アジア・カップ2015連動企画「ウズベキスタン/湾岸諸国」

アジア・カップ2015連動企画

狙え・アジア王者

第4回 ウズベキスタン/湾岸諸国
ウズベキスタン(6大会連続6回目・最新FIFAランキング58位
愛称:White Wolves 戦力:B 実績:C 目標:ベスト4以上 筆者予想:ベスト8

来年1月、オーストラリアの5都市を会場にして開催されるAFCアジアカップ2015の開幕まで80日を切った。開幕直前まで6カ月連続で大会の有望国を紹介していく本企画の4回目は、東西アジアの狭間で存在感を発揮する中央アジアの雄ウズベキスタンと、全出場国16カ国中の過半数を占める9カ国が出場するアジアの最大勢力“湾岸諸国”をダイジェストで併せて紹介する。

「東西分割」の可能性が取り沙汰されるほど広大なエリアを統轄するアジア・サッカー連盟(AFC)。そのアジア・サッカー界を牽引する2大勢力は、日本を主とした東アジア、中東諸国によって構成される西アジアであることは疑いようがない。しかし、その東西アジアの狭間で独自の存在感を発揮する中央アジア諸国も、重要なアジアの一部であることを忘れてはならない。

旧ソ連の崩壊を受けて、1994年にAFCに加入して以来、ウズベキスタンは中央アジア諸国の雄として、アジア・サッカー界で独特な存在感を発揮し続けている。

ウズベキスタンがアジアのサッカー界で広く認識されるようになったのは、2003年に始まったAFCチャンピオンズ・リーグ(ACL)でのウズベク・リーグの2強の活躍による。ともに、首都タシケントに本拠地を置くFCパフタコール、FCブニョドコルは、02年以来、ウズベク・リーグのタイトルを分け合ってきたライバルで、いずれもACLで準決勝まで勝ち上がった実績がある。


白き狼の愛称を持つ中央アジアの雄は、アジアに覇権を唱えることができるのか ©AFC Asian Cup 2015

“白き狼”の愛称を持つ代表チームを指揮するのは、1990年代から2000年代にかけて、アジアにその名を轟かせたウズベキスタンの英雄、ミルジャラル・カシモフ。監督としては、前述のブニョドコルを率いてACL準決勝進出などの実績を持ち、現在は代表とブニョドコルの監督を兼任するなど国内有数のコーチとして評価は高い。

チームの精神的支柱は、キャプテンのMFセルヴェル・ジェパロフ(城南FC)。2008年、2011年と2回、アジア最優秀選手の栄冠に輝いた33歳の司令塔は、高い技術でチームの攻撃の全権を掌握する。ロシアでプレーするオディル・アフメドフ(クラスノダール)や代表最多出場記録を持つベテランのティムル・カパーゼ(アクトベ)など中盤に逸材が揃うチームは、豪州が勝てなかったUAEをアウェーで4-0で退けるなど、状態は上がっている。

ウズベキスタンは、前回の2011年大会で4位に入る躍進を遂げた。今大会では、それを上回る成績を狙うが、サウジアラビア、中国、北朝鮮とともに入ったグループBは実力が拮抗、かなりの接戦が予想される。それだけに、無用な取りこぼしをせず、まずはグループ・リーグ突破を確実にしたい。その後の強敵相手の準々決勝の結果次第では、前回同様かそれ以上の成績も決して夢ではない。

今大会には、実に9カ国の湾岸諸国が出場する。16カ国の全出場国の過半数を占める湾岸諸国は、豪州の地でその存在をアピールできるのか。

湾岸諸国のアジアカップ実績最上位は、優勝3回、準優勝3回を誇るサウジアラビア。しかし、2000年代後半からの凋落傾向が止まらず、かつての西アジア随一のサッカー強国の雄姿にはほど遠い。今大会でも、ウズベキスタン、北朝鮮、中国と同組で、グループ突破も決して楽ではない。

そのサウジアラビアを決勝で破り、2007年大会でアジア王者に輝いたのがイラク。長引く戦乱で疲弊した国家の快挙は、世界中で驚きをもって伝えられた。不安定な政情で国内で国際試合を開催できないハンデをもろともせず、10月以降、最低でも8試合のアジアカップ出場国との試合を消化して大会に臨むなど準備は万端。再び、世界を驚かせられるか。

グループDには、イラクと日本以外に2つの湾岸諸国が控えている。ヨルダンは、FIFAランキングではイラクより上位で今年の西アジアサッカー選手権でも準優勝した実力国。何よりも、日本にとっては、昨年のアウェーでのW杯最終予選で敗れた際の曲者イメージが強く残る。AFCチャレンジ・カップ優勝国枠で参戦のパレスチナは、チャレンジャー精神で強豪相手の勝ち点獲得が現実的な目標だ。

グループAで、豪州、韓国という2強の間隙をぬって、グループ・リーグ突破を虎視眈々と狙うのが、クウェートオマーン。いずれかが2強の一角を蹴落として、決勝トーナメント進出する可能性は十分にある。

広義の中東諸国だけの争いとなったグループC。イランが実力的に抜けているが、他の3カ国、バーレーンUAEカタールのいずれにもベスト8進出の可能性は残る。イラン相手に負けなかったチームが、グループリーグ突破の可能性をぐいと手元に引き寄せることになる。

湾岸諸国
最大で7カ国がベスト8進出の可能性があるが、現実的には2ないし3カ国に終わるか。日本と同組の2カ国のいずれも“曲者”だけに侮れない。

文・植松久隆(本紙特約記者/ライター) Text by Taka Uematsu

日豪プレスOBでもあるフリーランス・ライター。本紙特約記者として、スポーツに留まらずさまざまな分野の記事を本紙に寄稿してきた。本紙連載で好評のコラム「日豪サッカー新時代」は5年目に突入、連載100回を目指す。豪州サッカーを日本に発信する自称“豪州番記者”として、さまざまなメディアで豪州サッカーについて発信中。

 

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る