第26回 NAT レジェント来る

 

第26回 レジェント来る

文・植松久隆 Text: Taka Uematsu


新しい挑戦への意欲に燃えるブリスベン・ロアの高橋祐治(筆者撮影)

開幕を間近に控える2012/13シーズンのAリーグ。各チーム戦力補強に余念はないが、開幕1カ月を切ってから世間の注目は、にわかに“シドニー”に集まっている。

一番の注目は、何はさておいてもデル・ピエーロ。サッカー界の数少ない現役レジェンド、伊サッカーの国民的英雄、あのアレッサンドロ・デル・ピエーロが豪州にやって来たのだ。サッカー界きっての親日家で、個人的にも同年齢で贔屓(ひいき)のユベントスのエースだった大好きな選手だから、「興奮するな」というのが無理な注文。

今回の移籍が決まるまでイタリア屈指の名門ユベントス一筋だった彼が、他クラブのジャージを身を纏(まと)うことに正直なところ若干の戸惑いがあった。しかし、その新天地が豪州ならば話は別、諸手を挙げて大歓迎だ。

チーム誕生のその時から、シドニーFCと不倶戴天の敵となる運命を背負っている今季から新規参入のウエスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)。このチームの動向からも目が離せない。

「シドニーFCがデル・ピエーロなら、こちらは…」と言わんばかりに、彼らの獲得候補としてマスコミを騒がしているその名は、ミハエル・バラック。サッカー好きなら知らない人はいないドイツの英雄である。一部報道ではバラック自身が豪州行きを強く希望し、交渉金額のハードルを自ら下げる意思があるようにも聞いている。

そしてここに来て、WSWが日本代表の小野伸二の獲得を狙っているという信憑性の高い報道も出てきた。WSWは「小野かバラックか」の二者択一を考えるのか、それとも両獲りを狙うのか。バラックはWSWだけでなく、交渉のハードルが下がればメルボルン・ハートの可能性も浮上するという。

デル・ピエーロの時に「いつ決まるのか」とやきもきさせられたので、決定するまでは興奮し過ぎないようにと努めているが、どうにも落ち着かない。どうなるにしても、“デル・ピエーロVSバラック”とか、小野とデル・ピエーロの日伊ファンタジスタ対決なんて試合がこの国で見られるなんて、何ともうれしい限りだ。

ほかにも、ニューキャッスルに元イングランド代表のエミール・ヘスキーが加入。3連覇を狙うブリスベン・ロアに19歳のDF高橋祐治が京都サンガから今季終了までのレンタル移籍で加入するなど、何かと話題豊富なAリーグ。当コラムでは、今後もAリーグの熱戦を可能な限り切り取っていきたい。


【うえまつの独り言】
W杯最終予選。ホームでイラクを破り、内容はともかく勝ち点的には独走状態に入った日本。かたや、豪州は格下のヨルダンに足元をすくわれ、3戦で勝ち点わずか2の全体4位と大きく出遅れた。次戦のアウェーのイラク戦(10月16日)の結果次第ではW杯出場に黄信号が灯りかねない。

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