2015年2月 ニュース/QLD


自由国民党のキャンベル・ニューマンQLD州首相(左)と、労働党のアナスタシア・パラチェック党首

QLD州選挙、1月31日投票

ニューマン州首相、前倒し実施

キャンベル・ニューマンQLD州首相は1月6日、次期州議会選挙の投票を1月31日に前倒しして実施すると発表した。保守の与党自由国民党を率いるニューマン州首相は、経済成長と財政再建による「強いQLD州」を掲げて2期目の続投を目指す。一方、中道左派・野党労働党の女性党首アナスタシア・パラスクザック氏は、ニューマン政権の不人気を追い風に1ケタ議席からの失地回復を狙う。

QLD州議会(1院制)は定数89で任期は3年。規定による実施時期は最も遅くて6月まで。ニューマン氏は「選挙の憶測が流布することによって経済が停滞するリスクを避ける。経済成長と雇用創出を前に進めるには、少しでも時間をムダにできない」と述べ、早期選挙の必要性を訴えた。

前回の2012年の州選挙では、11年の大規模な洪水の際にブリスベン市長として指導力を発揮したニューマン氏が当時野党の自由国民党を率いて地すべり的な勝利を収め、州財政を悪化させた労働党から政権を奪取した。この選挙で自由国民党は78議席という圧倒的な多数を確保した一方、労働党はわずか7議席とどん底に転落した。

しかし、与党側はこれまでに3議員が少数政党に移籍した上、2議員の引退に伴う補選ではいずれも強い逆風を受けて労働党候補に敗北したため、合計5議席減らした。このため、改選前の議席数は自由国民党73、労働党9、カッターのオーストラリア党3、無所属4となっている。

 

財政削減への評価、若者の雇用など争点

選挙戦の最大の争点は、前労働党政権下で悪化した州財政に大ナタを振るったニューマン政権への評価となりそうだ。州首相は就任以来、公務員の大量削減を断行したことから労組を中心に猛反発を受け、緊縮財政による予算カットは幅広い層から不評を買った。

与党はこれまでに主な公約として、州営事業の民営化策により330億ドルを捻出して債務の削減とインフラ整備に充てることを発表した。また、若者の雇用対策として見習いを雇用した事業主に補助金を拠出することなどを柱とした20万9,000人の雇用創出計画(今後6年間)、犯罪組織「バイキー」の取り締まりのさらなる強化なども公表している。

一方、労働党は、仕事を探している失業中の若者に対する直接的な就業支援や、技能習得プログラムの拡充などを訴えた。ニューマン政権下で削減された州営病院の看護師などの人員拡大に4年間で1億1,100万ドルを投じること、生徒の就職を支援するフルタイムの専門職を州立高校に新設すること、なども公約した。

 

選挙発表後に与党支持率は回復傾向

ニューマン政権の公務員カットなどを背景に与党支持率はこれまで強い逆風を受けてきたが、選挙の発表直後に実施された主な世論調査では回復基調に転じている。

ニューズポールが1月6〜7日に実施した調査によると、各政党別支持率(一次選好票ベース)は自由国民党が42%と前回調査(10月〜12月実施)比で5ポイント上昇した一方、労働党は37%と同1ポイント低下した。環境保護政党グリーンズ(緑の党)は7%、「カッターのオーストラリア党」(KAP)と「パーマー・ユナイテッド党」(PUP)はそれぞれ1%だった。2大政党別支持率は自由国民党が53%(3ポイント上昇)、労働党が47%(3ポイント低下)となった。ただ、党首別の支持率に近い「どちらがより良い州首相か」の設問では、回答者の42%(2ポイント低下)がニューマン氏、38%(3ポイント上昇)がパラチェック氏と答えた。

また、ギャラクシー・リサーチが1月7〜8日に実施した調査でも同じ傾向が出ている。各党別支持率は、自由国民党41%(前回11月の調査比で4ポイント上昇)、労働党38%(変わらず)、グリーンズ8%(1ポイント低下)、KAP3%(変わらず)、PUP3%(4ポイント低下)。2大政党別支持率は、自由国民党52%(2ポイント上昇)、労働党48%(2ポイント)。「より良い州首相」は、ニューマン氏が45%(2ポイント低下)、パラチェック氏は40%(3ポイント上昇)だった。

ニューマン氏は地元アッシュグローブ選挙区(ブリスベン)での苦戦が予想される。昨年12月に実施された世論調査では、元州議で労働党の有力候補であるケイト・ジョーンズ氏(前回選挙で敗北)の優勢が伝えられた。州選挙全体では圧倒的な議席差を誇る自由国民党が政権を維持する可能性が高いものの、ニューマン氏が敗北して州首相の座を失う可能性は依然として残されている。



アクィス・リゾートの完成予想図

ケアンズ新カジノ、環境評価は認可
着工なお見通せず

QLD州政府は2014年12月17日、ケアンズ北方に建設が計画されている国内最大級の総合リゾート「アクィス・リゾート」の環境影響評価に関する報告書を発表した。州政府は、世界遺産のグレート・バリア・リーフの環境に影響を与えないこと、地元市民を優先的に採用することなどの条件付きで、建設計画を認可した。

同リゾートは、ケアンズの北13キロのヨンキーズ・ノブにある3.43平方キロの海岸沿いの土地に、ケアンズで2つ目となるカジノ、合計7,500室のホテル8軒、見本市施設、会議場、商業施設、ゴルフ場などを備えた巨大施設を建設する計画で、SF映画のような未来的な建築デザインが特徴。香港の富豪トニー・ファン氏の親子が率いる企業が総額81億5,000万ドルを投じて開発し、2018年の1期工事完成を目指している。2万人以上の雇用を創出するとされ、地元経済界は認可を歓迎している。

ただ、現時点では着工の見通しは立っていない。12月18日付のメディア大手フェアファクス系各紙によると、ファン氏はケアンズの既存のリーフ・カジノを買収して香港市場に株式を上場することで、アクィスの開発資金を調達する予定だったという。しかし、14年末にQLD州が同氏の企業へのカジノ免許の交付を拒否したことから、リーフ買収計画が失敗。このため、新規上場による資金調達計画が暗礁に乗り上げたとの見方が出ている。次善の策として、同氏はキャンベラのカジノ買収を狙っていると報じられた。

14年初めの段階で同氏は16年の着工を表明していた。しかし、息子のジャスティン氏は14年末、フェアファクスの取材に対して「着工時期は明言できない」と述べたという。カジノ免許の取得に加え、連邦政府と地元自治体の許可、約4,000万ドルとされる土地の取得など今後の課題は多い。

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