、連邦政府は、「60歳以上はいつまで待ってもファイザー・ワクチン接種を受けられない」と発表していた。

 現在、60歳以上でmRNA系ワクチンを待っている人口は30万人にのぼると推測されており、NSW州でも未接種のままコロナウイルスに感染して亡くなる人が毎日数人出ている。

 一方、70歳以上の95%近くが既にアストラゼネカ・ワクチンを受けており、また、いくつかの州ではこれまでに60歳以上でもmRNA系ワクチンを選べるようにしていたが、9月末日にグレッグ・ハント連邦保健相がこの公式発表を行い、国内全土で60歳以上にもmRNA系ワクチンが選べようになった。

 ハント保健相は、「アストラゼネカ・ワクチンは安全で有効であり、70歳以上の94.6%が接種を受けており、大勢の人の生命が救われた。しかし、これからはどのワクチンでも受けられるようになり、もうワクチンを忌避する理由はなくなった」と語っている。

 また、「どのワクチンも生命を守ることができるし、ワクチンを打てば自分の家族を守ることもできる」と語っている。
■ソース
Pfizer and Moderna COVID-19 vaccines will be made available for Australians over 60 from tomorrow

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