2015年11月 メルボルン/ローカル・コミュニティー・ニュース

メルボルンのオープニングを飾る大根仁監督の「BAKUMAN。」© 2015
メルボルンのオープニングを飾る大根仁監督の「BAKUMAN。」© 2015 “BAKUMAN。” Film Partners

日本映画祭がオーストラリアで開幕

メルボルンは11月26日から

第19回を迎える日本映画祭がオーストラリア全土で開幕した。オーストラリア・ニュージーランドの14都市で毎年開催され、3万人以上が訪れる、日本国外では最大規模の日本映画祭。メルボルンでは11月26日から12月6日まで、市内にある2つの映画館で新作映画から不朽の名作まで全46作品が上映される。今年のクラシック特集では、日本を代表する名監督・市川崑監督の代表作6作品を紹介する。

■日本映画祭(メルボルン)
日程:11月26日(木)~12月6日(日)
会場:ACMI Cinemas, Federation Square, Flinders St., Melbourne Hoyts Melbourne Central, Cnr. of Swanston & Latrobe Sts., Melbourne Central Shopping Centre
料金:一般$18.5、コンセッション$16.5、フィルム・パス$75(5回分、オープニング・フィルムとスペシャル・イベントを除く)
Tel: (03)8663-2583(ACMIボックス・オフィス)
Web: www.japanesefilmfestival.net



戦後70 年、今だからこそ戦争の恐怖や痛みを伝えなければ
映画『野火』塚本晋也監督インタビュー

日本映画祭では、大岡昇平の小説を映画化した塚本晋也監督の『野火』がメルボルン市内の映画館で上映、それに合わせ監督が来豪する。太平洋戦争末期のフィリピン・レイテ島に取り残された日本兵の壮絶な体験、極限状態に置かれた人間の残虐性や絶望感を描いた。「観た後すぐには感想が出ない」と言わせるほど、観客の心に深く刺さる作品に込めた思いを聞いた。 (文=大木和香)

――大岡昇平の同名原作に惹かれた理由は?
 高校時代に読んで衝撃を受け、まるで自分が戦争に行ったような気持ちになりました。語り手の主観で描かれ、普通の人が戦場へ行くとこういうことになるのかとリアルに感じ、いつか映画にしたいと考えていました。

――脚本・主演を務め、自主製作してでも監督が伝えたかったこととは?
 日本の戦争映画は大概、被害者目線で描かれます。それも大事ですが、僕が描きたかったのは、誰しもが加害者になる戦争の恐ろしさ。憎んでもいない、何もしていない人を殺してしまうことは、一生傷を背負って生きるということです。多くの戦争映画は仮想敵を作り、相手が悪く自分たちは正しかったという内容ですが、そのように描いているうちは戦争はなくならないと思います。

――多くの海外映画祭で上映、受賞もされています。日本と海外では観客の反応や受け止め方に違いはありましたか?
 海外では「代表作」と賞賛してくれた方もいましたが、一方で「やり過ぎ」との批判も受け、まさに賛否両論でした。今回は日本の反応が素晴らしく、「今これを見なければ」という意識を持った幅広い年齢層の方が劇場に足を運んでくれました。戦後70年という節目の年だったこともありますが、時代の空気を敏感に察し、真摯に作品と向き合ってくださったように思います。

――リアルな戦闘シーンの映像に「やり過ぎ」との声があったのですね。
 僕は全然やり過ぎだと思っていません。現実ははるかに残虐で、これでも描き足りません。実際、多数の日本兵が血を流すシーンは「やっぱり足りない」と追加撮影しました。肉体的な痛みや恐怖を語る戦争体験者が少なくなると国が戦争に傾いていく恐怖を感じます。今作らなければ、今この痛みを伝えなければという危機感がありました。

――今回は南方作戦で対戦国だったオーストラリアでの上映です。観客にメッセージをお願いします
 確かに、日豪は因縁ある歴史があります。しかし、その戦争の記憶も語りつぐ人が少なくなった今、本作がきっかけとなり、「あの戦争は何だったのか?」と振り返る機会になることを願っています。戦争は結局、誰にも幸せを与えません。

■塚本晋也監督
1960年東京・渋谷生まれ。主な作品に「東京フィスト」「六月の蛇」「ヴィタール」などがあり、監督、脚本、撮影、照明、美術、編集などすべてに関与して作り上げる作品は、国内外で多くの賞を受賞している。俳優として自身の監督作品にも出演し、02年毎日映画コンクールでは助演男優賞を受賞。
■『野火』Fires on the Plain
日時:11月28日(土)7PM(上映後にQ&Aセッション)
日時:11月30日(月)3PM(上映後にQ&Aセッション)
会場:ACMI Cinemas, Federation Square, Flinders St., Melbourne


日本文化芸術祭開催、3千人が日本文化楽しむ

10月11日、第5回目を迎えた日本文化芸術祭が新しい会場のコリングウッド・タウンホールで開催され約3,000人の来場者を記録した。折り紙、書道、箸の使い方などの伝統文化から、メイクや日本語能力試験対策など各種のワークショップが出展されたほか、ステージでは和太鼓や沖縄音楽などが披露され、来場客を楽しませた。主催の藤田美奈子さんは「多くの人の笑顔と情熱に溢れた1日で、日本の魅力を十分に伝えられました。ご協力いただいた方々に心より感謝します」と述べた。

ボランティア、パフォーマーなど約500人が今年の芸術祭を裏で支えた(Photo: Masako Kudo)
ボランティア、パフォーマーなど約500人が今年の芸術祭を裏で支えた(Photo: Masako Kudo)
ソロバンを熱心に教わる参加者。多くの人が笑顔で会場を後にした
ソロバンを熱心に教わる参加者。多くの人が笑顔で会場を後にした

和太鼓りんどうが定期演奏会

メルボルンを拠点に活動する和太鼓グループ、和太鼓りんどうの定期演奏会が12月13日、メルボルンの東郊キューで開催される。太鼓教室の生徒130人が、伝統的な太鼓からモダン曲まで、多彩な曲目をを披露する。

■和太鼓りんどう定期コンサート
日時:12月13日(土)1PM、6:30PM
会場:Eldon Hogan Performing Arts Centre, Xavier College, 135 Barkers Rd., Kew
料金:大人$15、コンセッション$12
予約Email: toshi@wadaikorindo.com
お知らせ:『和太鼓りんどう定期コンサート』のダブル・チケットを抽選で3名様にプレゼントします。①名前、②住所、③電話番号、④メルボルン・ページへの意見を書いて、Eメールで「viceditor@nichigo.com.au」までお送りください。


ABL「ジャパン・デー」、11月15日開催

豪州プロ野球リーグ(ABL)が10月23日、開幕した。メルボルンを本拠地とするメルボルン・エイセズには、西武ライオンズ派遣の佐野康雄投手、山口嵩之投手、藤原良平投手、星孝典捕手の4選手が合流。11月15日(土)の対パース戦には日本人ファン向けの観戦イベント「Japan Day」が予定されている。

■Japan Day(対Perth Heat戦)
日時:11月15日(日)11AM開場、1:05PM試合開始、5PM閉門
会場:Melbourne Ballpark (Merton St., Laverton)
Web: web.theabl.com.au/index.jsp?sid=t4067

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