第42回 QLD 咆哮

 

第42回 咆哮

文・植松久隆 Text: Taka Uematsu


ロアを率いてタイトルを狙うマイク・マーヴィー監督(筆者撮影)

今年のブリスベン・ロアが強い。QLD州唯一のAリーグ・クラブを、本稿でもフィーチャーしようと思っていたのだが、なかなかその機会に恵まれずにいた。快調に首位を走る今こそ、そのタイミングということで、ひさびさにロアについて書く。

第14節までを終了した段階で、ロアは勝ち点4差の1位。2位のWSWがACLの変則日程のせいで1試合消化数が多いので、実際は4以上開いていると考えて問題ない。そんなロアの強さは、14節終了時で得点28・失点13・得失点差15のいずれもリーグ・トップという数字に目に見える形で表れている。

今年のロアが強いのは、昨年に比べて主力と控えの力の差が急激に狭まったことで、選手起用に幅ができたことにある。これは逆に言えば、ある特定の主力選手に依存しないチームになったということ。例えば、昨季は、全33得点の内の4割以上の14点を決めたエースFWのベサート・バリシャへの依存度が高いことで、彼のパフォーマンスに成績が左右されたが、今年は違う。MFも含めてどこからでも点が取れるようになり、バリシャがチーム得点王(6点)ではあるが、彼の得点が占める割合も全体の20%少々に留まっている。

今季は、全日程のまだ3分の2しか消化していないにもかかわらず、昨年の総得点の85%に近い28得点を挙げる圧倒的な攻撃力を見せている。それでいて、バリシャを含む実に11人が得点を挙げている事実が、攻撃の豊富なバリエーションを物語る。

19歳のクワメ・ヤボア(既に独1部ボルシアMGに移籍)や21歳のドミトリ・ペトロラトスなどの新勢力も台頭、チーム内によい意味での競争原理が働いているのもよい傾向だ。

そんな強いロアを率いるのが、2季目の指揮を執るマイク・マーヴィー監督。昨季途中にヴィドシッチ前監督に代わって就任した際は、GCユナイテッド監督代行時の10試合で1勝という実績から、その監督としての手腕を不安視する声もあった。しかし、マーヴィーは勢いを失っていたチームをセミ・ファイナルまで勝ち上げ、昨季王者の最低限のノルマを果たした。

そして迎えた今季、マーヴィーはチームを完全に掌握、しっかりと握った手綱を緩めることはない。レギュラー・シーズン制覇と3度目のファイナル王者の「二冠」もあながち夢ではない。


【うえまつの独り言】
本田圭佑がイタリアの名門ACミランに入団。10番を背負って、さっそく、デビュー戦でもインパクトを残した。小学校の卒業文集に書いたことを実現させ、有言実行を地でいく日本のエース。セリエAでの大暴れを楽しみにしたい。いや、本当に、本田△!!
 

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