2016年12月 ニュース/総合

トランプ氏の米大統領選当選を受け、豪米関係の重要性を訴えたマルコム・ターンブル首相
トランプ氏の米大統領選当選を受け、豪米関係の重要性を訴えたマルコム・ターンブル首相

豪州にもトランプ・ショック波及

米大統領選の結果受け、株価乱高下

大方の予想に反して米実業家ドナルド・トランプ氏が次期米大統領に選出されたことで、豪州にも波紋が広がっている。取引時間中にトランプ氏勝利が伝わった11月9日のオーストラリア証券取引所(ASX)では、代表的な株価指標である「S&P/ASX200」の終値が5,156.56と前日比で3.03%、同じく「オールオーディナリーズ」も5,238.33と3.04%それぞれ大幅に下落した。

ただし、その後トランプ大統領就任をめぐる懸念がいったん後退、世界の主要株式市場で株価が急上昇した流れを受け、翌10日の豪株価も急激に反発した。同日のS&P/ASX200は前日比3.2%、オールオーディナリーズも3.2%それぞれ上昇して取引を終了。わずか1日で米大統領選前の水準を回復した。

ターンブル首相:「強い米国」強調

マルコム・ターンブル首相は9日午後、トランプ氏が勝利宣言を行ったことを受けて声明を発表した。首相は「戦場であろうと商業であろうと、我が国と米国との関係は2国間関係の中で最も強力だ」と述べ、安全保障と通商の両面で豪米関係は最重要との認識を示した。

その上で、首相は「周辺地域での法の支配の基礎に、強い米国がある」と指摘した。トランプ氏が同盟国の負担拡大を求める発言を繰り返していたことを念頭に、地域の安保体制に占める米国の重要性を改めて強調する狙いがあるものと見られる。

公共放送ABCは10日、ターンブル首相がトランプ氏と電話会談を行ったと報じた。これによると、トランプ氏は豪米同盟がきわめて重要であるとの考えを示した。また、ターンブル首相は環太平洋連携協定(TPP)について「地域での米国の戦略的な国益に合致している」として、これに反対してきたトランプ氏に承認を呼びかけた。

トランプ氏の勝利は、オーストラリアでも想定外のサプライズと受け止められている。大体な減税策やインフラ投資で米国経済の成長加速に期待が高まる反面、米国が保護主義的な通商政策に舵を切れば、貿易自由化の恩恵を受けてきたオーストラリアには痛手と見られている。安保面では、米軍のアジアでの存在感が縮小することになれば地域情勢が不安定し、オーストラリアの国防政策も影響を受けかねないとの見方が出ている。

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