2016年8月 ニュース/総合

2人の警官に連行されるポケモンの人気キャラクター「ヒトカゲ」(英語名:チャーマンダー)。QLD州警察が注意喚起のため合成写真を作って公表した(Photo: Queensland Police Service)
2人の警官に連行されるポケモンの人気キャラクター「ヒトカゲ」(英語名:チャーマンダー)。QLD州警察が注意喚起のため合成写真を作って公表した(Photo: Queensland Police Service)

豪州にも「ポケモンGO」旋風

空前の社会現象に−危険運転や迷惑行為も

スマホ・ゲームの人気アプリ「ポケモンGO」が7月6日、オーストラリアで公開された。オーストラリアでは、米国、ニュージーランドと共に世界に先がけてリリースされ、プレーに夢中になったドライバーが交通事故を起こすなど、各地で社会現象を巻き起こしている。

公共放送ABC(電子版)によると、QLD州南東部トゥウーンバでは、15日までにポケモンGOで遊びながら運転していた女性が別の車に衝突する接触事故があった。報道されている限りでは、オーストラリアで初めて発生したポケモンGO絡みの交通事故とされる。事故は比較的軽度で双方にケガはなかった模様だが、事故車が持ち込まれた修理工場の従業員はABCに「誰かが事故を起こすのは時間の問題だと思っていた。今後数週間で事故はもっと増えるだろう」と指摘した。

この他、シドニーで14日、車を運転中にポケモンGOで遊んでいたとして2人の若者が検挙されるなど、各地で危険行為が明るみに出ている。各州の警察は、運転中にポケモンGOで遊ばないこと、ポケモンを探して私有地に侵入しないことなど、法を順守して安全に遊ぶよう呼びかけている。

そんな中で、QLD州西部マウント・アイザの警察署は、ポケモンのキャラクターが学校に侵入したとして逮捕される合成写真を公開し、ユーモアたっぷりに注意を喚起した。

また、シドニー西部の住宅街にある公園では、ポケモンを捕まえにきた大勢のプレーヤーが深夜に集結。住民が通報して警官が現場に駆けつける騒ぎも起きた。

「オペラ・ハウスでポケモン・ゲットだぜ!」

ポケモンGOは、スマホの位置情報機能を利用して、野外で日本のアニメ・ゲーム作品「ポケット・モンスター」に出てくる架空の生物「ポケモン」を捕まえたり、戦わせたりして遊ぶゲーム。日本発の人気コンテンツであるポケモンをキャラクターに使用し、米IT大手グーグルから派生した米ゲーム会社、ナイアンティックが制作した。

オーストラリアでもリリース直後から爆発的にヒットし、ABCによるとアクティブ・ユーザー数(日常的に利用している人の数)は15日までに人気デート・アプリ「ティンダー」を抜き、短文投稿サイト「ツイッター」を上回るのも時間の問題となった。

ポケモンは街の名所・旧跡に集まるとされ、シドニーを代表する建物として知られるオペラ・ハウス前の広場は連日、ポケモンGOをプレーする人たちであふれている。大勢の市民が1カ所でスマホの画面に釘付けになっている風景は異様とも言える。

通りかかった地元在住の50代の女性は「せっかくのシドニー湾のきれいな景色を見ないで、スマホの画面ばかり凝視しているのは、もったいない」とため息をついていた。

一方、市内中心部で働く20代の女性は、仕事が終わると毎日オペラ・ハウスに行き、ポケモンを捕まえたり、戦わせたりするのが日課になっている。この女性は「私たちは皆ポケモンで育った世代。子どもよりも大人が熱中しているのでは」と話した。

ポケモンのアニメは1990年代後半からオーストラリアのテレビで放映され、2000年代前半にかけて子どもたちの間でブームとなった。任天堂の携帯ゲーム機のポケモン・ゲームも大ヒットした。その頃の子どもが20代から30代になり、「いい歳をした大人」が再びポケモンに入れ込んでいるようだ。

オーストラリアでは地上波の放送はしばらく行われておらず、子どもの間ではポケモン人気は下火となっていた。だが、週末のビーチでは、小学生が親のスマホでポケモンGOに熱中したり、家族全員で楽しんだりしている光景も見られる。遊びの空間を部屋の中から野外に広げたポケモンGOは、アウトドア好きのオーストラリア人と相性が良い。世代の枠を広げながら、まだまだブームは続きそうだ。


前労働党政権で首相を務めたケビン・ラッド氏
前労働党政権で首相を務めたケビン・ラッド氏

ラッド元首相、立候補に意欲

国連の次期事務総長選挙

前労働党政権で首相を務めたケビン・ラッド氏が、国連事務総長選挙への立候補を表明している。ジュリー・ビショップ外相が7月18日、ラッド氏が出馬に必要な連邦政府の指名を求めていることを明らかにした。

ラッド氏は07年の連邦選挙で旋風を巻き起こし、11年ぶりの政権交代を果たした。外務官僚出身で中国に赴任した経験があり、北京語も流ちょうに話すことから「親中派」のレッテルを貼られた。首相就任後、それまでの連邦首相の外交上の慣例を破り、日本よりも中国を先に訪問。対日関係がぎくしゃくした経緯がある。

ラッド氏はその後、ワンマンな政権運営が反感を買い、労働党内で求心力を失った。10年に副首相だったジュリア・ギラード氏に謀反を起こされ、首相の座から引きずり下ろされた。代わりに首相に就いたギラード氏との間で激しい権力抗争を繰り広げた後、13年6月に首相に返り咲いた。しかし、同年9月の選挙で敗北したため約2カ月半で退陣した後、政界を引退していた。以前から国連事務総長職に食指を動かしていたとされる。

保守連合のターンブル政権は現時点で、ラッド氏指名を超党派で支持するかどうかを明らかにしておらず、指名の是非を近く表明する見通し。ターンブル首相のラッド氏の指名をめぐる判断が注目される。

新しい国連事務総長の任期が始まるのは2017年1月。現在、ニュージーランドのヘレン・クラーク前首相を含む10人以上の候補が出馬を表明する混戦状態となっている。

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