2019年2月 ニュース/総合

優勝カップを掲げる大坂なおみ=1月26日、メルボルン・パーク・ロッド・レーバー・アリーナ(Photo: AFP)
優勝カップを掲げる大坂なおみ=1月26日、メルボルン・パーク・ロッド・レーバー・アリーナ(Photo: AFP)

大坂、全豪オープン制覇

4大大会2連勝、世界の頂点に

テニスの4大大会今季第1戦、全豪オープンは1月26日、メルボルンで女子シングルス決勝戦を行い、第4シードの大坂なおみ(日清食品=21)が第8シードのペトラ・クビトバ(チェコ=28)を7-6、5-7、6-4で破り、日本勢初の優勝を果たした。昨年8月の全米オープンに続く4大大会2連勝(ツアー通算3勝目)の快挙。アジア勢前人未到の世界ランキング1位に浮上した。

技術とメンタルの両面で成長著しい21歳が、2時間27分の激闘を制した。前哨戦のシドニー国際で優勝してメルボルンに乗り込んできたクビトバとは初対戦。どちらが勝っても世界ランキング1位が確定する決戦は、互いに1歩も譲らない展開となった。

第1セットはタイブレークの末、大坂が先取した。第2セットは3度のマッチ・ポイントを握った後に急失速。セットを落とした大坂は、ボールをコートに叩き付けて悔しがった。流れはクビトバに傾いたかに見えたが、気持ちを切り替えた大坂が粘り強さを見せつけた。ファイナル・セットは第3ゲームで先にブレーク。クビトバの追撃を振り切った。

勝利の瞬間、地面にしゃがみ込んで涙を拭った。昨年の全豪出場時の世界ランキングは72位。それからわずか1年、21歳3カ月で世界の頂点に上り詰めた。試合後、急成長について聞かれた大坂はこう返答した。「全てを犠牲にして努力してきた。(世界ランキング1位到達が)早かったとは思わない。むしろ長かったと感じている」(原文は英語)


通算12個目のタイトルを獲得した錦織圭(Photo: Nino Lo Giudice)
通算12個目のタイトルを獲得した錦織圭(Photo: Nino Lo Giudice)

錦織、ブリスベン国際初優勝
3年ぶり通算12勝目

約3年間ツアー・タイトルから遠ざかっていた男子テニスの錦織圭(29=日清食品)が、20代最後の年のスタートを優勝で飾った。ブリスベン国際は1月6日、ブリスベン・テニス・センターで男子シングルス決勝戦を行い、錦織はダニル・メドベージェフ(22=ロシア)を6-4、3-6、6-2で破り、同大会初優勝を果たした。

昨年の同大会は、手首の故障のため欠場を強いられた。錦織は表彰式で「7度目か8度目の出場でようやくこのタイトルを取ることができて非常に幸せだ。彼(メドベージェフ)には昨年、日本の試合の決勝戦で敗北していたので、リベンジが果たせてうれしい」(原文英語)と喜びを噛み締めた。

全豪は8強進出も途中棄権

4大大会の初戦、全豪オープンは23日、メルボルンで男子シングルス準々決勝を行った。8強に残った第8シードの錦織は、第1シードで世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦した。第1セットを1-6で落とした後、第2セットで1-4となった場面で右太ももの負傷のため途中棄権。ベスト4進出はならなかった。


シドニーの豪準備銀行(RBA)本店。年内の追加利下げも意識され始めた
シドニーの豪準備銀行(RBA)本店。年内の追加利下げも意識され始めた

景気に減速感

新車販売前年割れ、年末商戦も軟調

足元の景気に減速感が出ている。新車販売台数は4年ぶりに前年割れとなり、特に直近の2018年12月の落ち込みが激しかった。一方、クリスマス商戦も振るわず、12月の小売売上が前月比でマイナスになるとの予想もある。17年をピークに下落している住宅市況の鈍化が要因の1つにあるとの指摘が出ている。エコノミストからは、中央銀行の豪準備銀行(RBA)が景気を下支えするため、利下げに踏み切るとの観測も浮上している。

新車販売、前年比3%減

低金利や堅調な景気を背景に3年連続で過去最高を更新していた豪新車市場が昨年、減少に転じた。連邦自動車工業会(FCAI)が1月4日に発表した統計によると、18年に豪州で販売された新車の台数は115万3,111台と史上最高だった前年と比べて3%減少した。18年12月の1カ月間では前年同月比14.9%減と特に落ち込みが激しく、足元の景気の鈍化を反映した可能性がある。

FCAIのトニー・ウェバー代表は、販売台数が減少に転じた要因について「住宅市況の鈍化、貸付締め付け、干ばつといった豪州経済を取り巻く厳しい環境を映し出したものだ」と指摘した。

12月小売売上、0.3%減の予想

年末商戦も軟調だったようだ。ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は1月23日に発表した報告書で、豪統計局(ABS)の18年12月の小売売上高(2月5日発表予定)が、前月比で0.3%減少するとの予測を示した。

NABのアラン・オスター主席エコノミストは、クリスマス商戦の不振の要因の1つとして、小売りセール「ブラック・フライデー」や「サイバー・マンデー」の影響を挙げた。米国発のこれらの消費文化が豪州にも普及したことで、クリスマス・ショッピングの支出が11月に前倒しされたという。

その一方で同氏は「部分的には、小売部門の潜在的な弱さを反映している。賃金の伸びの鈍さ、高水準にある個人の負債、特にシドニーとメルボルンの住宅市場の鈍化による資産の減少といった要因が、非生活必需品の買い控えにつながっている」と指摘。住宅価格下落と住宅建設の鈍化による景気へのマイナスの影響が、今後更に顕在化すると予想した。

住宅市況は調整局面続く

住宅価格の下落傾向は、依然として継続している。不動産調査会社コアロジックが1月2日に発表した住宅価格指数に関する調査によると、2018年12月末時点の同指数はシドニーで前年同月比8.9%下落、メルボルンで7%下落した。8つの州都の平均では6.1%の下落、全国平均で4.8%の下落だった。

18年12四半期では全国平均で、前期比2.3%の下落となり、世界金融危機直後の08年12月四半期以来最大の下げ幅を記録した。

コアロジックのティム・ローレス調査部長は「2大都市(シドニー、メルボルン)の下落が、全国的な下落の最大の要因となったが、(金融機関の)貸付締め付けはほとんどの地域に影響を及ぼしている」とコメントした。

大都市を中心に高騰していた住宅市況は17年後半以降、調整局面に入った。ABSの住宅価格指数に関する統計によると、同指数はシドニーで17年6月四半期、メルボルンで18年3月四半期をピークにそれぞれ減少に転じている。

「年内利下げ」の観測も

豪金融サービス大手AMPのエコノミスト、シェーン・オリバー氏は1月23日、同社のウェブサイトへの投稿で「住宅価格は今年、全国で5~10%、シドニーとメルボルンで最大15%それぞれ下落する可能性がある」との見方を示した。

住宅市況の鈍化の要因として、政府の規制強化による金融機関の貸付基準の厳格化、集合住宅の供給過剰、外国人の投資需要縮小などを挙げた。

その上で同氏は「住宅価格の下落による経済成長の鈍化に伴い、RBAは年内に2度の利下げを行い、政策金利は年末までに1.0%に引き下げられるだろう」と予想した。

RBAは16年8月に同金利を史上最低水準の1.5%に引き下げて以来、約2年半にわたり据え置いている。これまでは利上げ時期が焦点となっていたが、今後の景気動向によっては追加利下げも視野に入ってきた。


ライト・レール(路面電車)の線路敷設工事が終わったシドニー市内中心部のジョージ・ストリート
ライト・レール(路面電車)の線路敷設工事が終わったシドニー市内中心部のジョージ・ストリート

シドニーの風景が変わる

インフラ整備、ようやく形に

2019年は、シドニーの街並みが大きく変わるターニング・ポイントの1年となりそうだ。豪州初の無人運転の鉄道新線「シドニー・メトロ」が年内に一部開通、工事が遅れていた路面電車「シドニー・ライト・レール」南東線も完成に近付く。インフラ整備の大型プロジェクトがようやく形になり始める他、第2のカジノを含む市内西部の統合リゾート(IR)「クラウン・シドニー・ホテル・リゾート」も姿を現す。

新鉄道は完全無人運転

人口が急増している北西郊外のラウズ・ヒルと、北郊の中心地チャッツウッドの間13キロを結ぶシドニー・メトロ北西線は、19年中ごろに開業する。総工費は83億ドル。既に線路や施設の工事はほぼ完了。豪州初の完全無人運転の車両が1月15日、試運転を開始した。

今回開通する北西線は、ラウズ・ヒルからチャッツウッド、市内中心部を経由して南西郊外バンクスタウンに至る全体計画の第1期。チャッツウッドからバンクスタウンまでの第2期は、5年後の24年の完成を目指す。全線開通後の総延長は66キロ。合計31の駅が建設される。

既にシドニー湾の下を通るトンネルや、市内中心部のバランガルー、マーティン・プレイス、ピット・ストリートなどの地下で新駅の工事が進んでいる。全線開通後は上下方向に最大で4分に1本の頻度で運行し、慢性化する市内の渋滞解消、移動時間の大幅な短縮が見込まれる。

路面電車、街の風景を一変

シドニー市内中心部と南東郊外を結ぶ全長12キロの新型路面電車、ライト・レール南東線の工事も、ようやく最終段階に入った。

同路線は、シドニー市内北部のサーキュラ・キーから市内中心部の目抜き通りであるジョージ・ストリートを南下。セントラル駅を経由して南郊ムーア・パーク付近で2本に分岐し、南東郊外のキングスフォードと同ランドウィックに至る。ピーク時に4分おきに運行する。

ジョージ・ストリート区間の大半では自動車が通行止めとなり、ライト・レールの線路沿いに巨大な歩行者天国が現れる。サーキュラ・キーから中心部のタウン・ホールまでの区間では1月末の時点でおおむね工事が終了。街の景色は大きく変貌し始めた。

NSW州政府は当初、19年3月までの完成を目指していた。ところが、中心部の地面を掘り起こしてみると設計図になかった電線などのライフラインが多く発見され、難工事となった。このため、建設を請け負ったスペイン系ゼネコンのアクシオナが損害賠償を求めて州政府を訴えるなど、完成が大幅に遅れていた。

NSW州交通省の広報担当者によると、これまでに線路の敷設は全て終わり、工事用フェンスの除去と駅の建設を進めているという。同担当者は本紙の取材に対し「20年3月までにプロジェクト完了を想定している。州政府は現在、19年中の完成を念頭に、アルトラック(ライト・レール企業連合)とアクシオナと協議しているところだ」と述べた。

超高級カジノ・リゾートも出現

シドニー市内西部の再開発地区「バランガルー」の一角では、市内で2つ目のカジノなどが入るクラウン・シドニー・ホテル・リゾートの建設が進められている。

金属片をねじ曲げたような未来的なデザインの超高層タワーは、シドニー・ハーバー・ブリッジやシドニー・オペラ・ハウスに匹敵する街の象徴的な建築物として設計された。外国人観光客や上客(VIP)しか入場できない「6つ星」の超高級カジノの他、富裕層向けのホテルや集合住宅、商店、レストランなどが入居する。

開業は21年ごろを予定しているが、ビルの構造部分の建設は既に進んでいる。年内には、高さ275メートルと市内で最も高い超高層タワーが出現しそうだ。


豪州市場で3年連続ベストセラーとなったトヨタの小型トラック「ハイラックス」(Photo: Toyota Australia)
豪州市場で3年連続ベストセラーとなったトヨタの小型トラック「ハイラックス」(Photo: Toyota Australia)

SUV、新車の4割超える――乗用車の退潮鮮明に
販売台数1・2位も小型トラック

連邦自動車工業会(FCAI)が発表した2018年の新車販売に関する統計によると、セダンなど従来型の乗用車から多目的スポーツ車(SUV)へのシフトがいっそう加速していることが明らかになった。車体のタイプ別シェアでSUVは全体の43%を占め、初めて乗用車を上回った前年の39.2%から更にシェアを伸ばした。

SUVと共に、豪英語で「ユート」(Ute)と呼ばれるピックアップ・トラック(小型トラック)も好調だ。車名別ではトヨタの小型トラック「ハイラックス」が5万1,705台と3年連続で販売台数1位をキープ。同じく米フォードの小型トラック「レンジャー」も4万2,144台と2位に浮上した。

車名別3位はトヨタの小型車「カローラ」(3万5,320台)、4位はマツダの同「3」(3万1,065台)、5位は韓国現代自動車の同「i30」(2万8,188台)だった。

一方、メーカーのブランド別シェアは、トヨタ(18.8%)とマツダ(9.7%)の日本勢2社が前年と同じく1位、2位を維持した。トヨタは豪州市場で18年連続シェア1位を続けている。3位は現代(8.2%)、4位は三菱自動車(7.4%)、5位はフォード(6%)だった。


18年の豪州産ワイン輸出総額、10%増

オーストラリア政府のワイン振興団体ワイン・オーストラリアが1月22日発表した2018年のワイン輸出総額は前年比10%増の28億2,000万ドルだった。首位の中国向けが好調を維持した。

数量ベースでは5%増の8億5,000万リットル。クラーク最高経営責任者(CEO)は「好調な世界の需要となり、豪州産ワインの輸出業者が国際市場の開発と維持に精力的に取り組んでいることが浮き彫りになった」と語った。

輸出額では、首位は中国で18%増の11億4,000万ドル。次いで米国の4億2,500万ドル(5%減)、英国の3億8,900万ドル(12%増)と続いた。日本向けは17%増の5,500万ドルだった。


囲炉裏を囲んで和食を楽しむ豪州人旅行者たち
囲炉裏を囲んで和食を楽しむ豪州人旅行者たち

豪訪日客数、初めて50万人突破

前年比11.6%増――7年連続拡大

2018年の豪州からの訪日客の数は、55万2,400人と前年比で11.6%増えた。初めて50万人を超え、17年に続き過去最高記録を更新。11年の東日本大震災の反動で大きく伸びた12年以降、7年連続で前年を上回った。日本政府観光局(JNTO)が1月16日に発表した訪日外客数に関する統計(推計値)で明らかになった。

国・地域別で豪州は前年に続き7位。旅行や消費のスタイルが似ている英語圏に限れば、豪州より人口の多い英国(33万4,000人)やカナダ(33万500人)を上回っている。人口1人当たりの訪日需要は、英語圏でトップクラスだ。

豪ドルの対円レートが回復した上に、日本航空(JAL)が17年9月に、カンタス航空が同年12月に新規路線を就航させるなど航空座席供給量が大幅に増加した。JNTOによると「新規就航を背景とした特別運賃キャンペーンや共同事業、オリンピック選手を起用した広告、クイズを用いたデジタル・キャンペーンなど、多種多様な取り組み」が奏功したという。

18年の全体の訪日者数も、前年比8.7%増の3,119万2,000人と初めて3,000万人を超え、過去最高を更新した。日本政府は、東京五輪・パラリンピックが開催される20年に訪日客4,000万人を目標に掲げている。

1人当たり消費、豪州が首位に

一方、日本の国土交通省観光庁が1月16日に発表した18年の訪日外国人消費動向調査(速報値)によると、豪州からの訪日者の旅行消費額は1,315億円と国・地域別で7番目に多かった。旅行消費額を訪日者数で割った「1人当たり旅行支出」で見ると、豪州は24万2,050円と前年比で7.2%伸び、前年に最も多かった中国(22万3,640円=確報値)を抜いて国・地域別でトップに浮上した。

豪州の1人当たり支出を項目別に見ると、滞在期間が平均13.3泊と長いことを反映して「宿泊費」が9万9,084円と全体で2位(1位は英国の10万9円)に入った。豪州人訪日者はスキー旅行の需要が高いことから、「娯楽等サービス費」は1万6,128円と他国・地域と比べて群を抜いて多い。

逆に、「買物代」は3万2,742円と1位の中国(11万923円)などと比較して非常に少なく、全体の平均(5万880円)も下回った。豪州人は中華圏の訪日者と比べ、ショッピングよりも体験や食事など「コト消費」に金を掛ける傾向が強いことがうかがえる。

豪州からの訪日客数の推移

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(人) 162,578 206,404 244,569 302,656 376,075 445,332 495,054 552,400
前年比(%) ▲28.0 27.0 18.5 23.8 24.3 18.4 11.2 11.6

出典:日本政府観光局(▲はマイナス)

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