2018年11月 メルボルン/ローカル・コミュニティー・ニュース

メルボルンでQ&Aセッションを行う関根光才監督の『生きてるだけで、愛。』(©2018“Love At Leas”Film Partners)
メルボルンでQ&Aセッションを行う関根光才監督の『生きてるだけで、愛。』(©2018“Love At Leas”Film Partners)

日本映画祭が開幕

メルボルンは11月22日から

今年で第22回を迎える日本映画祭がオーストラリア全土で開幕した。メルボルンでは11月22日から12月2日まで、市内にある2つの映画館で全37作品の上映が予定されている。オープニング作品には、公開後国内外の映画賞を数々受賞した話題作、上田慎一郎監督の『カメラをとめるな』が上映される。また、石田衣良原作の小説を映画化し話題となった松坂桃李主演の『娼年』や、コメディー作品『オー・ルーシー』など、幅広いラインアップがそろう。また、11月24日には関根光才監督が来豪し、長編映画初監督作品『生きてるだけで、愛。』のQ&Aセッションが上映後に行われる。

■日本映画祭(メルボルン)
日程:11月22日(木)~12月2日(日)
場所:ACMI Cinemas, Federation Square(Flinders St., Melbourne)、Hoyts Melbourne Central(Cnr., Swanston & Latrobe Sts., Melbourne Central Shopping Centre)
料金:大人$18.50、コンセッション$16.50、フィルム・パス$75(5回分、オープニング・フィルムとスペシャル・イベントを除く)
Tel: (03)8663-2583(ACMI ボックス・オフィス)
Web: www.japanesefilmfestival.net


メルボルン・ビクトリー、本田選手が初戦で得点

オーストラリアAリーグ、メルボルン・ビクトリー(以下、メルボルンンV)に加入した本田圭佑選手(32)が20日、リーグ・デビュー戦となるメルボルン・シティー戦に出場、前半28分に初ゴールを決めた。

メルボルンのマーベル・スタジアムは、開幕戦で本拠地をメルボルンとするチーム同士のダービー戦とあって、多くの観客で埋めつくされた。左腕に黄色いキャプテン・マークを巻いて登場した本田選手は前半28分、右のサイドからのクロスを中央でヘディングで合わせゴールに叩き込んだ。メルボルンVは攻撃を仕掛けるも追加点を奪えず1-2で初戦を落とした。

試合後、ケビン・マスカット監督は「今日のゲームは本田選手の存在が際立っていた。技術がすばらしく、今後もチームに良い影響を与えていくだろう」と大絶賛。今回スタメンの11人中7人が昨季のグランド・ファイナルにはいなかったメンバーで、ここから更に良いチームを築き上げると語った。


130点の古伊万里コレクション
ビクトリア州国立美術館へ追加展示

ビクトリア州国立美術館は10月20日、古伊万里焼130作品が同美術館の「ポーリン・ガンデル日本美術ギャラリー」へ追加されたと発表した。同日に行われたオープニング・セレモニーには、寄贈したジョン・ガンデル夫妻、草賀純男駐オーストラリア特命全権大使、日本から東京藝術大学大学美術館館長の秋元雄史教授らが出席し、日豪をつなぐ証として寄贈されたコレクションの展示を祝った。

伊万里焼は日本で初めて作られた磁器で、1615年に朝鮮半島から伝わったとされている。新たに加わったコレクションは16~19世紀にかけて作られた古伊万里焼きを中心に、柿右衛門の作品も数点含む。更に、1658年から数年の間オランダ東インド会社によって長崎の出島からヨーロッパ市場に向けて輸出された作品、諸大名御用品として大名間で贈り合っていた国外不出の貴重な作品もある。

これらの作品は都内在住の日本人の収集家が3代かけて集めたもので、ガンデル夫妻の寄付金によりNGVが全て買い取った。この日のために来豪した収集家は「先祖代々続く古伊万里のコレクションを日本の外へ手放すには、決定するまで10年以上の歳月をかけた」と語り、オーストラリアの人にすばらしい伊万里作品を楽しんでもらえればうれしいと、日豪文化交流のために大きな決断をしたことを振り返った。また、秋元雄史教授は「これだけの古伊万里コレクションは国外で最大規模。日本美術のコレクションで世界的に知られるニューヨークのメトロポリタン美術館にもない」と話し、オーストラリアでの日本美術への理解が広まりを称賛した。

大規模な伊万里コレクションを同美術館に寄贈したガンデル夫妻。この他にも多くの慈善事業に力を注いでいる(Photo=Eugene Hyland)
大規模な伊万里コレクションを同美術館に寄贈したガンデル夫妻。この他にも多くの慈善事業に力を注いでいる(Photo=Eugene Hyland)
記念セレモニーには80人のゲストが参加し、貴重な伊万里コレクションを鑑賞した(Photo=Eugene Hyland)
記念セレモニーには80人のゲストが参加し、貴重な伊万里コレクションを鑑賞した(Photo=Eugene Hyland)

平成30年外務大臣表彰受賞
レスリー・キーホー氏インタビュー

日本への留学経験があり、日本の古美術品を扱う美術商として活躍するレスリー・キーホー氏は、オーストラリアで日本の美術作品を紹介した第一人者として知られている。同氏がギャラリーを開き、美術商として歩むことになったきっかけや日本の美術作品の魅力、今後のビジョンなどを伺った。 (インタビュー=大木和香)

――日本美術に興味を持たれたのはいつごろですか。

モナッシュ大学で日本語と社会学を学び、大学4年の時に半年間日本に留学しました。当時は1豪ドル450円の時代でしたが、1枚の浮世絵を買ったのがきっかけです。ただ、その時はまさか今の仕事をしようとは思っていませんでした。

――美術商としてキャリアをスタートした経緯を教えてください。

社会言語学で修士、その後は博士課程に進んだものの、言語そのものよりも自分はコミュニケーションをすること、文化に惹かれているのだと思い始めました。そのころオーストラリアでは、日本の古美術品の価値が分かる人が少なく、安かったのでオークションで少しずつ買いためていました。私が博士課程を休学する間、趣味を生かしてアンティーク・ショップをしてみては、と主人が提案してくれたのです。ビジネスのことなど右も左も分からないまま、1981年、キャンパーウェルに小さい店舗を構えたのが始まりです。83年からは本格的に日本の美術品を扱うため、当時4万豪ドルを銀行から借り入れ、2歳の娘を夫に預けて3週間イギリスへ買い付けに行きました。小さい子どもを置いての自身の行動に本当に私はこれで良いのか……とロンドン行きの飛行機の中で泣いたのを今でも覚えています。

ロンドンでは店が多いものの、とにかく値が張り、ほとんどが明治時代の輸出物でした。そのまま諦めてオーストラリアに帰国しようとした最終日、偶然通りかかった大英博物館近くの小さな店で、私が探していた本当の伝統工芸品に出合いました。硯箱や印籠、財布、たばこ入れなど、日本人の奥さんを持つ英国人オーナーから4万ドル分の商品を買いました。その出来事は運命だったと思います。

――当時、オーストラリアで日本の古美術を収集している人はいましたか。

商品は半年以上も売れませんでした。戦後の日本に対し複雑な気持ちを抱く人もいるころで、日本の古美術を扱う私に批判的な人も多くいました。最初の顧客は2人の男性で、戦時中にシンガポールで日本軍の捕虜となったオランダ人、もう1人はシドニーのオーストラリア人歯科医で、2人とも日本軍が占領した当時のチャンギ戦争捕虜収容所にいた人でした。日本に対して苦い気持ちを抱きながらも、よく勉強されていました。難しかったですが、歴史や文化を説明し、物の背景を話していくと、少しずつですが共感してくださる人が増えました。

――日本の美術作品の魅力は何でしょうか。

蒔絵などの伝統工芸品がすばらしいです。技、精神、作り手の魂が入っています。西洋美術では絵画が一番高く評価されますが、アートとはとても客観的で作ってからコンセプトや価値を付けることがいくらでもできます。一方で日本の工芸品は、余計な説明が要りません。その作品自体の圧倒的な美しさが魅力です。

――今後の展望をお聞かせください。

作家のキャリアを考え、どのように応援できるか活動することです。海外のアート・フェアに参加し日本の作家を紹介していくこと。例えば、メトロポリタン美術館も購入するほどのすばらしい作家がいても、日本だと認められない。そういう人を発掘して世に発信していきたいと思います。

――アートを通して人をつないでいるのですね。

最近は現代美術にも力を入れているのですが、それは今を生きる作家と皆さんをつなげることができるからです。現代アートも全て伝統から生まれています。今と昔、人と人、国と国をつなぐのが私の役目だと思っています。

――読者の皆さんに伝えたいことは何ですか。

1つだけ言うとすれば、自分の文化をより深く知って頂きたいです。海外に出て、初めて日本文化のすばらしさに気付いた人も多いと思いますが、もっと日本の歴史や文化を知って頂ければと思います。


●PROFILE
Lesley Kehoe(レスリー・キーホー)1977年、文部科学省国費留学研究部門で筑波大学に留学。日本の伝統美術に魅せられ,帰国後にメルボルンでギャラリーを創設して画商を始めた。豪州で日本の美術作品を紹介した第一人者で、日本の伝統工芸品や日本文化の理解に幅広く貢献。また、ビクトリア州国立美術館内「ポーリン・ガンデル日本美術キャラリー」の開設にも協力、今年7月には日豪文化交流への長年の貢献が称えられ、外務大臣表彰を受賞(www.kehoe.com.au

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