2015年1月 ニュース/QLD


11月14日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するためブリスベンに到着した安倍晋三首相(左)を迎えるキャンベル・ニューマンQLD州首相(Photo: Patrick Hamilton/G20 Australia)

2015年6月までに次期州選挙

政権維持濃厚も、与党は苦戦

2015年6月までに実施される州選挙に向け、新年はQLD州与野党の攻防が活発化する。与党自由国民党のキャンベル・ニューマン州首相は、12年の前回選挙で得た大量議席差を背景に2期目の続投を目指す。ただ、大胆な歳出削減策が有権者の反感を買っていて、最新の世論調査では野党に支持率を逆転されたほか、州首相の地元選挙区でも事実上の野党候補に水を開けられている。

調査会社ギャラクシー・リサーチが11月15、16日、有権者800人を対象に実施した世論調査によると、政党別支持率で与党自由国民党は最大野党の労働党に逆転を許した。自由国民党への支持率は37%と前回(8月12、14日)調査比で2ポイント減少した一方、最大野党の労働党は38%と同2ポイント上昇した。選好票配分後の2大政党別支持率は、自由国民党50%、労働党50%と引き分けた。ニューマン州首相に「満足している」と答えた回答者の割合は41%と「満足していない」(51%)を引き続き下回った。

ニューマン氏は、14年11月15、16日にブリスベンで開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、地元の代表として各国・地域の首脳を出迎えるなどホスト役を無事こなしたが、そうした外交パフォーマンスも支持率向上には結びついていないようだ。

 

公務員カットなど不評

QLD州議会(1院制)は定数89、任期3年。QLD選挙管理委員会によると、次期州選挙の投票は15年6月20日までの土曜日に行われる。12年の前回州選挙では、ニューマン氏が当時野党の自由国民党を率いて歴史的な勝利を収め、労働党から政権を奪った。

有権者は、11年の大規模な洪水でブリスベン市長としてリーダーシップを発揮したニューマン氏に、前労働党政権下で停滞した州の経済・財政の舵取りを託した。しかし、公務員の大量解雇を含む大胆な歳出削減策を進めたことが労組を中心に反発を買い、支持率は精細を欠いている。

自由国民党の現時点の議席数は73と過半数45を28議席上回る記録的な安定多数を確保している。キャンベル旋風が吹いた前回選挙の結果、わずか9議席と壊滅的な打撃を被った労働党が一気に党勢を取り戻すのは容易ではない。よほどの逆風が吹かない限り、与党が1期目で政権を失う可能性は低いと言える。

 

州首相、選挙区で劣勢

ただ、ニューマン氏は地元選挙区でも劣勢に立たされている。調査会社リーチテルが14年12月4日、ブリスベンのアッシュグローブ選挙区で有権者671人を対象に実施した世論調査によると、自由国民党(ニューマン州首相)に投票すると答えた人は40.7%と前回調査(9月)比で0.4ポイント下落した。対する労働党(ケイト・ジョーンズ氏)は47.9%と前回から4.3ポイント減らしたものの攻勢を維持した。また、実際の選挙結果に近い2大政党別の支持率は、労働党(55%)が自由国民党(45%)を10ポイント上回った。

QLD州議会(定数89)の各党議席数
自由国民党 73
労働党 9
カッターのオーストラリア党 3
無所属 4

同選挙区選出の州議を務めた前職のジョーンズ氏は14年9月、早々と次期州選挙への出馬を表明、議席奪回を狙っている。一般的に選挙が近付くにつれて有権者の安定志向が強くなることから、今後は現職のニューマン氏が追い上げる可能性はあるが、少なくとも現時点では、現職の州首相が議席を失う可能性が全くないとは言い切れない。政権交代の可能性は低いものの、ニューマン陣営は厳しい戦いを迫られそうだ。


ブリスベンG20首脳会議閉幕

11月15、16日にブリスベンで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20)が閉幕。世界経済の成長促進とデフレ抑制、参加国全体の国内総生産(GDP)を2018年までに2%引き上げる「ブリスベン行動計画」などを盛り込んだ首脳宣言を採択した。

ホスト国・豪州のトニー・アボット首相は「雇用や経済成長で成果を上げた」と強調した。

首相はこの後、キャンベラに中国の習近平国家主席とインドのモディ首相を迎え、北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議から続いた一連の外交日程を終えた。


バイキー一斉捜索
子どもにドラッグ供与の疑いも

警察は11月27日までにブリスベンやゴールドコースト、NSW州ツイード・ヘッズなどの75の家屋や事務所で、犯罪グループ「バイキー」の一派「ザ・レベルズ」に対する一斉捜索を行った。違法薬物の密売など260件の容疑で81人を逮捕・起訴し、現金50万ドルと時価500万ドル以上のアンフェタミン(覚せい剤の一種)を押収した。疑われている事件の中には、2歳の子どもに覚せい剤を舐めさせた例もあったという。27日付の公共放送ABC(電子版)が伝えた。

米国にルーツを持つバイキーは、オートバイ愛好家グループを装っているが、実態は違法なドラッグや武器の密売などを資金源とするギャング集団だ。

豪犯罪員会によると、全国に40以上のグループがあり、構成員は約6,000人。イタリアや中東、ベトナムなどの民族系マフィアと並ぶ国内の有力な犯罪組織として知られていて、シドニー南西郊外ミルペラでは1984年に対立するグループ同士の抗争で一般人の死者も出ている。

QLD州政府は、バイクの没収、所属グループのロゴが入った服の着用制限、捜査権の拡大などを可能にした「反バイキー法」を施行。対決姿勢を強める一方、バイキー側は人権侵害だとして法廷闘争に持ち込んでいる。

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