第40回 QLD 時代は変わる

 

第40回 時代は変わる

文・植松久隆 Text: Taka Uematsu


サッカルーズ再建を託されたポスタコグルー、その手腕を発揮できるか(筆者撮影)

11月に入り、豪州に本格的なサッカーの季節がやって来た。今年のAリーグの滑り出しは、大いに盛り上がり、空前の盛況は観客動員にも表れている。これは、良い兆候だと思う。FFAのギャロップCEOも「フットボールは、豪州一のスポーツになる日も近い」と豪語するが、盛況のスタジアムを見ると「いつの日か…」という気持ちにさせられる。

ようやく、オジェック前監督の解任が現実のものとなり、来年のW杯への残された準備期間は、アンジ・ポスタコグルー新監督に委ねられた。直近まで、メルボルン・ビクトリーの監督を務め、その前のブリスベン・ロアを監督時には2シーズンにまたがっての36試合無敗という金字塔を打ち立てた、誰もが認める現時点の国内最高の監督である。

そのポスタコグルー新体制のサッカルーズが、19日、最初の国際Aマッチでコスタリカ(19日・シドニー)と対戦するが、その試合に臨むメンバーが6日に発表された。アンジ(ポスタコグルーだと字数を使うので、今後、文中でしばしば使うことになる)にしてみれば、このコスタリカ戦とそれに臨む代表合宿で、現有戦力の見極めを行おうというスタンスだろう。大抜擢と言える名前はなく、若干の例外はあるが、今までの選考の範疇から選んだ無難な人選というのが正直な感想。

特筆すべきは、もともとリストに入っていながら、自ら代表引退を決意して辞退したGKマーク・シュウォーツァー。41歳の守護神もついに後進に道を譲り、静かにサッカルーズのユニフォームを脱ぐ。さらには、DFオグネノブスキ、DFウィルクシャー、MFホルマンといった前体制でレギュラー格にあった選手の名前がリストから消えた。

一方で、オジェック解任の前後に「旧世代」の象徴として批判の矢面に立たされたキャプテンのルーカス・ニールは、アンジの構想の中に残った。これは、ニールと同レベルのキャプテンシーを発揮できる選手がほかにいない現状では、非常に現実的な選択だと思う。逆に、キャプテンシーを発揮できる選手が育った時には彼の立場も安泰でなくなるという含みもある。

いずれにしても、ピム、オジェックと続いた負の流れを断ち切るべく思い切った改革を進めることで、サッカルーズを世界に伍する次なるステージへと導いてくれるであろうアンジの手腕に期待して止まない。

時代は変わる。19日のコスタリカ戦、1人のファンとして、その瞬間を楽しみにしたい。


【うえまつの独り言】
本文でも触れるマーク・シュウォーツァーの代表引退。1つの時代の終わりを痛感する。思えば、筆者が豪サッカーを追い続けて以来ずっとサッカルーズのゴール前にはマークが立っていた。誰もが認める豪州一の名キーパー、長きにわたる代表への貢献に心からの敬意を表したい。
 

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