2018年1月 ニュース/総合

郵便調査で同性婚賛成が6割を超え、祝福する推進派の人たち(Photo: AFP)
郵便調査で同性婚賛成が6割を超え、祝福する推進派の人たち(Photo: AFP)

同性婚認める法改正、下院で可決

2018年1月に初の同性夫婦誕生へ

同性カップルの結婚を認める婚姻法の改正案が2017年12月7日、連邦下院で成立した。ピーター・コスグローブ連邦総督が8日署名し、発効した。1カ月間の周知期間を経て、同性婚は18年1月9日以降、正式に認められる。海外で既に結婚している同性カップルの婚姻は、12月9日午前0時以降有効となった。

公共放送ABC(電子版)によると、同性婚を合法化したのは、係争中を含めてオーストラリアが21カ国目。01年に世界で初めて合法化したオランダを始めポルトガル、英国、フランス、スペイン、ドイツなど西欧や英語圏の先進国を中心に容認の動きが広がった。一方、イスラム諸国や東南アジア、南アジアなどの70以上の国では、同性愛行為自体が違法となっている。

オーストラリア統計局(ABS)は11月15日に同性婚の是非を問う郵便調査の結果を発表し、「イエス」(賛成)と答えた人の割合が61.6%と「ノー」(反対)の38.4%を20ポイント以上、上回った。調査結果は法的拘束力を持たないが、調査結果を受けて連邦議会が婚姻法改正案を審議していた。

義務投票制を採る通常の選挙と異なり、調査への回答は任意だったが、有権者1,600万人以上のうち約1,278万人(白紙や無効回答を除く)が参加し、回答率は79.5%に達した。

「歴史的瞬間」とターンブル首相

世論を二分した同性婚論争が決着した。マルコム・ターンブル首相は7日夜のABCの時事番組で「自分の首相在任中に実現できたことを誇りに思う。歴史的な瞬間だ」と述べ、白豪主義の廃止を決めた1967年の国民投票以来の歴史的な人権改革だとの認識を示した。首相は、合法化に向けた野党労働党の支援にも謝意を示した。

一方、トニー・アボット前首相ら反対派が求めていた宗教・慈善団体の免責条項は反対多数で否決された。アボット氏らは、同性婚が合法化されれば、牧師が同性婚カップルの挙式を拒否できなくなるなど「信仰の自由が脅かされかねない」と主張していた。

オーストラリアでは近年、同性カップルにも男女夫婦と同様の権利を認めるべきだとする声が高まり、伝統的な家族観を重んじる保守派との間で対立が深まっていた。与党保守連合(自由党、国民党)内でも、リベラル派のターンブル首相を始めとする推進派と、保守強硬派とされるアボット前首相ら反対派の間で賛否が分かれた。

与党は正式な国民投票での決着を図ったが、議会での審議を主張する野党が与党の国民投票案を上院で否決した。このため、ターンブル政権は議会承認がなくても実施できる郵便調査に転換していた。

寛容の度合いに地域差

郵便調査の集計によると、全国の6州と准州・特別地域のうち、賛成の割合は首都特別地域(ACT)が74%と最も高かった。次にVIC州(64.9%)、WA州(63.7%)などの順に高かった。逆に最も賛成の割合が低かったのは、意外にも性的少数者(LGBT)運動の世界的な中心地シドニーを州都とするNSW州(57.8%)だった。

全国に150ある連邦議会の選挙区別で見ると、133選挙区で賛成が反対を上回り、反対が過半数を占めたのはわずか17選挙区だった。最も賛成の割合が多かったのは、共に賛成が83.7%に達したシドニー選挙区とメルボルン選挙区。いずれもLGBTの同僚や友人と接する機会の多い大都市中心部にある。ABSの国勢調査によると、シドニー中心部では局地的に同性カップルの割合が15%を超える住区もある。

ところが、シドニーの西方にあるブラックスランド選挙区は、賛成の割合が26.1%と全国で最低だった。同西郊のパラマタ選挙区も38.4%と6番目に低かった。賛成の割合が低い下位10選挙区のうち、これらの2選挙区を含む8つがNSW州内の選挙区だった。多様な価値観を包容する大都市の中心部と、少数派が受け入れられにくい周辺地域や地方では、LGBTに対する寛容の度合いも大きく異なる。そんなオーストラリア社会の実態が、改めて浮き彫りになったと言えそうだ。


VIC州上院、安楽死法案可決
2019年に解禁へ

VIC州上院は2017年11月22日、末期患者が自ら命を絶つことを認める法案を可決した。法案は10月に下院を通過していたが、上院で修正されたため下院で再び採決される。成立すれば安楽死は19年に同州で解禁される。公共放送ABCが伝えた。

安楽死の解禁はオーストラリア国内で初めて。これまでも北部準州(NT)などで安楽死の解禁を求める動きがあったが、実現していなかった。

対象は、耐え難い痛みに苦しむ18歳以上の末期患者。精神状態が正常であること、州内に1年以上住んでいることなどの条件を満たし、2つの独立した医学的審査で承認されれば、死に至る薬が処方される。

上院は約28時間のマラソン審議を経て採決を行い、賛成22票、反対18票だった。各党は党議拘束をかけず、自主投票とした。法案を提出した与党労働党の議員11人の他、自由党の4人や環境保護政党グリーンズ(緑の党)の5人を含む野党議員も賛成に回った。

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