アジアカップ2015連動企画・連載開始

アジア・カップ2015連動企画

狙え・アジア王者

第1回 オーストラリア
オーストラリア(3大会連続3回目・最新FIFAランキング76位)
愛称:サッカルーズ 戦力:A 実績:C 目標:優勝

大いに盛り上がったブラジルW杯が終わって、はや、ひと月が過ぎようとしている。既に、アジアのサッカー界はオーストラリアで開催される来年1月のAFCアジア・カップ2015に向けて動き出している。本紙では、史上最多の5回目の優勝を狙う日本、初参戦となった前大会(11年大会)で日本の前に決勝で涙を呑んだオーストラリアなど、大会の有力国を6カ月連続で紹介していく。

ブラジルのW杯は、アジア勢にとっては非常に苦い経験となった。0勝3分9敗、実に勝率.000、屈辱的とも言える結果で大会中から、次回からの「アジア減枠」が囁かれた。

アジア・サッカーの総本山であるアジア・サッカー連盟(AFC)にしてみれば、世界にアジアのトップ・レベルの実力がそんなものではないということを証明していかなければならない。その意味では、アジアのトップがオーストラリアに集う来年1月開催のAFCアジア・カップ2015の重要性がより高まったと言える。

また、2022年のW杯誘致に失敗したオーストラリアとしてみれば、それに次ぐ規模となるサッカーの国際大会をホストすることで、国内のサッカー人気を定着させて、「競技人口」と「観戦人口」のアンバランスを少しでも解消したいという思惑もあるだろう。

今回、アジア・カップに出場するのは、開催国のオーストラリア、前回優勝国の日本を含む計16カ国。これらの国々が、4チームずつ4組のグループ・リーグを戦い、8チームが決勝トーナメントに勝ち上がり、アジア王者の座を争う。

さて、連載の第1回目に取り上げるのは、ホスト国のオーストラリア。06年にAFCに転籍したオーストラリアは、07年、11年に続いて3回目のアジア・カップ出場。前回の11年大会では、決勝まで進出しての日豪戦で李忠成の芸術的ボレー・シュートに屈しての準優勝。自国開催となる今大会での、初のアジア王者タイトル奪取を目論んでいる。

先月のW杯で、3戦全敗ながら、並み居る強豪相手に奮戦したサッカルーズ(筆者注:サッカー代表チームの愛称)への自国民の評価は決して低くなかった。思い切った世代交代を進めて、果敢に世界の舞台に打って出たアンジ・ポスタコグルー監督の手腕への評価も揺るがない。その新生サッカルーズがW杯をケガや体調不良で逃した有望選手を加えることで、さらにパワーアップして臨むアジア・カップへの期待は大きい。


攻撃陣を牽引するケーヒルとレッキー

実際、W杯終了直後にも、チームの押しも押されぬ絶対的エースのティム・ケーヒル(NYレッドブルズ)とポスタコグルー監督の2人がともに「アジア・カップ」に具体的に言及して、次の絶対目標として挙げている。オーストラリアは、全力を挙げて、アジア・カップを日本から奪うつもりで大会に臨んでくることは間違いない。

サッカルーズの現有戦力に目を向けよう。当然、ベースはW杯を戦ったチームということになる。そこに、次代の司令塔候補であるトム・ロギッチ(セルティック)、ブンデス・リーガで活躍を見せたロビー・クルーズ(レバークーゼン)、イングランドで活躍するリース・ウィリアムス(ミドルスブラ)、カーティス・グッド(ニューカッスル)、さらにはジョシュ・ブリランテ(フィオレンティーナ)といったケガや選考外になったことでW杯を逃した戦力が上乗せされてくる。


アジア王者を狙うアンジ・ポスタコグルー監督

チームの攻撃中心は、ブラジルW杯でもオランダ戦の長く語り継がれることになるであろうファイン・ゴールを含む2ゴールを挙げたケーヒル。34歳になっても、替えのきかない絶対的な存在としてチームに君臨するケーヒルを支える攻撃陣には、W杯で成長した姿をアピールすることができたマシュー・レッキー(インゴルシュタット)や、安定感のあるボランチでキャプテンのミレ・イェディナク(クリスタルパレス)、同じ34歳のベテランMFマーク・ブレシアーノ(アル・ガラファ)など注目の選手が名を連ねる。

守備陣では、ロシア移籍が噂され、W杯で涙の負傷での途中離脱となった右SBのイヴァン・フラニッチ(ブリスベン・ロア)、小野伸二が所属したWSWの守備の要、マシュー・スピラノビッチらが堅固な守備を築く。

ポスタコグルー監督率いるサッカルーズが、真の“アジアの雄”として認められるには、何としても自国開催のアジア・カップを制し、トロフィーを頭上に高く掲げる必要がある。その大目標を実現した時、オセアニアからの転籍以来、アジアのサッカー界の“異邦人”と思われがちなオーストラリアが真の意味でアジアのサッカー・コミュニティーのメンバーとして認められることになるのかもしれない。

文・植松久隆(本紙特約記者/ライター) Text by Taka Uematsu

日豪プレスOBでもあるフリーランス・ライター。本紙特約記者として、スポーツに留まらずさまざまな分野の記事を本紙に寄稿してきた。本紙連載で好評のコラム「日豪サッカー新時代」は5年目に突入、連載100回を目指す。豪州サッカーを日本に発信する自称“豪州番記者”として、さまざまなメディアで豪州サッカーについて発信中。

 

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