2017年7月 ニュース/総合

税金詐欺、被害額は1億6,500万ドル
連邦警察、国税局幹部の息子を逮捕

連邦警察は5月18日、オーストラリア国税局(ATO)から少なくとも1億6,500万ドルをだまし取ったとして、マイケル・クランストンATO副長官の息子でシドニー東部ボンダイ・ビーチ在住のアダム・クランストン容疑者(30)らを逮捕した。ATOは幹部の息子が大規模な税金詐欺に関わっていたことに衝撃を受けている。公共放送ABC(電子版)が同日、伝えた。

同容疑者は詐欺集団の主犯格と見られる。企業の給与支払いを代行する会社を設立して資金を集め、契約業者を通して給与を支払っていた。犯行グループのフロント企業と見られる契約業者が給与税分を納税せずに着服。資金洗浄した巨額の現金を貯め込んでいた模様だ。

連邦警察はこの日、シドニーの28カ所で一斉捜索を行い、同容疑者の他副長官の娘ら合計9人を逮捕し、航空機2機、住宅18戸、自動車25台、現金100万ドル、銀行預金1,500万ドルなどを押収した。

ATOは、クランストン副長官が事件に直接、犯行を手引した可能性は低いと見ているが、ATO内部の職員2人も事件に関わった疑いがあるという。クランストン副長官は6月13日、シドニーの裁判所に参考人として出廷した。

同容疑者は保釈金30万ドルを支払い、出国しないことを条件に保釈された。


クリーンな水素エネルギーの技術開発に取り組むCSIROの研究員(Photo: CSIRO)
クリーンな水素エネルギーの技術開発に取り組むCSIROの研究員(Photo: CSIRO)

水素エネルギーに画期的な技術開発
特殊な金属皮膜でアンモニアから水素取り出す

オーストラリア発の新技術が、再生可能な水素エネルギーの普及に画期的な技術的進歩をもたらすかもしれない。豪連邦科学産業研究機構(CSIRO)はこのほど、特殊な金属製の皮膜でアンモニアから水素を分離出来る技術を開発したと発表した。輸出産業としての発展も期待出来るという。

CSIROが想定する水素エネルギー供給のモデルは次の通り。

まず、海水を浄化して水(H2O)から電気分解で水素(H2)を取り出し、空気から電気分解した窒素(N2)と反応させてアンモニア(NH3)を精製する。いずれの工程でも、太陽光や風力で発電した電力の使用を想定しているため、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しない。精製したアンモニアは、液化天然ガス(LNG)タンカーなどで海外に輸出する。

技術革新のポイントは、CSIROが開発した特殊な金属製の皮膜にある。輸出先の消費地にある施設で、この技術を使ってアンモニアから水素を取り出す。日本や韓国、欧州などへ輸出し、燃料電池車などのエネルギーとして利用することを視野に入れている。

水素は有力な次世代エネルギーとして期待されているが、密度が非常に低いため、低温で液体化しても長距離を大量に輸送しにくいという難点がある。その点、アンモニアの状態では運びやすく、LNGタンカーなどの既存のインフラも流用出来る。

また、製造段階で再生可能エネルギーだけを使った水素の供給システムが確立されれば、クリーン・エネルギーの普及が加速する可能性がある。水素を使用する燃料電池は使用時に水しか排出しないため「究極のクリーン・エネルギー」と言われているものの、現状では天然ガスや石油といった化石燃料から水素を取り出す方法が主流だ。埋蔵量に限界がある化石燃料を原料に使用している他、精製の段階で二酸化炭素を排出するため、必ずしもクリーンとは言えないとの見方がある。

CSIROの研究には、燃料電池車の開発に力を入れるトヨタ自動車を始め、韓国現代自動車、工業用ガス大手の英BOCといった民間企業も支援している。現状では基礎技術が確立された段階。どこまでコストを低く抑えられるかは不明だが、中長期的には世界のエネルギー供給に大きなインパクトを与える可能性もありそうだ。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る