第67回 QLD 希望

日豪サッカー新時代

第67回 希望
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

契約直後のカレッティ丈(中)。クレイグ・ムーア(左)、ジョン・アロイジというサッカルーズのレジェンド2人と共に(写真提供:ブリスベン・ロアFC)
契約直後のカレッティ丈(中)。クレイグ・ムーア(左)、ジョン・アロイジというサッカルーズのレジェンド2人と共に(写真提供:ブリスベン・ロアFC)

加藤カレッティ丈−−豪州U−17代表ジョーイズのキャプテンを務めた日系社会の希望の星は弱冠17歳。先日、Aリーグ屈指の強豪ブリスベン・ロアとプロ契約を結んだばかりだ。彼の年齢で、いきなりトップ・チームとのシニア契約というのは珍しく、そこにはクラブの彼に対する強い思い入れが表れている。

ロアの選手獲得・育成を統括するフットボール・マネージャーのクレイグ・ムーア(元サッカルーズDF)は、かなり早い段階からカレッティをマークしていたと聞く。彼のポジションには今季の加入直後からチームの核として欠かせない存在となったスペイン人MFコロナがいる。ラ・リーガでの経験も豊富なコロナを身近な良い手本としつつ、将来的にはカレッティにその後継者に育ってほしいという狙いが当然ながらクラブにはある。

そんなカレッティが、ロアに所属することで得られるものは多い。彼は、今後、次の世代別代表であるU−20代表ヤング・サッカルーズ、そして、U−23代表オリルーズでも中心選手として活躍することを期待されている。ロアに入団したことで、自身が思い描くキャリア・パスをまさに現在進行形で歩んでいる先輩選手と日常的に交われるメリットは大きい。ロアには、DFジェームス・ドナキー、FWジェレミー・マクラーレンという世代別代表でのステップ・アップを経験してきた2人の若手選手がいる。カレッティが彼らから得るものは、実践的な経験に基づいた生きたアドバイスだ。

マクラーレンは、16歳から20歳までの期間はイングランドの強豪ブラックバーン・ローバーズに所属していた。その間、母国の大先輩で、サッカルーズで活躍したヴィンス・グレラ、ブレット・エマートンの2人に、同じクラブで薫陶を受ける機会に恵まれた。その時の経験が糧になって、サッカルーズの招集間近と噂される若きストライカーの今がある。

それと似た環境がロアのカレッティにもある。彼は、前述のムーア、ジョン・アロイジ監督、キャプテンのマット・マッカイやジェード・ノーズといった新旧のサッカルーズの名選手を身近な“メンター”とし得る。そんな素晴らしい環境で揉まれ、順調に育っていける。それは、望んでもなかなか簡単に得られるものではない。

ブリスベン・ロアと日系社会、いや、この国の希望の星たるカレッティ丈が、どう揉まれ育っていくのか、しっかり見守っていきたい。


【うえまつの独り言】
ACLの季節が始まった。我らがロアは1年お休み。来年はぜひ、再びアジアに飛び出してみたいものだ。今年は、ビクトリーとシドニーFCにWSWが優勝した時のような頑張りで、豪州サッカーの意地と実力を見せてもらいたいものだ。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る