日豪サッカー新時代(QLD)第90回「注目」

第90回 注目
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

Aリーグの各クラブに警戒された小気味の良い楠神のドリブル。残念ながら豪州では見納めとなった(Photo: Nino Lo Guidice)
Aリーグの各クラブに警戒された小気味の良い楠神のドリブル。残念ながら豪州では見納めとなった(Photo: Nino Lo Guidice)

年の瀬に一気に動いたアンジ・ポスタコグルーの横浜F・マリノス監督就任。クラブの正式発表を受けて、1月15日に予定される新体制発表会でアンジは何を語るのか。その第一声を含めて、彼の「日本挑戦」を可能な限り追っていくことも今年の当コラムの重要なタスクの1つとなるに違いない。

アンジに象徴されるように日豪両国間の人材の行き来は、年を追うごとに加速している。豪州から日本で言うと、豪州側の移籍ウィンドーが開き、日本が新しいシーズンに備えるこの時期はいつも何かしらの動きがある。3年前の今頃、丁度、小野伸二の日本復帰もこの時期だった。そして、今回もその例には漏れなかった。Aリーグ唯一の日本人選手として活躍していたウェスタン・シドニーの楠神順平がクラブと合意の下で契約解除。正式発表はまだだが、J1清水の加入が確実とされる。その清水には、オージーのミッチェル・デュークが実に4季目を迎えるべく契約を更新しており、来季の楠神との「オージー・コネクション」は期待大。

甲府のオリバー・ボザニッチは昨年11月に韓国に新天地を求め、9月に加入したばかりのビリー・コンスタンティニダスも退団が決まった。昨季中に出番を求めFC東京から広島に移籍するもプレー機会を得られずにいたネイサン・バーンズは、古巣のAリーグ・ウェリントンへの復帰が決まった。来季はJ1復帰となる湘南のタンド・ベラフィはアジア枠の控えGKという立場で残留が濃厚と思われる。横浜F・マリノスのミロシュ・デゲネクは、自らを豪州代表デビューへと導いた恩人の監督就任で2季目へのモチベーションも高く、W杯イヤーに更なる活躍が見込める。

更には、念願のJ1昇格を果たした長崎がドイツ2部でプレーする元オーストラリア代表のベン・ハローランの入団を発表。これに加え、J1復帰の名古屋がサッカルーズの控えGKミッチェル・ランゲラクを完全移籍で獲得。報道によれば1.4億円の移籍金、年俸8,000万円というかなりの好条件とのこと。これらの移籍によって来年は2増3減で5人のオージー選手の活躍がJ1で見られることになる。2月の開幕までにまだ多少の動きがあり得るが、豪州一の名将アンジ・ポスタコグルーの日本参戦となる今季のJリーグは、例年以上に注目が集まることは必至。本コラムでもしっかりと追っていきたい。


【うえまつのひとり言】
このコラムも今回で90回。年齢で言えば卒寿。あと10 回で記念すべき連載100回の大台を迎えるわけだが、日豪間のサッカー事情を地道にお知らせしていくという基本姿勢は不変。今年もこのコラム執筆の取材で、さまざまな新たな出会いがあるのを楽しみにしたい。

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