日豪フットボール新時代(QLD)第102回「頂上」

第102回 頂上
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

目敏(めざと)い読者は既にお気付きだろう。今回から当コラムのタイトルが「日豪フットボール新時代」と心機一転、改題された。ご存知のように、「サッカー」とこの競技を呼ぶのは世界でも少数派。英語では「フットボール」が正式名称で豪州フットボール連盟(FFA)も「フットボール」という呼称をもっと人口に膾炙(かいしゃ)させようとしている。今後も文中は、日本語慣用表現としての「サッカー」が優先されるが、特に意味を持たせて使う時には「フットボール」も登場する。新旧混在をご理解頂きたい。しばらくは違和感があるやも知れないが、すぐに慣れるはずである。

さて、今まさに中東UAEで開催中のアジアのサッカーの祭典アジア・カップ。日本は2試合共に内容的には手放しで喜べるものではなかったが、タジキスタン、オマーンと戦い勝ち点6を挙げて早々に決勝トーナメント進出を決めた。大迫が出場できなかったオマーン戦での攻撃力の低下は顕著で、短期間のトーナメントではラッキー・ボーイ的に活躍する選手の出現が不可欠。だが、その任は北川航也(清水エスパルス)や武藤嘉紀(ニューキャッスル)には若干荷が重いようだ。

一方の豪州。こちらはグループ・リーグでの対戦相手が、シリア、パレスチナ、ヨルダンと中東のチームばかり。どうも中東勢との合口が良くないのは、かつての日本と同じで豪州のいわば“悪い癖”。それが、いきなりグループ・リーグ初戦から出てしまった。シリア戦では0-1と良いところなく敗れ、2戦目のパレスチナ戦は何とか3得点と攻撃陣の奮起で乗り切ったものの、現時点では、予選突破は決められていない。3戦目のヨルダン戦に前回王者の誇りを懸けて臨み、しっかりと勝ち切って決勝進出を決めたい。

前回王者はけが人続出で苦しむも、何とか決勝トーナメント進出を果たしたい(Photo: AFP)
前回王者はけが人続出で苦しむも、何とか決勝トーナメント進出を果たしたい(Photo: AFP)

やはり、筆者や本稿の読者諸兄が観たいのは、アジア・カップでの日豪戦であろう。両国が共に順当に首位で予選突破すると、準々決勝で早々に対決が実現する。これでは早すぎる。日本が堂々の首位通過、豪州が苦戦しながらの2位通過となれば、決勝まで対戦はない。2011年大会に続く決勝での顔合わせこそ、アジア最高峰での日豪戦にふさわしいのではないか。もちろん、両チームとも今のままでは決勝進出は心許ない。共に戦いながらチーム力を高めていくことでの頂上対決の実現によってこそ、日豪フットボール新時代が開かれるものと信じて待とう


【うえまつのひとり言】
本田圭佑の不在が続く。8試合5得点3アシストの大フィーバーが一転、ハムストリングの故障で離脱。エース不在のチームは勝ち切れない戦いぶりで首位パースの独走を許しつつある。しっかり治して、早い復帰を望みたい。短いAリーグ、既に3分の2が過ぎようという勢いだ。

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