2018年11月 ニュース/コミュニティー

「ジャパン・タウン」構想、発表

クラウン・グループ「MASTERY」プロジェクトで

隈研吾氏、高田浩一氏が共同で設計したメイン・ビルディング
隈研吾氏、高田浩一氏が共同で設計したメイン・ビルディング

不動産投資サービス・アパートメントに特化した大手ディベロッパー、クラウン・グループは10月11日、新規プロジェクト「MASTERY」のプレス関係者向け発表会を行った。会見ではクラウン・グループの会長兼グループCEOを務めるイワン・スニト氏、日本人でシドニーを建築活動のベースにしている高田浩一氏らが登壇し、同プロジェクトに関する概要説明、及び質疑応答を行った。

MASTERYはシドニー南郊ウォータールーにおける一大プロジェクトで、同エリアの一画に5つの個性的なアパートメントが建築される。中心をなすメイン・ビルディングは下層部を高田氏が、上層部を世界的に著名な建築家で今回のプロジェクトに参画している隈研吾氏が務めることもあり注目を浴びている。高田氏は「自分が先生と呼び尊敬する隈さんと働くことができてうれしく思う」と話した。

また、同プロジェクトではジャパン・タウンを作る構想も発表された。イワン氏は「数年前日本を訪問した際、日本の文化や自然に感銘を受けてオーストラリアの地にこれらのアイデアを取り入れたいと考えた。そこで今回、隈研吾、高田浩一の2人の日本人建築家に話を持ち掛けた」と話す。そして「シドニーにチャイナタウンはあるがジャパン・タウンはない。このジャパンタウンを通して日本の文化をオーストラリアに発信したい」と続けた。

ジャパン・タウンにはラーメン店、焼き肉店、すし店を始めとしたレストランや、日系のスウィーツ店など数多くの日本ゆかりの店が立ち並ぶ予定だということで、多くの日系ビジネス関係者の注目を集めている。

また、18日には同プロジェクトの一般公開イベントが、シドニー東郊、ムーア・パークのロイヤル・ホール・オブ・インダストリーで行われた。会場は桜や大きな釣鐘など日本をイメージした装飾が施され、パーティー序盤には歌手のダミ・イム氏がパフォーマンスを行った。その後、日本から来豪した隈研吾氏によるあいさつの後、尺八や和太鼓など和楽器による演奏、ダンス・ショー、釣鐘の中からプロジェクトのジオラマが現れるパフォーマンスなど、数百人を超える来場者が派手な演出を楽しんだ。

MASTERYのコンセプトについて話すイワン・スニト氏
MASTERYのコンセプトについて話すイワン・スニト氏
桜の装飾も設置され、写真を撮る人びとで行列ができた
桜の装飾も設置され、写真を撮る人びとで行列ができた

第12回井上靖賞授与式、文化プログラムが開催

11月9日、シドニー大学構内にあるオールド・ジオロジー・レクチャー・シアターで第12回井上靖賞の授与式と文化プログラムが開催される。

今年で第12回目を迎える「井上靖賞」は2006年に井上靖記念文化財団を中心に創設され、オーストラリアとニュージーランドにおける日本文学研究と研究者に対する奨励を目的としている。シドニー大学が設立した選考委員会が毎年、優秀な論文・業績を選考し決定、賞金と賞状を贈呈している。

今年の受賞対象は「長年の日本文化/文学研究特に昭和時代の代表的小説家の研究と昨年発表された論」で、受賞者はニュージーランド・オタゴ大学のドクター・ロイ・スターズ。同日、「三島由紀夫と昭和時代」について受賞者講演を行う予定だ。

また、文化プログラムも併せて開催される。今年のプログラムは日本文化を代表する三島由紀夫の作品を基に1985年日米合作で制作された映画『Mishima-A life in Four Chapters』の紹介。同作は1985年、第36回カンヌ国際映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞しており、日本では未公開の映画である。

■第12回井上靖賞授与式
日時:11月9日(金)6PM~
場所:シドニー大学「Old Geology Lecture Theatre」(Edgeworth David Building, Caperdown)
料金:無料(予約必須)
Email: inoueyaward@gmail.com(予約・問い合わせ)


秋田県自治体職員来豪、シドニーで意見交換会

登壇したパネリストを囲んで
登壇したパネリストを囲んで

日本国内のインバウンド旅行客の増加に伴い、秋田県は海外からの観光客の取り込みを目指し、オーストラリア・シドニー、ニュージーランド・オークランドへの視察旅行を行った。参加したのは秋田県内の市町村職員約30人。オークランドでの視察を経て10月5日、シドニーで意見交換会を行った。

パネリストとして現地旅行会社・ピットトラベルの水越大輔社長、現地メディア・日豪プレスの馬場一哉編集長、オブザーバーにはJTBの関谷智シドニー支店副支店長、新開珠貴アウトバウンド事業部副部長を選出。秋田県市町村職員らの質問に回答した。ファシリテーターは日豪プレスの伊地知直緒人営業部長が務めた。質問内容は、オーストラリア人のアウトバウンドの動向、シドニー市の観光消費額、カジノの治安に対する影響など多岐にわたり、活発な議論が交わされた。


戸倉勝禮氏
戸倉勝禮氏

戸倉、マクラーレン、ウィリアム3氏に外務大臣表彰
総領事表彰のイザベラ・アカペラが美声を披露

在シドニー日本国総領館は10月19日、戸倉勝禮(かつのり)氏、マクラレン温子(たづこ)氏、ウィリアム・パーセル氏らの日豪関係強化への貢献を称え、外務大臣表彰授与式を在シドニー日本国総領事公邸で開催した。

戸倉氏は第2次大戦中に日本人捕虜が収容され、カウラ大脱走の悲劇が起きたカウラの地に桜を植樹し、以来同地で桜祭りを長きにわたり開催。日豪間の姉妹都市提携の斡旋なども精力的に行ってきた。マクラレン氏はリズモア市にあるサザンクロス大学で長年日豪交流プログラムに尽力。戦後の日豪の和解に尽力した同市出身のポール・グリン神父を称え同大学内にグリン神父記念日豪センターを設立。ウイリアム氏は、長年にわたる国際貢献が認められる形で近年シドニー工科大学名誉教授へも就任、日豪間の国際交流にも大いに貢献した。

また、当日はマクラレン氏の元、リズモアを拠点に活動するコーラス・グループ「イザベラ・アカペラ」に在外公館長表彰も授与、授与式ではその歌声が披露された。

マクラレン温子氏
マクラレン温子氏
ウィリアム・パーセル氏
ウィリアム・パーセル氏

「オーストラリアで建築をデザインするのは非常に楽しい」
──建築家・隈研吾氏、来豪インタビュー

世界的に活躍する建築家・隈研吾氏が、同氏が建築デザインを行っているクラウン・グループのプロジェクト「MASTERY」の発表イベントに際して来豪した。それに伴い、在シドニー日本国総領事館は10月19日、シャーマン・センター・フォー・カルチャー・アンド・アイディアズ(SCCI)と共に、隈氏、及びシドニーで活躍する建築家・高田浩一氏を招いた「アーキテクチャー・ハブ2018」を開催。日豪の建築関連業界の関係者を前に講演を行った。講演後の隈氏に話を聞いた。(聞き手=馬場一哉)

隈研吾氏(左)と高田浩一氏
隈研吾氏(左)と高田浩一氏

──今回「MASTERY」のプロジェクトで知己の仲である高田氏とタッグを組むことになりました。高田氏は「氏と仰ぐ隈氏と競演できてうれしい」と話しています。

私もこのような形で彼と一緒にできると思わなかったからうれしいですよ。

──世界中でご活躍されていますが、他の国と比べてオーストラリアに違いのようなものは感じられてますか。

オーストラリアは新しいアーバン・デザインをしようという意欲が非常に高い国だと思います。自然と一体になってサステナブルな新しいライフ・スタイルを作ろうという意欲を非常に強く感じます。実際、自治体の方の中にもすごく意欲的な人が多いです。ですからやっていて楽しいですね。

──他の欧米諸国と比べてもそうした意欲が高いですか。

高いです。欧米諸国は街に歴史がある分、街を保存するという意識も強く、どうしても守りに入りがちです。しかし、オーストラリアは新しい街を作ろう、より自然に近い街を作ろうといった意欲が高いです。繰り返しになってしまいますがやっていてとても楽しいです。

──オーストラリアには地震がほとんどありませんが、それによって、より一層チャレンジできるといったような側面もありますか。

それは大いにありますね。世界でも地震が少ない国はもちろんあるのですが、先ほど言ったような景観保護などの理由も含めて、建築基準法が厳しくて自由度が少ない国が多いんです。その点、オーストラリアは我々にとっては活動しやすい場所ですね。

──今回、「MASTERY」だけではなく、現在ダーリング・スクエアでも竹でラッピングしたような個性的な建物の建築が行われているところですが、隈さんから見てシドニーという街はいかがですか。

シドニーにはオペラ・ハウスという、建築によって街のイメージが大きく変わるという非常に良い前例があります。そういう意味では、シドニーの人たちの建築に対するパッションはとても前向きで強いと思います。仰っている「ダーリング・エクスチェンジ」は、僕としてもかなり思い切ったデザインなのですが、街の人には喜んでもらえているようでうれしく思います。

──更なるご活躍、楽しみにしております。


シドニー日本人会
カウラ・バス・ツアーを開催

捕虜収容所跡を背景にツアー参加者集合
捕虜収容所跡を背景にツアー参加者集合

シドニー日本人会(会長=井上大輔:伊藤忠豪州会社)の文化委員会(委員長=齊田忠勇:オーストラリア住友商事会社)は9月22~23日、毎年恒例のカウラ・バス・ツアーを開催し、日本人会会員を中心に39人が参加した。

第2次世界大戦中、シドニーから西に約330キロの内陸にあるカウラには捕虜収容所があり、1,000人以上の日本兵捕虜が収容されていた。終戦前年の1944年8月5日午前1時50分ごろ、「カウラ・ブレークアウト」という集団脱走が決行され、日本兵231人、オーストラリア兵4人の死者と、多くの負傷者を出す惨事となった。こうした歴史的背景から、カウラ市は毎年、カウラ・ジャパニーズ・ガーデンに桜が咲く9月下旬に「桜まつり」を催し、その最終日に戦没者慰霊祭を実施している。

今回のツアーは、初日に桜まつりに参加し、ジャパニーズ・ガーデンを見学。更に2日目は、捕虜収容所跡を訪れ、引き続き戦没者慰霊祭に参列した。

■シドニー日本人会
Tel: (02)9232-7546
Email: jss@jssi.org.au
Web: www.jssi.org.au


カンファレンス初日冒頭であいさつを行った草賀純男・駐オーストラリア特命全権大使
カンファレンス初日冒頭であいさつを行った草賀純男・駐オーストラリア特命全権大使

全国豪日協会連盟カンファレンスが開催

NSW豪日協会は10月19日と20日の2日間、全国豪日協会連盟カンファレンスをシドニー市内2会場で開催した。

初日は「豪日間ビジネス-新たな局面に向けて」のテーマの下、シドニー東部サリー・ヒルズのティーチャーズ・フェデレーション・カンファレンス・センターで行われた。冒頭、草賀純男・駐オーストラリア特命全権大使が登壇し豪日最新動向についてあいさつすると、その後、阿部亨氏(積水ハウスオーストラリアCEO)らによる講演、パネル・ディスカッションなどが行われた。2日目は、同市内エリアル・シドニー工科大学ファンクション・センターで開催、「コミュニティーと文化-相互理解の深化に向けて」のテーマの下で、教育分野に関する講演、生け花や着物といった日本文化の実演・展示、豪日協会50周年記念の一環としての日本料理家・出倉秀男氏による包丁式などが行われた。また同日、オーストラリア海洋博物館内ライトハウス・ギャラリーでガラ・ディナーも開かれ、オーストラリア太鼓グループ「TaikOz」の演奏などと共に多くの参加者でにぎわった。

2日間にわたった同カンファレンスについて、NSW豪日協会理事の大谷正矩氏は「両日とも提供されたプログラムはすばらしかった。お陰で日豪両国、和気藹々と充実した交流ができた」とコメントした。


第49回全豪日本語弁論大会が開催

受賞者を囲んでの記念撮影
受賞者を囲んでの記念撮影

国際交流基金シドニー日本文化センター(ジャパンファウンデーション)と在オーストラリア日本大使館が共催する第49回全豪日本語弁論大会が10月6日、チッペンデールにある同センターで開催された。

同大会には、オーストラリアの州・特別地域大会のハイスクール・シニア部門とオープン部門で優勝した15人とニュージーランド代表の高校生1人の計16人が出場。それぞれが独自のテーマでスピーチを発表し、日頃の日本語学習の成果とプレゼンテーション能力を披露した。昨年に続き大会の様子はライブ中継され、その時の映像は11月6日まで「JPFJapanese」のフェイスブック・ページで視聴が可能だ。

各部門の優勝者には日本航空株式会社から日本への往復航空券、JR東海から「新幹線で行く京都」のパッケージ旅行、JTBから富士箱根ツアーが贈られた。2位、3位と特別賞受賞者にも、アシックス、テンプル大学ジャパンキャンパス、立命館アジア太平洋大学、青山学院大学、紀伊國屋書店、アディナ・アパートメント・ホテルズから賞品が、また高校生には早稲田大学から参加賞が贈られた。


日本庭園30周年記念イベント開催

10月6日、シドニー南西部に位置するキャベルタウン・アーツ・センター(Campbell Arts Centre)にある日本庭園で同センターの30周年を祝うイベント「さんじゅう」が開催された。

キャンベルタウンは埼玉県越谷市の姉妹都市であり、同センターの日本庭園は1986年に越谷市から贈呈された。2020年には姉妹都市35周年を迎える。

同イベントには、竹若敬三・在シドニー日本国総領事が来賓として出席し、キャベンベルタウンからは4人の市議会議員、姉妹都市協会会長デイビッド・シモンズ氏、同センター所長マイケル・ダゴスチ氏らが出席した。また、同イベントを主催したのは、キャンベルタウン在住の山田聖子氏で多くの日本人がボランティアとして活動した。

会場ではワークショップを始め、和太鼓りんどうによる和太鼓演奏や、書家れん氏の大書のパフォーマンス、小田村さつき氏の琴や三味線の演奏が披露された。

イベントに参加した出席者らと竹若敬三・在シドニー日本国総領事(左から3人目)
イベントに参加した出席者らと竹若敬三・在シドニー日本国総領事(左から3人目)
大書のパフォーマンスを行う書家のれん氏
大書のパフォーマンスを行う書家のれん氏

日本語療育会・ゆーかり教室、合同企画を開催

障がいのある子どもたちを持つ家族のために交流の場を提供する日本語療育会とゆーかり教室はスクール・ホリデー期間中の10月5~7日、合同企画で初めての家族キャンプを開催した。

子どもたちは期間中1月の生活時間を共有しながら、普段仕事で参加が難しい他の家族や父親とも触れ合い、たこ揚げやバトミントン、カード・ゲーム、チェス、サッカー、そして食事から歯磨きまで普段では味わえない体験を共有した。参加者の中には現役の歯科衛生士もいたことから、就寝前に子どもたち全員に歯磨きの指導が行われた。来年度の食事献立は管理栄養士の作成した手作り献立の提供を予定している。

また、同月14日から20日の「ナショナル・ケアラーズ週間」に、合同企画として同会メンバー家族全員でセンソリー映画の鑑賞と「Club Ashfield」で昼食会を開催した。子どもたちの中には初めて映画館に訪れたという子もいたが、皆それぞれ鑑賞を楽しんだ。

昼食会場では、在シドニー日本国総領事館より八重樫領事、サポート・ワーカーや手話通訳者が参加し、会を盛り上げた。最後には、子どもたちから手作りのメダルをケアラーである保護者にプレゼントし、日頃の感謝を伝えた。


日本ジャズ&ブルース愛好会、定期ライブを開催

JJBAのメンバー
JJBAのメンバー

日本人アマチュア音楽同好会「日本ジャズ&ブルース愛好会(Japan Jazz & Blues Association/JJBA)が、12月1日に今年2回目のライブをシドニー北部チャッツウッドにある「チャッツウッド・クラブ」で開催する。

ライブでは全4バンドによる和洋ポップス、ロック、ジャズなどの趣向が凝らされた楽曲が披露される予定。会場では食事の販売がないため、食事の持ち込みが可能となっている。テーブル席も用意され、飲み物は会場のバーで購入できる(飲み物の持ち込みは不可)。

■JJBA 定期ライブ
日時:12月1日(土)6PM~(開場5:30PM~)
場所:チャッツウッド・クラブ(The Chatswood Club, 11 Help St., Chatswood)
料金:大人$10、中高生$5、小学生以下は無料
Email: jjbasydney@yahoo.co.jp(問い合わせ)


最終候補企業に選出されたdoqの社員一同
最終候補企業に選出されたdoqの社員一同

「NSW州優良輸出企業賞2018」
doqが最終候補企業に2年連続選出

10月24日、シドニー市内にあるザ・スターで「NSW州優良輸出企業賞2018」(2018 Premier’s NSW Export Awards)のアワード・セレモニーが開催され、在豪日系企業のdoqが出席した。同社が同賞の最終候補企業に選出されたのは昨年に続き2回目、今年はアジア・エクスポーター部門の優良企業5社の1つとして選ばれている。

同賞では、オーストラリア貿易投資促進庁(Austrade)とオーストラリア商工会議所が、国際的な事業展開を行っている企業を対象に事業成長性、マーケティング力や財務戦略などを審査、1963年から毎年開催され今年で56回目を迎える権威の高い賞だ。

同社の作野善教代表は、「2年連続最優良企業5社に選ばれたこと、心より誇りに思います。この結果は、我々のクライアントと、弊社メンバー全員が国境と文化の壁を乗り越えて“ONE TEAM”となり獲得した成果だと思います」と述べた。

アジア・エクスポーター部門で最終候補者に選出された同社は、2009年にシドニーで設立されたクロス・カルチャー・マーケティングを中心としたマーケティング・コンサルティング会社。来年頭には新オフィスへの移転を予定しており、オフィスの一部をコワーキング・スペースとして日系企業に提供するなど、今後更にサービスの幅を広げていく予定だ。


競書会に参加した子どもたちの様子
競書会に参加した子どもたちの様子

児童競書会に日本児童ら参加、入賞の快挙

シドニーを中心に活動している書家、アーティストのれん氏が率いる書道教室RENCLUBに所属する児童らがオーストラリアン・ニュー・エクスプレス主催の童競書会、「N1 Holdings Australian Children Calligraphy Competition」に参加し、9月29日結果が発表され、入賞の快挙を果たした。

年齢別に3部門ある中、RENCLUBの生徒らは2つの部門に参加し、3~8歳の部門で、2位、3位、エクセレント・アワードに、また9~12歳の部門で2位、3人がエクセレント・アワードに入賞し、合計7人が受賞した。また、団体として、RENCLUBがエクセレント・オーガナイゼーション・アワードに選ばれ、代表のれん氏は「中国系のコミュニティーから一定の評価を得られたことはオーストラリアで書道にたずさわる日本人として大変有意義に思う。子どもたちにとってもうれしいことです」と語った。


熱心にメモを取りながら説明を聞く参加者たち
熱心にメモを取りながら説明を聞く参加者たち

ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ、学習会を開催

シドニー北部を拠点に活動する障がい児の親の会(NPO)「ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ」は9月26日、チャッツウッドで学習会を開催した。

障がい児(チャイルド)から16歳でユースに、また21歳から障がい者としてアダルトのカテゴリーに移行する際の注意点や、10月から一部変更があった新情報の説明などを中心に学ぶ会となった。参加者はセンターリンクからのゲスト・スピーカーによる話、メンバーの経験談と異なる両者からの参考情報などを含め学習した。


日本語療育会、NDISの講習会を開催

日本語療育会は10月19日、シドニー市内で障がい者とその家族を対象にNDISローカル・エリア・コーディネーターをゲストに迎え、講習会を開催した。コーディネーターのヘレン・ボーガー氏、エリー・チョイ氏、日本語通訳者による講習会では、随時参加者よりさまざまな質問が飛び交い、参加者はそれぞれのケースに沿った回答を得ていた。

NDIS(National Disability Insurance Scheme)は64歳以下の障がい者向けの保険制度であり、会場では参加者それぞれのローカル・エリア・コーディネータの担当者を検索・確認も行った。同会では、今後も引き続き、講習会を開催し、NDIS利用者へ有益な情報を提供していく予定。


日本人アーティストの作品が楽しめる
日本人アーティストの作品が楽しめる

日本人アーティスト――チャリティー・アート2人展を開催

シドニー在住のグラフィック・デザイナー、矢古宇由美子氏とコリー雅代氏が11月17日から29日の間、チャリティー・アート2人展「Different Strokes – Japanese Art & Illustration」をシドニー北部のセント・レナーズで開催する。

同アート展では、日本文化を原点としたイラストレーションや墨絵作品が展示され、作品の売上げの一部がJCSレインボー・プロジェクトへ寄付される予定だ。初日17日は午後2時からオープニング・パーティーが開催され、24日の午前11時から折り紙、午後2時から漫画人物の描き方のチャリティー・ワークショップ(要予約)が約30~45分ずつ行われる。会場には募金箱が設置され、ワークショップでは参加費として10ドルの寄付金を募る。

■Different Strokes – Japanese Art & Illustration
日時:11月17日(土)~29日(木)10AM~5PM、日曜日を除く
場所:gre8tive gallery(27 Atchison St., St Leonards)
Email: artlab.colley@gmail.com(問い合わせ)
Web: www.facebook.com/events/279536622699858


多くのゲストが詰め掛ける中で、お茶が振る舞われた
多くのゲストが詰め掛ける中で、お茶が振る舞われた

裏千家シドニー協会、定例茶会を開催

今年45周年を迎えた裏千家淡交会シドニー協会は10月14日、毎年開催する定例茶会をシドニー市内ロイヤル・ボタニック・ガーデン内メイデン・シアターで行った。今年のテーマは「好日」。当日は竹若敬三・在シドニー日本国総領事を始め、地元オーストラリア人や現地在住の日本人など計175人が参加し、大盛会となった。会員39人が普段の稽古の成果を発揮し、ゲストに薄茶と手作りのお菓子を振る舞った。同会の広報担当者は、「前夜からの雨も茶会が始まると青空が見えるほどの好天に変わり、シドニーで日本の伝統文化、その美を感じられたという参加者の中には、次回の茶会を待ちわびる方もいました。今後も裏千家シドニー協会では、さまざまなイベントやチャリティー活動などに積極的に参加していく考えです」と語った。


過去に行われたボイス・フェスティバルの様子
過去に行われたボイス・フェスティバルの様子

声の祭典「ボイス・フェスティバル」開催

歌や朗読、演技表現などのステージ・パフォーマンスを実現する場がない人のための声の祭典「第8回ボイス・フェスティバル」が11月24日、シドニー大学セイモア・センターのサウンド・ラウンジで開催される。

同フェスティバルには邦楽、洋楽、オリジナル・ソング、アニソン、演歌、民謡、オペラ・アリア、紙芝居などユニークな演目を13組が参加し披露する予定で、同イベントの開催に向けて主催者の加藤久恵氏は「ソロ・ステージなんて初めて……と震えていた出演者が本番をこなすごとに自信を付け、新しいチャンスに恵まれて多方面で活躍する姿を見ると企画して本当に良かったと思う」と話す。詳しくは下記のウェブサイトを参照。

■ボイス・フェスティバル
日時:11月24日(土)3PM~7PM
場所: Sound Lounge – Seymour Centre(Cnr. City Rd. & Cleveland St., Chippendale)
料金:大人23ドル、学生17ドル、子ども(6歳~15歳)12ドル
Tel: 0426-822-652
Email: voicefestivalsydney@gmail.com
Web: www.voifes.com


指揮者・村松貞治氏、演奏会を開催
さくら合唱団も参加

シドニー在住の日本人指揮者・村松貞治氏は、11月10日にシドニー西郊ペンリスにあるジョーン・サザーランド・パフォーミング・アーツ・センターで行われるペンリス交響楽団演奏会、11月17日にモスマン・アート・ギャラリーで開催されるIron Cove Ensembleコンサートで指揮を務める。

ペンリス交響楽団演奏会の曲目は、ブラームス作曲『ピアノ協奏曲第1番』、ドヴォルザーク作曲『交響曲第9番「新世界より」』。Iron Cove Ensembleコンサートでは、バッハ、ヘンデル、グノー、シュトラウス、ブルックナー作曲作品などが披露される。同コンサートは、オーストラリアに収容されている難民に楽器や音楽を提供するためのチャリティーの一環で、村松氏が指導するさくら合唱団もコーラスで参加する。

また、同氏が音楽監督を務めるストラスフィールド交響楽団の演奏会が11月24、25日、同市西郊のストラスフィールド・タウンホールで開催される。

村松氏は愛知県岡崎市出身。1997年に英国に渡り、英国王立北音楽院やシドニー音楽院などで学び、欧州各地やオーストラリアで研鑽を積んだ。

■ペンリス交響楽団演奏会
日時:11月10日(土)8PM開演
場所:ジョーン・サザーランド・パフォーミング・アーツ・センター(597 High St., Penrith NSW)
料金:大人$25~60
Web: www.pso.org.au/2018-season

■Iron Cove Ensemble コンサート
日時:11月17日(土)6PM開演
場所:モスマン・アート・ギャラリー(1 Art Gallery Way, Mosman NSW)
料金:大人$25、コンセッション$20、
Web: www.facebook.com/Ironcoveensemble

■ストラスフィールド交響楽団定期演奏会
日時:11月24日(土)7PM開演、25日(日)2:30PM開演
場所:ストラスフィールド・タウンホール(Cnr. Redmyre & Homebush Rds., Strathfield NSW)
料金:大人$30、コンセッション$20、ファミリー$80
Web: www.strathfieldsymphony.org.au(チケット・詳細)、www.sadaharu.net(村松貞治氏の公式ウェブサイト)


松井氏の優勝作品「Lunar Eclipce」
松井氏の優勝作品「Lunar Eclipce」

陶芸家・松井啓子氏
ゴスフォード・セラミック・アート・セラミック・アワード優勝

セントラル・コースト在住の陶芸家・松井啓子氏が、第3回ゴスフォード・セラミック・アート・セラミック・アワードで優勝した。ゴスフォード・アート&セラミック・プライズは今年で19年目を迎えるゴスフォード・リージョナル・ギャラリーのイベントで、毎年多くの人が訪れる。今年は525人がエントリーし、145人の国内外のアーティストの作品が選ばれた。11月10日に同氏を含むアーティストのトークが行われる。

2012年にシドニーからセントラル・コーストに工房を移した同氏は、ユマイナ・ビーチの自宅兼工房で積極的に制作に励み、自身のフォルムの探求をしてきた。中でも、“月”に関する作品が多いことで知られている。

同氏は、「私には、まだ幼い子どもがいるので、制作はいつも夜中で、月を見上げて制作しています。月の満ち欠けを見ながら、いろいろなことに思いふけったり想像したり、きっと作品にも影響されているのでしょう」とコメントした。

今回の優勝作品「Luna rEclipse」は、シルバーと黒を用いたシックな色合いが特徴で、陶器だが彫刻に近い印象が伺え、見る角度によっては表情を変え、常に変化する月の満ち欠けが意図されている。

■アーティスト・トーク・イベント(無料参加)
日程:11月10日(土)2PM~
場所:Gosford Regional Art Gallery(36 Webb St., East Gosford NSW)
Tel: (02)4304-7550
Web: www.facebook.com/pg/gosfordregionalgallery/posts


「Matsuri Japan Festival 2018」が開催

毎年恒例の日本の祭り「Matsuri Japan Festival 2018」が12月8日、ダーリング・ハーバーで開催される。

同祭りはシドニー日本クラブ(JCS)、シドニー日本人会、シドニー日本商工会議所が後援し、在シドニー日本国総領事館の他、各日本政府関係機関及び日本企業が協賛する、シドニーで最大の日本イベントで、昨年は5万人以上が集い大盛況となった。

会場には、日本を紹介する各展示ブースが並び、日本文化紹介のワークショップでは茶道・華道・書道・折り紙の実演と体験ができる。今年は子ども向けの体験ワークショップ「お神輿わっしょい!キッズワークショップ(有料)」が行われる予定。また、日本食を中心にした食べ物屋台やお酒のブースも並び、ステージでは和太鼓演奏を始め、日本舞踊、よさこいソーラン、バンド演奏などが披露され、イベントの最後は盆踊りで幕が閉められる。

日時:12月8日(土)11:30AM~7:30PM
場所:Tumbalong Park, Darling Harbour


表彰台に上がる松岡選手(左)と黒原選手
表彰台に上がる松岡選手(左)と黒原選手

ローンボウルズ大会、日本人女子初の快挙
シングルス銀メダル、ペア銅メダル獲得

2018年度ローンボウル・アジア大会が10月10日から16日まで中国河南省新郷市で開催され、シドニー在住の松岡緑選手(オーストラリアクラブ、ニュートラルベイクラブ所属)が女子シングルス種目で銀メダル、ペアでシドニー在住の黒原恵子選手(オーストラリアクラブ、タレンポイントクラブ所属)と組み、銅メダルを獲得し、日本女子初の快挙となった。

ローンボウルズは、芝生の上で、合成樹脂でできた約1.5キロのボウルを転がして目標球(ジャック)に近づけることを競うゲーム。英国発祥のスポーツで、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドなどのコモンウェルス諸国で人気がある。日本ではまだ競技人口は少ないものの、関東・関西地区でそれぞれに幾つかのクラブ・チームがあり、ジャパン・オープンで海外から選手が招かれたり、ローカル・クラブ・チーム毎に試合を開催したりと盛んに活動されている。また、2021年に兵庫県で行われるワールド・マスターズの種目にも認定されている。


表彰式での土方選手(右)とパートナーのアンドリエフ選手
表彰式での土方選手(右)とパートナーのアンドリエフ選手

テニス・土方凛輝選手
ユース・オリンピック・ゲームズ・ダブルスで銀メダル獲得

オーストラリア在住の土方凛輝選手(17歳、マックヒジカタ・テニス・アカデミー)は、10月7~14日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会(IOC)が主催する「第3回ユース・オリンピック・ゲームズ」のテニス競技ITFグレードAの男子ダブルスで銀メダルを獲得した。

1回戦、土方選手(オーストラリア)、アンドリアン・アンドリエフ選手(ブルガリア)ペアはフィリップ・へニング選手(南アフリカ)、チアゴ・アグスティン・ティランテ選手(アルゼンチン)ペアに6-2、7-6(4)で勝利。準々決勝は同大会の第2シードの強豪ペア・ニコラス・メヒア選手(コロンビア)、ジルベルト・ソアレス・クリーラー・ジュニア選手(ブラジル)ペアに7-6(6)、4-6、10-7で接戦を制した。

続く準決勝、今年の全豪ジュニアで優勝したヒューゴ・ガストン選手(フランス)、クレメン・タブール選手(フランス)に6-1、6-4(3)で圧勝した。金メダルの期待が懸かった決勝戦では地元アルゼンチンの第1シード・ペア・セバスチャン・バエス選手(アルゼンチン)、ディアス・アコスタ選手(アルゼンチン)に4-6、4-6で惜敗した。

ユース・オリンピックで男女共にメダルを獲得するのはオーストラリア・テニス初の快挙となる。


SBSラジオ日本語放送11月のハイライト

SBSラジオ日本語放送は毎週、火曜、木曜、土曜の午後10~11時に番組を放送している。オーストラリアのニュースや気になる話題、各方面で活躍する人びとへのインタビューなど、盛りだくさんの番組は、AMラジオ1107khzにチューンを合わせる方法と、デジタル・テレビのデジタル・ラジオ「SBS Radio1」を選択する方法で聞くことができる。

11月のシドニーサイドでは、ラグビーを通じた日豪交流活動を精力的に行っているピーター・ギブソンさんのインタビューや、今年の日本映画祭で監督作品『リバーズ・エッジ』が上映されるのに合わせ来豪する行定勲監督のインタビューなどを放送予定。またメルボルンからは、11月4日に公演を控えている立川志の輔師匠のインタビューが放送される。聞き逃した放送は、SBS日本語放送のウェブサイトやSBSのラジオ・アプリから聞くことができる。

なお、毎月最終週の木曜日には、日豪プレス翌月号の見どころや取材の裏話などを編集部スタッフが紹介している。次回は11月29日(木)放送予定。

■SBSラジオ日本語放送
Email: Japanese.program@sbs.com.au
Web: www.sbs.com.au/Japanese
Facebook: www.facebook.com./SBSJapanese


■NSW州立美術館・日本語ボランティア・ガイド便り

エルミタージュ美術館展
モダン・アートの巨匠たち

Henri Matisse 'Game of bowls' 1908 The State Hermitage Museum, St Petersburg Inv GE 9154 © Succession H Matisse/Copyright Agency, 2018 Photo: © The State Hermitage Museum
Henri Matisse ‘Game of bowls’ 1908 The State Hermitage Museum, St Petersburg Inv GE 9154 © Succession H Matisse/Copyright Agency, 2018 Photo: © The State Hermitage Museum

いよいよ「エルミタージュ美術館展:モダン・アートの巨匠たち」が始まりました!

誰でも一度は名前を聞いたことのある有名画家たちの作品が65点、ロシアの国立エルミタージュ美術館からやって来ました。州立美術館特別展示場の入り口を入るとベルナール・ブッフェによる「冬宮」の大きな絵に迎えられます。エルミタージュ美術館は、冬宮、大、小エルミタージュ、新エルミタージュ、そしてエルミタージュ劇場、ゴシック様式の5つの宮殿から構成される壮大な美術館です。

今展覧会のほとんどが20世紀初めにロシアの美術収集家セルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフの2人が競い合いながら収集した作品です。2人は印象派、後期印象派の優れた作品を集め、ヨーロッパの収集家よりいち早くマティスとピカソに注目した最初の美術収集家たちです。

画商を通して作品を吟味し、前衛芸術を追うことはなく保守的な趣味で作品購入をしたモロゾフに比べ、シチューキンは画家のアトリエを訪問して直接取引きし、自分の目だけを信じるという買い方でした。当時あまり知られていなかったマティスの才能を見抜き、1911年にはマティスをロシアに招き、「ダンス」と「音楽」の作品制作を依頼し合計38点の作品を購入しています。また、マティスにピカソを紹介されたシチューキンは、ピカソの分析的及び総合的キュービズムの力作を入手することにも情熱を傾け、1914年までにピカソの作品51点を収集しました。

シチューキンの収集したマティスの絵画の中に1908年に完成した「ボールゲーム」があります。ボールゲームは典型的な不老長寿の黄金時代(ギリシャ神話)を表すものですが若者たちの様子は楽しんではおらず、夏らしい風景の中にまるで人生のゲームに追い疲れているような謎めいた象徴化された動作を表しています。

その隣の展示室にはピカソの青の時代からキュービズムまでの8点の作品があり、これもシチューキンの収集したものです。1908年にシチューキンは若いピカソに出会い、同年に完成した「扇を持つ女」を購入しています。弓形、長方形、立体の組み合わせで簡略化され、黒人彫刻の幾何学的な簡潔さと内面の自由さが表現された初期のキュービズム作品です。彼は、ピカソの絵は分かりにくいが抗しがたい不思議な魅力を持ち、ますます重要な作品だと感じさせられると評言しています。(NSW州立美術館コミュニティーアンバサダー:チョーカー和子)

■エルミタージュ美術館展:モダン・アートの巨匠たち
日時:10月13日(土)~2019年3月3日10AM~5PM、水曜のみ10PMまで
場所:Art Gallery of New South Wales Major exhibition gallery (Art Gallery Rd., The Domain NSW)
料金:大人$28、コンセッション$24、美術舘会員$20、家族(大人2人+子ども3人まで)$72、未成年(12~17歳)$16、12歳以下無料、マルチ・エントリーチケット(大人$48、コンセッション$42、美術館会員$36)
Tel: (02)9225-1700(英語)
Email: communityambassadors@ag.nsw.gov.au(日本語可)
Web: www.artgallery.nsw.gov.au/exhibitions/hermitage

■同日本語ツアー
日時:11月3日(土)~12月15日(土)、2019年1月5日(土)~2月23日(土)の期間中、毎週土曜日(展覧会期間中の10月、3月、及び12月22日、29日はなし)1PM~
備考:1階インフォメーション・デスク前に集合、ツアー催行時間45分
料金:無料(要入場券、ツアー開始前に展覧会入場券の購入が必要)


琳派を生けるデモンストレーター中野邦子氏
琳派を生けるデモンストレーター中野邦子氏

小原流シドニー支部
カウラ桜祭りでデモンストレーションを開催

小原流シドニー支部は9月22日、シドニー市内から車で西へ約4時間の所に位置する、日本人にゆかりの深いカウラの日本庭園で開催された「カウラ桜祭り」で生け花デモンストレーションを行った。

同支部のメンバー6人がボランティアとして参加し、中野邦子氏が2時間にわたりさまざまな生け花の花型14鉢を披露し、訪れた観客を魅了した。


ANU学生歌舞伎「ザ・歌舞伎」一座第41回公演

舞台の一場面
舞台の一場面

今年、恒例のオーストラリア国立大学(ANU)アジア・太平洋カレッジ日本センター及び在豪日本大使館共催の学生歌舞伎を中心とする「第41回日本の夕べ」が、キャンベラ豪日協会などの協賛の下、10月5日と6日、同大学構内にある劇場「シアター3」で行われた。昨年の公演は、2日間とも満員御礼でお引き取り願った人が大勢いらしたので,今年は公演史上初の3日目の公演を「日本の夕べ」ならぬ「昼の憩い」として、7日に行った。

今年も、公演期間中、2011年3月の「東日本大震災」の被災者に対する義援金を募り、3日間の公演で500ドル余りの寄付金が集まった。

初日と2日目は、前座としてナラバンダ・カレッジの生徒による落語「酔っ払い」及び「美術館」と、澄江デイビースさんによる「六段の調べ」の琴演奏で雰囲気が盛り上がり、最終日は、雅楽演奏師土井幸宏さんの雅楽楽器「笙」と「篳篥」によるラフマニノフ作曲の「ヴォカリーズ」と「故郷」の演奏で始まり、歌舞伎の上演に移った。

今年の学生歌舞伎の演し物は、作家長谷川伸が1931年に書き上げた新作歌舞伎「瞼の母」で、「ザ・歌舞伎」にとっては初挑戦の芝居だった。幼いころに母親と生き別れになった「番場の忠太郎」という渡世人が、三十路を迎えて漸く母親に会えたのに、自分自身と母親のさまざまな心の葛藤の挙げ句、別離を選ぶという物語である。原作はかなり長いので、学生と試行錯誤の末、二幕二場の物語に落ち着いた。

ANU学生歌舞伎の伝統で、主として男子学生が女形を、女子学生が男役を演じることに変わりはないが、昨年同様、今年もその伝統に固執せず、男子学生にも女子学生にも自由に役を選んでもらった。日本人の交換留学生や正規学部生、研修生などが例年より多く役者を務めたことが、今年の特徴だったと言えるだろう。

毎年、日本語を理解しない観客も多いので、一昨年度から取り入れた字幕方式を今年も提供した。幾つかの英語の冗談を除いてせりふは全部日本語で通し、全ての台詞を英語の字幕にし、プロジェクターで舞台上方のスクリーンに映して観客に台詞の面白さも味わってもらえたと思う。

今年は満席にこそならなかったが、満席に近い観客席からの熱気が演じる役者にもしっかり伝わり、観客も、笑いを狙った箇所ではしっかりと笑ってくれ、久々に演じられた刀による斬り合いの場面や忠太郎母子の言葉による探り合いの場面を楽しんでくれたように思う。また、主役の忠太郎を務めた日本人学生の熱演で、幕が下りる直前、涙を堪えきれなかったという何人もの観客からの舞台評を聞いて、義理人情の一端を理解してもらえたと感じたのは、筆者のみではないと思う。3日間ともプロンプターがほぼ開店休業状態という理想的な舞台で、役者も観客も大いに楽しんだ3日間だったのではなかろうか。

昨年の記事で、筆者が大学の職を辞したことをお伝えしたが,今年は、大学の客員研究員として、学生歌舞伎の手伝いをさせてもらったことをご報告しておく。

最後に、以下に日本語が分からないマレーシアからの院生の観劇評をお伝えしておきたい。

Arigato! Thank you for suggesting the show to me, it was an enriching encounter for me. I was deeply moved to experience a time -honored Japanese tradition.
The performance by the ZaKabuki Club were flawless. However, the story was a tragedy. The ending was poignant and made me sad. Life doesn’t always play out the way you would like it to.
The title of the play is meaningful, and while I felt it sad and unfair that Chutaro was not able to obtain the love and affection of his Mom , I appreciate that the story was realistic too. Not all things end well after all.
I did appreciate the elements of Japanese and Australian culture from the clothes, props and humor!
(投稿=オーストラリア国立大学アジア・太平洋カレッジ日本センター客員研究員 歌舞伎演出・監督・池田俊一)

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