2017年2月 ニュース/総合

ヒルトン・ホテル・シドニーでスピーチを行った安倍晋三首相(中央)、ツーリズム・オーストラリア、マネージング・ディレクターのジョン・オサリバン氏(左)、日本政府観光局の松山良一理事長(写真:馬場一哉)
ヒルトン・ホテル・シドニーでスピーチを行った安倍晋三首相(中央)、ツーリズム・オーストラリア、マネージング・ディレクターのジョン・オサリバン氏(左)、日本政府観光局の松山良一理事長(写真:馬場一哉)

安倍首相、訪日旅行をアピール

シドニーの観光セミナーでスピーチ

アジア太平洋の主要国歴訪の一環としてオーストラリアを訪れた安倍晋三首相は1月14日、シドニー市内のホテルで開催された「日豪観光セミナー」で開会のあいさつを行い、海外旅行先としての日本の魅力をアピールした。

安倍首相は初めに「世界的なスキー・リゾートとなった北海道のニセコの魅力を全世界に広めてくれたのは、オーストラリアのスキーヤーの皆さんだ」と謝意を表明。「いつの日かターンブル首相と一緒にニセコでスキーを楽しみたい」と述べた。

また、首相は「日本全国各地の豊かな自然や温泉、地域の食材を生かした和食、暖かな人びととのふれあいが、皆様をお待ちしている」と強調。オーストラリアについても「海岸リゾートをはじめとしたダイナミックな自然や先住民文化に触れ、食とワインを楽しむことができる。オーストラリアは日本人を魅了してやまない」と語った。

その上で首相は、日豪双方向の人的交流を拡大するため、「まだ知られていない双方の(観光地としての)魅力の理解と発信に対する更なる協力をお願いしたい」と呼びかけた。

セミナーは日本政府観光局(JNTO)と日本旅行業協会(JATA)が開催し、現地の旅行業界関係者らが参加した。オーストラリア人の訪日需要拡大と共に、オーストラリアの日本人観光客市場の活性化についても、両国の専門家が意見を述べた。

スキー客など豪州から45万人訪日

オーストラリアでは、冬のスキー旅行を中心に訪日需要が順調に拡大している。オーストラリアからの訪日客数は5年連続で20%以上の伸びを続け、2016年の訪日客数は約45万人に達した。カンタス航空と全日空が15年に相次いで羽田—シドニー線を開設するなど、日豪間の航空座席の供給数が拡大。15年の日豪経済連携協定(EPA)発効を背景に、観光だけではなくビジネス需要も拡大していると見られる。

一方、オーストラリア観光ブームだった1990年代には約90万人に達した日本人のオーストラリア訪問者数は近年、約3分の1の水準まで落ち込んでいたが、ここにきて復活の兆しが見え始めた。最新の統計はまだ発表されていないが、日本側の観光業界関係者によると16年は40万人以上に達したもようだ。

首相は同日、日豪のビジネス・セミナーでもスピーチを行った。この後、シドニー北部の連邦首相公邸で、マルコム・ターンブル首相と日豪首脳会談を行った。

安倍首相のオーストラリア訪問は、14年7月以来2年半ぶり。第2次安倍政権では2回目。フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムの4カ国歴訪の一環で、15日朝には次の訪問国インドネシアに向け出発した。

また同日、安倍首相と共に来豪した昭恵夫人によるシドニー市内施設への訪問・視察プログラムも実施された。午前中にシドニー日本人学校、ノースコット障害児支援施設を訪問。同日の午後にはルーシー・ターンブル夫人も参加して王立植物園とNSW州立美術館の2カ所を訪問し、視察は終始和やかな雰囲気の中で行われた。


西シドニー空港の建設計画承認
2020年代半ばに開港へ

連邦政府は2016年12月12日、シドニー第2空港「西シドニー空港」を建設する計画を正式に承認した。マルコム・ターンブル首相とポール・フレッチャー連邦都市インフラ相が会見で発表した。

シドニー西方のバジェリーズ・クリークに、最大の民間航空機エアバスA380が発着できる3,700メートルの滑走路1本と、年間1,000万人の利用客を想定した空港ターミナルを建設する。20年代半ばの開港を目指す。第2期工事として、50年ごろをめどに第2滑走路を建設し、最終的には3,500万~4,000万人の利用客に対応する。

連邦政府の試算によると、市内南部にある現在のシドニー国際空港(シドニー・キングスフォード・スミス空港)の発着枠は27年ごろに限界に達する見通しで、空港施設の処理能力も30年代後半には飽和状態になるとされる。現在3本ある滑走路の増設も望めないことから、第2空港の建設が急務となっていた。

バジェリーズ・クリークはシドニー市内中心部から西へ約50キロ離れているが、キングスフォード・スミス空港よりも新空港に近い地域に居住している人口は約200万人に達しており、「1つの都市として見ると、オーストラリア国内で4番目の規模がある」(ターンブル首相)という。初期の段階で約9,000人、将来的には6万人の雇用を創出するとしており、シドニー西部の雇用と経済成長の柱と位置付けている。

シドニー第2空港の建設をめぐる議論は約50年前からあった。バジェリーズ・クリーク案や空軍基地併用案、海上空港案などさまざまな構想が浮上していたが、いずれも立ち消えになっていた。インフラ整備を優先課題に掲げる保守連合政権の下で建設の機運が再燃、14年になってようやく候補地がバジェリーズ・クリークに決定していた。

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