第44回 QLD 切磋琢磨

 

第44回 切磋琢磨

文・植松久隆 Text: Taka Uematsu

サッカルーズにとって4カ月ぶりの公式戦となったエクアドル戦(3月5日・ロンドン)。3点先取しての逆転負け(3–4)という非常に後味の悪い結果はともかく、色んな意味で今後のサッカルーズに関して示唆に富む遠征であったことは間違いない。

今回のメンバーでの一番のサプライズは、マッシモ・ルオンゴ。オージーの“海外組”を網羅するマニアックなウェブサイトで、何回かその名前を見て存在は知っていたがプレーを見たことがない、筆者にとって“未知”の選手。当たり前のことではあるが、さすがにアンジ・ポスタコグルー監督は、そういう選手でも見逃さない。マシュー・スピラノヴィッチとのコンビで代表デビューを飾った20歳のCBカーティス・グッドも、一部に待望論があったとはいえ「抜擢」の部類に入るだろう。彼らのようなニューフェースは、チームに競争原理をもたらすだけに大歓迎だ。


豪州の将来を担う若き司令塔トム・ロギッチ(写真提供・メルボルンⅤ)

新しい選手だけではない。復帰組にもポスタコグルー監督の深慮が見えた。アンジ体制の右SBの最右翼は、ロア時代からの愛弟子イヴァン・フラニッチ。ただ、そのフラニッチにもポジションの確約はせず、今回は経験豊富な前レギュラーのルーク・ウィルクシャーをひさびさに招集、ポジション争いの緊張感を演出して競わせた。GKも若手の守護神候補の2人を競わせるだけでなく、第3の存在として、キャリアは長いもあまり代表に縁がなかった名門リバプールのサブGKブラッド・ジョーンズを呼んだ。これにも若手に良い刺激を与えたい監督の意思が垣間見える。チーム内での競争がサッカルーズ全体のレベル向上に寄与することは間違いない。

今回、招集されずに話題になったのが、ルーカス・ニールとマルコ・ブレシアーノの2人のベテラン。これは「クラブでの安定的なプレー機会が必須」という監督自らが設定した選考基準に例外を作らなかっただけ。となると、ニールは、ようやく決まったワトフォード(イングランド1部)で早くポジションを得なければならない。ブレシアーノにいたっては、4カ月の出場停止明け直後からレギュラーとしてプレーできるクラブを見つけなければならない。2人には決して楽な要求ではないだけに、彼らに事実上の代表引退の引導が渡されたのか否か、今後の展開を見守る必要がある。

ブラジル行きの23の椅子を巡る争いは、まだまだ続く。切磋琢磨、これがサッカルーズ復活の妙薬となるだけに、レベルの高い争いを期待したい。

 


 

【うえまつの独り言】

日本代表のNZとの試合が、珍しく豪州の地で電波に乗った。前半の前半で畳み掛けた日本だが、その後は何とも締まりのない戦いぶり。このあと五輪に向けての大改装に入る“聖地”国立競技場の最後の試合としては、いただけない試合ぶりだったのではないだろうか。

 

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