2015年6月 ニュース/QLD


パレードの冒頭、日章旗を含む連合国側諸国の旗が目抜き通りを行進した(Photo:坪田隆宏)

アンザック・デーのパレードに日章旗

第1次大戦の日豪協力称え―ブリスベン

ブリスベン市内中心部(CBD)で4月25日に行われたアンザック・デー・パレードで、日章旗が初めて掲げられた。日本と豪州は第2次世界大戦の太平洋戦線で激しい戦火を交えたが、第1次大戦では連合国側の友軍としてともに戦った歴史がある。アンザック・デーは豪州がこれまで参加した戦役の従軍者に敬意を表し、戦没者を慰霊するための祝日。この日のパレードに交戦国の日章旗が掲げられたことは、第2次大戦終結から70年を経て日豪和解を象徴する出来事となった。

今年のアンザック・デーは、第1次大戦中の1915年、オーストラリア・ニュージーランド軍団(ANZAC=アンザック)が多数の戦死者を出したガリポリ上陸作戦からちょうど100年の節目。パレードは例年以上に趣向が凝らされ、多くの観衆が沿道を埋めた。

冒頭の式典でこれまでの従軍兵と戦没者に敬意が表された後、アンザック両国とともに第1次大戦を戦った連合国側諸国の24カ国の国旗を掲げた一団が目抜き通りを行進した。この中に、第1次大戦に連合国側から参戦し、豪州艦の護衛などに従事した日本の国旗も含まれた。主催者側の公式招待を受けた在ブリスベン日本国総領事館の柳沢陽子総領事と渡部隆彦首席領事が、貴賓席からパレードを見守った。

今回の日章旗掲揚をめぐっては、一部の退役軍人から激しい反発が出ていた。このため、主催者側は事前に「あくまでも、第1次大戦でともに戦ったすべての国々への敬意の表れであり、それ以上の意図はない」との異例の見解を発表していた。

ガリポリ上陸作戦

英・仏・豪・ニュージーランド軍を主力とする連合国軍が1915年4月25日、オスマン帝国のガリポリ半島(現在のトルコ)に攻め込んだ大規模の上陸作戦。しかし、オスマン帝国軍の激しい抵抗を受けて、連合国は半年以上にわたる戦闘で数多くの犠牲者を出して撤退、作戦は失敗した。豪戦争記念館によると、豪州は8,159人の兵を失った。当時、建国から間もない豪州にとって同作戦は初の本格的な海外遠征で、多大な犠牲は後の国家観の形成に影響を与えたとされる。後に4月25日はアンザック・デーの祝日となり、ガリポリの海岸やオーストラリア各地では毎年、大規模な式典が実施されている。なお、同作戦に先立つ1914年、当時友軍だった日本はインド洋に巡洋戦艦「伊吹」を派遣し、欧州戦線に向かう豪州船団を護衛した。


カッター党、州議会で存在感
労働党離党のゴードン議員と共闘

与党労働党がわずかな議席差で政権を維持しているQLD州議会で、キャスティング・ボートを握る「カッターのオーストラリア党」(KAP)が存在感を強めている。KAPは州議会が開会した5月5日、犯罪歴が明るみに出たため3月に労働党を離党した無所属のビリー・ゴードン議員(州北部クック選挙区選出)と政策協定(アライアンス)を結んだと発表した。

労働党は今年1月の州選挙で大幅に議席を増やし、自由国民党から政権を奪回した。ただ、定数89の州議会で労働党は44議席と過半数に届かず、無所属議員1人の支持を得てかろうじて少数政権を樹立した。ところが、州選挙で初当選したゴードン氏は、過去に家宅侵入や窃盗、無免許運転などの犯罪歴があることや、家庭内暴力に絡む執行命令を受けていたことなどが次々と明らかになった。このため、アナスタシア・パラシェイ州首相は3月、ゴードン氏の労働党籍を剥奪。同氏は無所属議員となっていた。

ゴードン氏の離党に伴い労働党は43議席に減少したが、政権を維持するためには引き続き同氏の支持に頼らざるをえない。KAPに所属する2議員の地盤は州北部。同じく州北部クック選挙区選出のゴードン氏を加えた「北部連合」を名乗り、地域の振興策拡大を訴える方針。法案通過のカギを握るゴードン氏と手を結んだことで、KAPは議会内での発言力をさらに拡大しそうだ。



クリニックに参加した子どもたちと落合弘氏(上段左端)らハートフルクラブ一行(Photo:植松久隆)

サッカー・クリニックに大歓声
浦和レッズ・ハートフルクラブ

「浦和レッズ・ハートフルクラブ」は5月4日、ブリスベン郊外のウィードン・スポーツ・コンプレックスで、日系社会の子弟を対象としたサッカー・クリニックを開催した。現地の日系サッカー・スクール「豪侍サッカー・アカデミー」の生徒ら約40人が参加した。

ハートフルクラブは、Jリーグ屈指の名門チームである浦和レッズが、ユニークな試みとして長年続けてきた独自のサッカー普及活動。クリニックは元日本代表の名選手、落合弘キャプテンの講話に始まり、ハートフルクラブの「心」を学んだ子どもたちは、ピッチに飛び出してからははつらつとした表情でサッカーを楽しんだ。多くの親がわが子のプレーを見守る中で、2時間にわたり歓声が途切れることのない盛り上がりを見せた。

ハートフルクラブの活動は、フランチャイズの埼玉県下にとどまらず、海外遠征時などの機会にアジア各国でも積極的に行われるなど世界に広がっている。ハートフルクラブ一行は、5日にゴールドコーストで行われたアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)の浦和レッズ対ブリスベン・ロア戦に合わせて来豪。このほか現地校などで3日間を通して合計5回のクリニックを行い、現地の子どもたち約350人にサッカーの楽しさを伝えた。



メルボルンで行われた全豪剣道選手権大会に参加したQLD州の選手たち

QLD州の女子選手活躍
全豪剣道選手権大会

オーストラリア剣道連盟が主催する全豪剣道選手権大会が4月4〜5日、メルボルン・スポーツ・アンド・アクアティック・センターで開かれた。同大会の開催は1975年の初回大会以来40回目。今回は、過去の大会で成績が振るわなかったQLD州の女子の躍進が目立った。ケアンズから参加した女子選手の2人は、「女子団体戦」の部と「州対抗日本剣道形」の部でそれぞれ3位に入った。

デール・ジャネット選手(4段=ケアンズ尚武館)は敢闘賞に選ばれた。アレックス・パウコビッツ選手(3段=ケアンズ尚武館)は5月29〜30日に日本武道館で行われる世界剣道選手権大会にオーストラリア女子代表選手として参加することが決まった。QLD州から女子選手が選ばれたのは今回が初めて。このほか、ベテラン個人戦では、田村範由紀選手(5段=ゴールドコースト秀武会)が15分におよぶ延長試合の末、準優勝となった。

次回はゴールドコーストのタラバジェラ・レジャー・センターで2016年4月に開催される。剣道関係者によると、地元開催となるQLD州の各クラブは、できるだけ多くの受賞者を出すことを目指して早くも強化練習を開始しているという。

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