日豪サッカー新時代(NAT)第73回「存在感」

日豪サッカー新時代

第73回 存在感
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

多くの日本人選手の兄貴分として慕われる村山拓也(左から3人目)。チームメイトの梶山知裕(右)、対戦相手ブラックタウン・スパルタンズの佐々木周(中)、中村風太(左)と共に。佐々木は村山の高校の後輩にあたる(写真提供:Anna Ishiguro)
多くの日本人選手の兄貴分として慕われる村山拓也(左から3人目)。チームメイトの梶山知裕(右)、対戦相手ブラックタウン・スパルタンズの佐々木周(中)、中村風太(左)と共に。佐々木は村山の高校の後輩にあたる(写真提供:Anna Ishiguro)

先月、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)の新たな日本人・楠神順平の豪州挑戦について書いた。

言うまでも無く、楠神の他にも多くの日本人選手がこの国の下部リーグで活躍している。日本の天皇杯に当たるオープン・トーナメントのFFA杯。3年目を迎えた大会は、現在、ベスト16が出そろい、WSWの楠神を筆頭に6チームに6人の日本人選手が勝ち残っている。8月末に行われるラウンド16を勝ち上がって出そろう8強には、いったい何人の日本人選手が残るだろうか。楽しみだ。

FFA杯と同時に各州下部リーグのレギュラー・シーズンでファイナル圏内(筆者注:NPLNSWの場合は上位5チーム)に残ったチームのシーズンも、もうしばらく続く。上位チームは、真の王者を決めるファイナル・シリーズに進出、ノックアウト式のトーナメントを戦う。そこを勝ち抜いたチームこそが、ファイナルを制しファイナル王者として「チャンピオン」の称号を得るのだ。

既に、シドニー・ユナイテッドの優勝で今季のレギュラー・シーズンを終えたNPLNSW。ファイナル圏内に入った上位5チームには、シドニー・ユナイテッドの望月理人、ブラックタウン・シティーの佐々木陸、ボニーリグの小門勇太と3人の日本人選手が所属。そのうち、ボニーリグとブラックタウン・シティーは既にファイナルの初戦に勝利、セミファイナルに歩を進めた。そのセミファイナル(8月27日・28日)では、シドニー・ユナイテッドとブラックタウン・シティーの顔合わせで日本人対決が実現。ボニーリグもセミファイナルでマンリー・ユナイテッドに勝てば、決勝進出となるが、その場合にも、グランドファイナルでの日本人対決が見られる。

一方、ファイナル圏内に残れず、今期を既に終えたチーム所属の日本人の中で特筆すべきは、NPLNSWで7位とファイナルに及ばなかったサザーランドの“鉄人”村山拓也。当コラムにも何度か登場を願った今季NPL6季目のシーズンを戦った村山は、今季から移籍した新天地サザーランドを初年度からファイナル出場へと導くことはできなかった。既にオフに入り、膝の半月板の手術を受けるなど、7季目となる来季に向けてのストイックな挑戦は始まっている。

ファイナル、FFA杯とまだまだ続くローカル・サッカー。それらの大事な試合でも、引き続き、日本人選手の存在感は強くなるはず。そうこうするうちに、Aリーグが始まる――。今度は楠神が暴れる番だ。


【うえまつの独り言】
マチルダズ、惜しかった。何とか滑り込んだ決勝トーナメント初戦で、開催国ブラジルと互角以上に渡りあい延長戦を戦い抜いてスコアレス・ドロー。運命のPK戦は、7人目までもつれるも最後はブラジルに勝利の女神がほほ笑んだ。よくやった、胸を張って帰ってきてほしい。

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