第38回 QLD チャンピオン

 

第38回 チャンピオン

文・植松久隆 Text: Taka Uematsu


ファイナルで相まみえた2人の「侍」。試合後の伊藤和也(右)と桜井慶佑

先月号で取り上げた伊藤和也のオリンピックFCが、QLD州プレミア・リーグのグランドファイナル(GF)を制し、初代の州王者に輝いた。これで、リーグ優勝と併せて2冠を達成し、全豪のプレミア・リーグ王者(今年はVIC州とWA州を除く)が集うNPLファイナル・シリーズに向け、大きな弾みを付けた。

リーグ上位2チームの順当な勝ち上がりでの顔合わせとなった9月8日のGFで、伊藤のオリンピックに相対したのがブリスベン・シティ(以下シティ)。ブリスベン・サッカー界の古豪、シティにも日本人選手がいる。オージーに混じっても見劣りしない高さでシティDF陣を支える桜井慶佑だ。19歳の若さで、今季急成長を見せた桜井もGFに出場、州王者を決める大一番での“日本人対決”が実現した。そのせいもあってか、ギリシャ系コミュニティー・クラブであるオリンピックのホームで、ギリシャ系の人々に混じって日本人らしき姿がスタンドにも多く見られた。

えも言われぬ劇的な展開となった試合。ホームで2点を先行されたオリンピックが後半に入ってから追いつき、延長に突入。延長に入って、いったんは伊藤のゴールでオリンピックが勝ち越すも、シティも諦めずに喰らいつき3−3でフルタイム。迎えたPK戦を3−0で制したオリンピックに勝利の女神がほほ笑んだ。この日の伊藤は、練習で痛めた腿の筋肉のケガで万全ではなかったものの、120分フル出場で1得点を決めるなど攻守に存在感を見せた。桜井も初めての大舞台に舞い上がることなく、堅実なプレーでフル出場。残念ながら勝利には結びつかなかったものの、選手としてのポテンシャルの高さを存分に発揮した。

試合後、トロフィーを片手に伊藤は、応援に駆け付けた愛妻や友人と言葉を交わし、にこやかに写真撮影に応じた。今後のNPLのファイナル・シリーズについて尋ねると、「自分の力を出し切って、チャンスを与えてくれたクラブにさらなる良い結果をもたらしたい」と、大学時代以来という大きなタイトルに、ほころんでいた表情をきりっと引き締めた。

佳境を迎えた今年のローカル・サッカー。ブリスベン・プレミア・リーグ(BPL)でもQLDライオンズの石川健太郎がリーグ制覇に大きく貢献、GFに進出(15日予定)するなど、日本人選手の活躍が多く見られるシーズンとなった。さあ、続いてはAリーグ。楽しみは尽きない。


【うえまつの独り言】
ブラジルに0−6と惨敗のサッカルーズ。あまりにひどい内容に、さすがのFFAもオジェック監督に事情聴収の予定。解任論も噴出しているが、困った時の「ヒディング頼み」がまた聞こえる。ここに至って「先祖がえり」は無意味。アンジにアーニー、良い監督は国内にもいますぞ。
 

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