日豪サッカー新時代(QLD)第71回「目移り」

日豪サッカー新時代

第71回 目移り
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

ローカル・リーグの選手と共に写真に写る現役時代のシェーン・ステファヌット(左から3番目)(Photo: 筆者撮影)
ローカル・リーグの選手と共に写真に写る現役時代のシェーン・ステファヌット(左から3番目)(Photo: 筆者撮影)

Aリーグ終了と共にローカル・サッカーに足を運ぶ頻度が上がるのは毎年の常。先月、ブリスベン・プレミア・リーグ(BPL)のカパラバ所属の平山裕二(25)について書いた。そのカパラバに、もう1人興味深い選手がいるので、先日、改めてそのホーム・ゲームに足を運んだ。その選手はアハマド・アザウィ(21)。リーグ中堅クラブでMFながら得点王を争い、観戦した試合でも2得点の活躍を見せた。そんな彼については、またの機会に掘り下げる。

その試合でカパラバを打ち合いの末、4-6で敗ったのが、ホランドパーク・ホークス。そのチームで、後半だけでハットトリック、試合のMVPにも選ばれたの石本学(29)。前半は、チャンスを作ることに専念した感じの石本だったが、後半に入ってから、ゴール前右45度から豪快に叩き込むミドル・シュートなど大爆発。この石本は、来豪前には東北1部の強豪FCガンジュ岩手でレギュラーを張っていただけに、その実力は折り紙付き。大学卒業後3年間にFリーグ・エスポラーダ北海道に所属した経験もある変わり種は、今までの日本人選手には無いタイプの選手だけに今後もしっかりと追っていきたい。

今季のローカル・サッカーで面白いのは、ブリスベン・ロアを退団した実績のある選手が相次いでローカルに活躍の場を移したこと。ロアの黄金期を支えた元豪州代表DFシェーン・ステファヌット(36)のNPL(QLD州1部・豪州2部相当)のオリンピックとの契約には驚かされた。いったん現役引退を発表していた彼が、NPLでここ数年低迷気味の名門復活に力を貸すために“現役復帰”とは面白い。元ロアのチームメイトのマット・マンディ(29)や、けがから復帰した伊藤和也(29)などの有力選手と共に若いチームを前半の絶不調から立て直すのに大ベテランがひと肌脱ぐことになった。

もう1人は、ジャン・カルロス・ソロサーノ(28)。貴重な控えとしてロアに貢献してきたFWも遂に戦力外でチームを去った。オージーのガールフレンドとのこの国での生活に愛着を持つ彼は、ブリスベンに残ることを選び、異例ともいえるBPL(3部相当)のロッチデールと契約。既に試合にも出場している彼が、今後の残りシーズンでBPLの古豪でどこまで暴れられるか、こちらも目が離せない。

今季のQLDローカル・サッカー、見どころが多すぎて目移りする――それはそれで、うれしい悩みだ。


【うえまつの独り言】
豪州のイングランド戦遠征はユーロ本選を控えたイングランドの地力の前に勝ちきれず0-1。ギリシャとのホーム2連戦は1勝1敗と痛み分けも、欧州の強豪と差の無い試合でアジア最終予選への準備は順調だ。

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