日豪サッカー新時代(QLD)第89回「人事」

第89回 人事
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

次にサッカルーズを率いるのは、国内有数の名将・グラアム・アーノルドになるのだろうか(筆者撮影)
次にサッカルーズを率いるのは、国内有数の名将・グラアム・アーノルドになるのだろうか(筆者撮影)

このコラムは新年号に掲載も、執筆自体は年末進行で師走に入ってすぐのため、到底、新年を寿(ことほ)ぐようなタイミングではない。従って、当稿も年始のあいさつでは始まらない。師走の慌ただしさの中に入ってきた「日豪サッカー新時代」というタイトルの当コラムがスルーできない「人事」に関連するトピックを取り上げつつ、新年のコラムの幕開けとしたい。

最初の人事は、11月にW杯出場を決めた後に辞任して世間を驚かせたアンジ・ポスタコグルー前豪州代表監督の“再就職先”。12月1日、シドニーの有力紙が「ポスタコグルー、横浜FMの次期監督候補の最有力」と報じて、時を置かずに日豪両国のフットボール・メディアが後を追った。もし実現すれば、日豪フットボール関係にとって非常に意義深い。

オージーのJクラブの監督と言えば、ポスタコグルーの友人でライバルでもあり、後任の代表監督の国内最有力候補として名が挙がるグラアム・アーノルドが、14年にごく短期間、ベガルタ仙台を指揮した。この時は成績不振で事実上の「解任」の憂き目に遭っただけに、豪州サイドとしては「次こそは」の思いが強い。横浜FMには、ポスタコグルー自らが代表に引き立てた愛弟子のミロシュ・デゲナクが所属、更にはシティー・グループ関連クラブで今後のコーチング・キャリアにプラスも多いとなると断る理由は見当たらない。しかし、この手の話は正式発表まで何が起こるか分からないので、期待半分で待つとしよう。

ポスタコグルーが辞したサッカルーズ次期監督選考も先が見えない。新聞人事では、ゴラン・エリクソン、ユルゲン・クリンスマンなどの大物の名前が取り沙汰されるが、いずれも噂の域は出ない。豪州フットボール連盟(FFA)は12月5日、今後の選考のアウトラインを発表。元代表選手らでなるワーキング・グループを編成し、さまざまな角度から人選を進めていくというが、その監督選考の期限は「2月中旬」。新任監督が3月に予定される年明け最初の国際Aマッチの準備に注力するには、最低限、そこまでには決めるべきとのデッドラインらしい。加えて、国内外を問わず長期的ビジョンに立って任せられる人材を求めるともしている。

これで、W杯本大会だけを任せる「ワンポイント」起用の目はなくなったか、はたまた本命アーノルドは揺るがずW杯はショート・リリーフで臨むのか。年の瀬で何かと慌ただしくなるが、この人事の成り行きはしっかり注視したい。


【うえまつのひとり言】
QLD州のローカル・フットボールの大改革のシーズンとなる来季の準備が急ピッチで進む。新しく始まる正式な州2部のQPLがどう運営されるかなど興味は尽きない。新しい日本人選手や、おなじみの古株選手の残留などの知らせも続々と入ってきている。どこかのタイミングでまた詳報せねばなるまい。

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