WSW、アウェーで痛恨の連敗、遠のく首位(Aリーグ第15節)

小野伸二のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)は、19日アウェーでアデレード・ユナイテッドと対戦、0-1で敗れた。

17日に今季限りでの退団を正式に記者会見で発表した小野は、この試合に先発。試合を通じて積極的にゴールを狙う姿勢を見せ、酷暑のアデレードでの試合にフル出場を果たした。

WSWのポポヴィッチ監督は、右サイドバックに今季2試合目となる16歳のアレッシ、ボランチにも同じく16歳のフォファーナを起用するなど、この試合も先発を大きく変更して試合に臨んだ。ローテション起用の続くセンターバックもこの日はキャプテンのビューチャンプとユーティリティのベテランのへフナンのコンビが起用された。

試合は、開始直後の3分、WSWゴール前の混戦からMFカルスカがゴールを決め、アデレードが早々に先制。メンバー変更の影響もあってコンビネーション全体が良くないWSWは、なかなか相手ゴールに迫れないが、34分に小野がオーバーヘッドキックでゴールを狙うなど、散発的に反撃を試みる。ややアデレード有利で展開した前半は、そのまま0-1で折り返した。

後半に入っても、積極的に寄せてボールを奪い、細かくつなぐアデレードのサッカーに手を焼いたWSW、73分には途中出場のサンタラブが惜しいシュートを放つなど、反撃を試みるが届かず、試合はそのまま終了。

試合開始早々の痛い失点に泣いたWSWは、これでアウェーで2連敗。首位のロアとは、WSWが試合消化数で1試合多い状態で勝ち点差が5と開き、さらには、3位のセントラルコーストにも勝ち点2と迫られている。

WSWは、次節(26日)、ホームでパース・グローリーと対戦する。

【うえまつの視点】
(文=日豪プレス特約記者・植松久隆)

この日のWSWは、ポレンツ、ポリャック、ラロッカとレギュラークラスの故障があってのこととはいえ、16歳の選手を2人含むなど実験的な顔ぶれとなった。センター・バックのコンビが、ビューチャンプというへフナンという組合せだったこともあって、試合前からコンビネーション面の不安が危惧され、実際、試合中にもいくつかの危ないシーンが見られた。

へフナンは、サイズが大きくセンターバックが本職に見えるが、サイドバックが本職の選手。慣れないポジションでの、しかもこちらもコンスタントに試合に出られていないビューチャンプとのコンビは、正直、安定を欠いた。さらには、この試合でデビューした16歳のフォファーナもその才能の片鱗は見せたものの、監督の抜擢に応えるような活躍を見せることはできなかった。2試合目のアレッシも、インパクトを残したとは言いがたい。残念ながら、この試合でのポポヴィッチ監督の思い切った選手起用は実らなかった。

今回は結果につながらなかったもののポポヴィッチ監督は、まもなく始まるACLと併行して進む日程もあって、今後も頻繁に布陣をいじってくることだろう。すべての選手にチャンスを与える調子優先の起用も理解できるが、あまりに多いメンバーチェンジがもたらす負の要素も考慮に入れなければならない。やはり、効果的な攻撃を生み出すためには、コンビネーションの成熟は欠かせない大事な要素であることを、ポポヴィッチ監督が知らないわけはない。

「策士、策に溺れる」―ふと、そんな警句が頭をよぎった。

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