2016年9月 ニュース/総合

7月19日、キャンベラの連邦総督邸で承認式に臨んだターンブル内閣の閣僚
7月19日、キャンベラの連邦総督邸で承認式に臨んだターンブル内閣の閣僚

第2次ターンブル内閣が船出

改造は小幅―主要閣僚は留任

ターンブル首相は7月18日、選挙後の内閣改造を発表した。既存の閣内相については全員を閣内に残し、担当のみを変更する小幅な改造にとどめた。新内閣は19日、ピーター・コスグローブ連邦総督による認証を経て正式に発足した。

バーナビー・ジョイス副首相兼農業・水資源相(国民党党首)、スコット・モリソン財務相、ジュリー・ビショップ外相、マリース・ペイン国防相、スティーブン・チョボ貿易・投資相、ピーター・ダットン移住・国境警備相らはそれぞれ留任した。

前環境相のグレッグ・ハント氏は産業・イノベーション・科学相に、前資源・エネルギー・豪北部相のジョッシュ・フライデンバーグ氏は環境・エネルギー相に、新入閣のマット・カナバン氏は資源・豪北部相に、前産業・イノベーション・科学相のクリストファー・パイン氏は新設の国防産業相にそれぞれ就任した。フィオナ・ナッシュ氏(国民党副党首)は従来の地域開発相に加えて地方政府・準州相を兼任。前中小企業相のケリー・オドワイヤー氏は歳入・金融サービス相に転じた。

ターンブル首相は内閣改造について「(選挙で)我々は政策遂行への強い信任を得た。今後3年間、力強いリーダーシップの下で経済運営を行う。経済と安全保障の両面で国民を守る」と強調した。8月30日に開会する次期連邦議会の優先課題としては、ABCC復活法案や予算案関連法案の成立を挙げた。上院では引き続き少数勢力が主導権を握るため、首相は「新しい上院と非常に建設的に対話していきたい」と呼びかけた。

両院の議席数が確定

7月2日の連邦選挙から約1カ月。上下両院の全議席がようやく確定した。今後、ターンブル政権が重要法案を成立させるには、両院で存在感を強めた少数勢力の協力が欠かせない。

下院(定数150)のQLD州ハーバート選挙区では7月31日、労働党のキャシー・オトゥール氏の当選が決まった。同選挙区では与野党候補の得票数がきわめて接近していたため、2度にわたって再集計が行われ、オトゥール氏がわずか37票差で保守連合の候補を破った。

下院の各党の議席数は、与党労働党が前回選挙比で14議席減の76議席とかろうじて1議席差で過半数を上回った。労働党は14議席増の69議席、その他の勢力は前回と同じ5議席となった。

今回の選挙では全議席を改選した上院(定数76)の議席数も8月4日に確定した。保守連合は30議席、労働党は26議席、環境保護政党グリーンズ(緑の党)は9議席となった。その他の勢力は11議席で、このうち復活した右翼政党ワン・ネーションが4議席、ギャンブル規制や保護貿易的政策を掲げるニック・ゼノフォン・チームが3議席を獲得した。


前労働党政権で首相を務めたケビン・ラッド氏
前労働党政権で首相を務めたケビン・ラッド氏

ターンブル首相、ラッド氏の指名を拒否
国連の次期事務総長選挙

マルコム・ターンブル首相は7月29日、前労働党政権で首相を務めたケビン・ラッド氏を国連の次期事務総長選挙候補に指名しないと発表した。立候補には自国の政府の指名が条件となるため、国連トップに転じるというラッド氏の夢は絶たれた。

ターンブル氏は「連邦政府が候補者に指名するには、信用できて、ポジションに適した人物でなければならない。ラッド氏はそれにふさわしくない」と述べた。指名しない理由は明言しなかったが、ラッド氏に直接伝えたという。

地元メディアによると、ラッド氏の指名の是非を議論した28日の閣議では、ジュリー・ビショップ外相とジョージ・ブランディス法相が超党派で指名を支持した。閣内で意見が割れたため結論は出ず、ターンブル氏が最終的に決断した模様だ。

ラッド氏は07年の連邦選挙で旋風を巻き起こし、11年ぶりの政権交代を果たした。外務官僚出身で中国に赴任した経験があり、北京語も流ちょうに話すことから「親中派」のレッテルを貼られた。首相就任後、それまでの連邦首相の外交上の慣例を破り、日本よりも中国を先に訪問。対日関係がぎくしゃくした経緯がある。

ラッド氏はその後、ワンマンな政権運営が反感を買い、労働党内で求心力を失った。10年に副首相だったジュリア・ギラード氏に謀反を起こされ、首相の座から引きずり下ろされた。代わりに首相に就いたギラード氏との間で激しい権力抗争を繰り広げた後、13年6月に首相に返り咲いた。しかし、同年9月の選挙で敗北したため約2カ月半で退陣した後、政界を引退していた。以前から国連事務総長職に食指を動かしていたとされる。

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