日豪サッカー新時代(QLD)第92回「サムライ・パラダイス」

第92回 サムライ・パラダイス
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

サーファーズ・パラダイスの日本人選手一番の注目株、MFの金裕志(写真提供:Go Zamurai)
サーファーズ・パラダイスの日本人選手一番の注目株、MFの金裕志(写真提供:Go Zamurai)

先月、NPLQLD(州1部)について書いた当稿。今月は、広大なQLD州の最南端近いゴールドコーストまで南下して、ゴールドコースト・プレミアリーグ(GCPL)を取り上げる。

今季から、NPLQLDの下にQPL(州2部)ができたことで、ブリスベン地区の有力クラブが大挙参入。ブリスベン・プレミアリーグ(BPL)は事実上、QPLの下部に位置付けられた。しかし、ゴールドコーストは勝手が違う。管轄協会(フットボールGC)が違うこともあって、GCPLの強豪はQPLには目をくれず、NPLにもさほど色気を見せない。GCPLは、州2部であるQPLの風下に立つことなく独自の道を進む。そんな彼らを「独立的な州2部相当」とするのが一番しっくりくる。

小難しいことを長々と書いたが、要はGCPLに注目ということ。QPLは開設初年度の今季から外国人枠を設けたことで外国籍選手の行き先が非常に限られた。BPLには外国人枠はないものの、QPLに有力選手を引き抜かれたことでレベル低下が顕著となった。その間隙(かんげき)をぬって、GCPLはリーグ全体の質でもQPLに迫ろうかという勢いを見せる。

そんなGCPLきっての強豪であるサーファーズ・パラダイス・アポロ。元来、ギリシャ系のクラブで“サーファーズ”の愛称で親しまれてきたが、今季のチームは、従来のシーズンとは様相が異なる。ギリシャ系だけにとどまらず、東欧、南欧系の移民にローカルのアングロサクソン系がうまくミックスされたクラブに、今季は多くの日本人選手が加入したことで、クラブの多国籍化は更に進んだ。

昨年11月号の当稿(第87回「四銃士」)に登場の三上隣一(36)、平山裕二(26)、川上亮佑(24)の「三銃士」もゴールドコースト・ナイツから丸ごと移籍。昨年からプレーする地元っ子のDF米澤龍(21)も合わせて、日本人は総勢5人となった。その中でも一番の注目株は、MF金裕志(22/写真)。関東大学2部の東農大では4年間レギュラーを張り、卒業後、脇目も振らずに海外に飛び出した。力強いボール奪取からの展開力が売りのボランチは、持ち前の度胸の良さをいかんなく発揮、既に主力として欠かせない存在となった。

元々、日本人が多いゴールドコースト。その中心地サーファーズ・パラダイスで、多くのサムライ・フットボーラーが頑張っているのだから、応援しに行かないわけにはいくまい。


【うえまつのひとり言】
本稿で触れたGCPLの熱戦の情報は、フットボールGCのFBペー(Web: www.facebook.com/FootballGC)から入手できる。シーズン中は、ゴールドコースト地域全体で週末には何かしらのゲームが組まれている。ぜひ、グラウンドに足を運んでみて欲しい。

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