日豪サッカー新時代(NAT)第90回「混迷」

第90回 混迷
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

日本から送られてきた少し気が早い6月のW杯選手名鑑。参加32か国中唯一「監督不在」の記載があるオーストラリア代表のページ(筆者撮影)
日本から送られてきた少し気が早い6月のW杯選手名鑑。参加32か国中唯一「監督不在」の記載があるオーストラリア代表のページ(筆者撮影)

1月16日に豪州サッカー連盟(FFA)のプレス・リリースが、「代表監督の最終候補者リストを決定」と伝えた。いずれも元代表のマーク・シュウォーツァー(45)、マーク・ブレシアーノ(37)、スタン・ラザリディス(45)を含むFFA内外のエキスパートによる選考委員会は「かなりの大人数」(ギャロップCEO)の次期監督候補者リストを絞り、国内外の最終候補者との面談を開始するという。そのリリースは、「選考は順調。当初の発表通り2月中旬までには決定できる」と言い切って終わる。

国内の最有力候補者で、現シドニーFC監督のグラアム・アーノルドが「18日の夜、初めてFFAからコンタクトがあった。5、6人の最終候補者に選ばれてとても光栄だ」とメディアに漏らした。更には、フットボール界有数のベテラン記者レイ・ガットが「ロベルト・マンチーニこそFFAのターゲット。ただ、それはW杯だけの契約になるだろうが」とツイート。既にギャロップCEOが、最終候補者との面談のために欧州入りするのが明らかになっていたこともあって、一気に「マンチーニ→W杯後、アーノルド」というFFAの方針が浮かび上がった。ただし、誇り高きマンチーニがショート・リリーフを良しとするのか。アーノルドは、シドニーFCが破格の再契約オファーで引き留めに動いているが、本人は「少なくとも今季の終わりまで」とのコメントに留めた。これも裏を返せば、5月のグランド・ファイナルは乗り切るぞとの意識の現れ。更には、ファイナル以降はフリーでいたいという意思の表明。それすなわち、監督自身が就任に色気があるということなのかもしれない。

マンチーニがショート・リリーフを潔しとしなかった場合は、「W杯だけでも可」という人物を国内外問わず取り沙汰される多くの候補者から選ぶのだろうか。本来であれば万難を排してでも、ロシア大会後のカタールW杯への道のりまで一貫して任せられる人物を選ぶべき。そして、その最右翼がアーノルドだ。

FFAは、この先、どのタイミングを捉えてシドニーFCとの交渉に臨むのだろうか。そもそも、本人への最初の打診が1月18日というのも驚きだが……。

泣いても笑ってもロシア大会まであと5カ月。今年のサッカルーズ初戦となるノルウェー戦(オスロ)は、3月23日に既に組まれている。その試合の指揮を執るのは果たして誰になるのだろうか。


【うえまつのひとり言】
アンジ・ポスタコグルー体制の横浜F・マリノスが、15日の新体制発表会をもっていよいよ始動した。アンジの専属通訳には、当コラムに度々ご登場頂いた今矢直城氏が就任した。次の帰国の際は、アンジだけではなく今矢氏にも直撃取材でいろいろと裏話など聞けたらと思う。

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