2017年4月 ニュース/総合

州首相に就任したマーク・マクゴーワン氏
州首相に就任したマーク・マクゴーワン氏

WA州選挙、労働党が大勝

9年ぶりに政権交代

WA州上下両院の州議会選挙の投票が3月11日、行われた。開票の結果、野党労働党が地滑り的な勝利を収め、2008年以来9年ぶりに州政権を奪回した。WA州選挙管理委員会の集計によると、下院(定数59)で労働党は改選前の21議席から20議席伸ばして41議席を獲得した。

一方、与党保守連合(自由党、国民党)は37議席から18議席と半分以下に縮小した。現職閣僚の多くが落選していて、保守連合は態勢の立て直しに時間がかかりそうだ。

一次選好票ベースの労働党の得票率は42.2%となり、指標の「スイング」(前回選挙比の得票の増減率)はプラス9.1%に達した。一方、自由党の得票率は31.2%で、スイングはマイナス15.9%と歴史的な落ち込みを記録した。連立相手の国民党の得票率は5.4%。スイングはプラス0.5%だった。

WA州は鉄鉱石を始めとする鉱物資源の主要産地として知られる。資源ブームの恩恵を受けて高い経済成長を続けてきたが、2012年頃からの世界的な資源価格下落の影響で成長が鈍化している。州経済の低迷を背景に有権者が政権交代を求めた他、自由党が急進右派のワン・ネーション党と選挙協力を行ったことが裏目に出たと見られる。

州労働党を率いたマーク・マクゴーワン党首は17日、第30代WA州首相に就任し、16人の閣僚からなる新内閣を発足させた。新政権は、保守連合の前政権が進めた州営企業の民営化に反対。鉱物資源への課税強化の計画も撤回する方針だ。

マクゴーワン氏は1967年NSW州ニューキャッスル生まれの49歳。QLD大卒業後、海軍に入隊。除隊後、パース南方のロッキンガム市に移住し、同市議、同副市長を経て、96年の州議会選挙で労働党から出馬して初当選した。労働党の州政権で教育・訓練相、環境相、観光相などの閣僚を歴任。12年から州労働党党首を務めていた。


李中国首相が来豪
豪米首脳のすきま風に間隙

中国の李克強首相が3月22日、オーストラリア訪問を開始した。同日付の公共放送ABC(電子版)によると、5日間の日程でキャンベラとシドニーに滞在する予定で、随行している経済使節団とともに豪中経済関係の拡大を図る。

マルコム・ターンブル首相との豪中首脳会談では、両首脳が反保護主義で一致し、豪中自由貿易協定(FTA=2015年発効)の強化も協議する見通し。米国のドナルド・トランプ新大統領が環太平洋パートナーシップ(TPP)協定からの離脱を表明するなど、世界的に反自由貿易の流れが強まっていることが念頭にある。

一次産品の主要輸出国であるオーストラリアでは、自由貿易が経済成長を支えてきたとの認識が強く、自由貿易体制を見直す動きは逆風だ。反保護主義では豪中が足並みをそろえることで、トランプ政権をけん制する狙いがあるものと見られる。

中国の海洋進出をめぐっては、オーストラリアは米国が南シナ海で行っている「航行の自由作戦」に事実上、参加しており、豪米同盟の結束は固い。しかし、経済面では最大の輸出国である中国と本気で争いたくないのが本音。対中強硬姿勢を強めるトランプ政権発足後、外交の立ち位置を定めきれていない。

折しも、2月に行われたターンブル首相とトランプ大統領との電話会談では、犯罪歴のある難民の米国移送をめぐり両首脳が激しい口論になったことが伝えられた。李首相のオーストラリア訪問は、豪米首脳間に吹くすきま風の間隙を突いた形と言える。


光のアートでシドニーの冬を飾るビビッド・シドニー©Destination NSW
光のアートでシドニーの冬を飾るビビッド・シドニー©Destination NSW

「ビビッド・シドニー」が
5月26日開幕

光の祭典、昨年は231万人訪問

オペラ・ハウスやハーバー・ブリッジなどシドニー市内の主要な建築物を光のアートで照らす大型イベント「ビビッド・シドニー」が5月26日〜6月17日の約3週間、開催される。地元NSW州政府が3月14日、発表した。

今年で9年目の開催となるビビッド・シドニーは、観光の閑散期である冬の目玉行事として人気が高まっている。州政府によると、昨年は231万人とこれまでで最高の訪問者を集め、州経済に1億1,000万ドルの波及効果をもたらしたという。

今回はシドニー市内の再開発地区、バランガルーでも新たにイベントを開催し、湾内の海辺に建設された高層ビルや歩道が鮮やかな照明と幾何学模様のアニメーションで彩られる。開催期間中は、各地でダンス音楽やフォーク、ロック、ジャズなど、さまざまなジャンルのコンサートも開かれる。


豪経済は景気後退を回避

12月期GDP、前年同期比2.4%増

2016年10月〜12月期の豪実質国内総生産(GDP)は前期比1.1%増加した。前期の0.5%減から回復し、リセッション(景気後退)の目安である2四半期連続のマイナス成長を回避した。豪統計局(ABS)が3月1日に発表した統計で明らかになった。

前年同期比の伸びは2.4%となり、中央銀行のオーストラリア準備銀(RBA)が適切な成長速度とする3%台半ばにはまだ届かないものの、順調な回復ぶりを示した。

20業種中15業種でプラス成長を記録し、特に鉱業、農林水産業、技術サービスの各産業でいずれも成長への寄与度が0.2%と高かった。個人消費(家計最終支出)の寄与度は0.5%だった。

鉄鉱石と石炭の価格が急回復していることを背景に、貿易の儲けを示す指標「交易条件」は前期比9.1%、前年同期比15.6%の高い伸びを示した。ABSによると、金融機関を除く民間企業の粗利が大幅に増加していることから、資源価格の回復が企業業績に好影響を与えていることも明らかになった。

オーストラリアは1991年以来、101四半期にわたってリセッションに陥らずに長い経済成長を継続。1980年代に北海油田の開発に沸いたオランダに次ぐ記録となっている。


「スノーウィー・マウンテンズ・スキーム」の下で1967年に完成した水力発電所「マレー1」の内部
「スノーウィー・マウンテンズ・スキーム」の下で1967年に完成した水力発電所「マレー1」の内部

発電能力1.5倍に拡大

豪国内最大の水力発電所—電力不足に対応

連邦政府は、NSW州南東部にあるオーストラリア国内最大の水力発電施設「スノーウィー・マウンテンズ・スキーム」の発電能力(現在4,000メガワット)を2,000メガワット増やす。約50万世帯分の電力を新たに提供し、国内で問題となっている電力不足に対応する。マルコム・ターンブル首相が3月16日、計画を明らかにした。

20億ドルを投じ、既存の発電所のインフラを改修する。新たな発電所の建設は行わない。オーストラリアは北部の海上ガス田を中心に天然ガスの生産が拡大しているが、ほとんどを液化天然ガスとして海外に輸出している。SA州などで停電が発生しており、国内では電力不足が問題化している。

スノーウィー・マウンテンズ・スキームはオーストラリア史上最大規模の公共事業で、第2次世界大戦後の経済成長をけん引した。1949年から75年まで約四半世紀にわたって総額8億2,000万ドルを投じ、NSW州とVIC州の州境にある山岳地帯に16のダムと7つの水力発電所などを建設。水力発電とかんがい用水のインフラを整備した。

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