【特集】今年こそ始めたい!ビギナーのためのランニング計画

ビギナーのためのランニング計画

2017年になったがまだ新年の目標が決まっていない、また自身の健康のために何かを始めたいと考えている人は、「ランニング」を始めてみてはいかがだろうか。ランニングはストレス発散になるだけでなく、健康におけるメリットも大きい。しかし、これまで運動をほとんどしてこなかった人や運動を休んでいた人にとって、ランニングを始めるのはハードルが高いもの。そこで、けがなどのトラブルを防ぎランニングを楽しめるように、ランニング・ビギナーにとっての注意点やトレーニング方法をフィットネス・トレーナーの上田茂雄さんに伺った。 (取材・文=山内亮治)


■トレーナー・プロフィル
上田茂雄さん

2005年より豪州の現地専門大学での運動学の勉強を土台とし、その後さまざまな現場でフィットネス・トレーナー、マッサージ師、健康カウンセラーなどとして活動。また、教育関連のセールス・マーケティングにも従事し、健康産業の活性化にも貢献。現在は手技療法と運動トレーナーとしての活動を中心に、マッサージ・美容の豪州国家資格を提供する専門学校でリージョナル・マーケティング・マネージャーを務める。

1. ランニングを始める前に

コンディション作り

まず、これからランニングを始めるにあたり現時点でのご自身の運動レベルについて理解しておくことが非常に重要です。今まで全く運動をしてこなかった人がいきなりハードなトレーニングをするのは難しい。何よりも楽しく走れるようになるために、ランニング(運動)を始める前に注意するべき点を大きく2つに絞って説明します。

持病やけがの有無

今まであまり運動をせず特に持病がある人の場合は、現時点で自分が始められる運動のレベルを確認しプラニングをしていくことが必要です。できれば掛かり付けのお医者さんと話し合い、どの程度の運動ができるかを確認することをお勧めします。運動が自身の持病の症状緩和・改善につながるよう状況把握を優先しましょう。

体型を考慮する

体重が重い人は、急にランニングを始めない方が良いでしょう。ひざを始めとした関節への負荷が大きいのが理由です。そこでまずは、体重をある程度絞ってからのランニングがプロセスとして必要です。そのために、極力負荷の掛からないサイクリングやプールでのウォーキングなどの運動から始めると良いでしょう。関節に対する負荷も少なく安全で、カロリーを消費できます。


ランニングによる気になるリスク

ランニングをするにあたっては、外部(環境型)リスクと内部(体内)リスクの大きく分けて2つのリスクが存在します。
 ランニングはウォーキングに比べると、どうしても足腰への負担が大きく、アスファルトなどの堅い地面を走る場合はけがのリスクが高くなります。また、ランニングは普通の運動に比べ体内への負荷も高く、元々送られる以上の血流が心臓に送られるため心筋系に与える影響も大きくなります。ランニングには、これら2つのリスクへの注意が必要です。

ランニングがもたらす効果

ランニングのような運動は低強度有酸素運動に分類されます。低強度有酸素運動で使われる主なエネルギー源は糖分であるため、まず健康における代表的な効果としては「肥満の予防・改善」が挙げられます。また、ランニングではこの他に健康面で下記の効果が期待できます。

● 動脈硬化症の予防・改善
● 糖尿病の予防・改善
● 安静時心拍数の低下
● 毛細血管網の発達
● 高血圧症の予防・改善
● 心肺機能の向上
● ストレス発散

ただし、上記を踏まえて大事なのは、ランニングは良い健康状態を維持するための1つの手段であり、走っているから健康だとは言い切れないこと。不摂生が過ぎれば意味がありませんから、「ランニング(運動)+規則正しい生活=健康」ということを意識してください。

2.今日から始められるトレーニング方法

トレーニング・ステップ

ランニングのトレーニングを開始する前に、これまで特に運動をしてこなかった人や運動を再開しようという人は、まず自分の好きなことと絡めて(ボールを使った運動、自然の中を歩くなど)体を動かす方法を探してみましょう。そして、体を動かすことが習慣化されてきたら運動時間を増やし、徐々に運動の時間と強度を上げていきましょう。そうして、基礎的な体力と筋力が着いてきたら次の4つの方法を意識してランニングのトレーニングを行ってみてください。

① 規則的に走る

毎日走る必要はありませんが、3日連続で休まないのがポイントです。

② 走る時間・距離・回数を増やしていく

スピードより、走る時間・距離・回数を増やし、より長くたくさん動けるようにします。

③ 持続走を中心に

時間走(30分間走る)や距離走(5キロ走る)といった持続走を中心にトレーニングを進めます。

④ 走る場所を工夫する

いつも舗装道路ではけがが心配。公園の芝生や土の上を走ったり、時にはビーチ沿いや山を走ったりすると、走りながら見える世界も広がっていきます。

簡単な目標設定の方法

目標設定は敷居を高くせず、シンプルで達成可能な目標を基本にしましょう。また、例えば「6カ月後にこうなりたい」といった理想の自分を想像することも目標設定には重要です。ランニングに関しては、初心者の方の場合は、走る距離の長さではなく「どれくらいの時間動き続けられるか」を目安に右記のような目標設定をすることをお勧めします。

目標設定の例

① 走るのは週に1~2時間くらい。
② 走るのは週3日以内にする。
③ 走行スピードは時速7キロくらい、慣れても8キロを限度にする(時速7キロは「スロー・ジョギング」と言われ、一緒に走る人とおしゃべりができる速さ)。

トレーニングの注意点

トレーニングが習慣化され自身のパフォーマンスが上がってくると走ることが楽しくなってきますが、故障や健康の問題が再発しないようにするなど注意も必要となってきます。そこで、トレーニングが軌道に乗ってきた時にこそ必要な注意点を以下に挙げます。

健康状態と運動レベルの見極め

持病を持っている方や過去にスポーツでけがをしたという方の場合、トレーニングのパフォーマンスが上がってきても、自身の健康状態と運動レベルがバランスの取れたものになっているか見極めが必要です。

フレキシブルな運動時間の確保

「必ずこの時間にトレーニング」と決めるのではなく、フレキシブルに自信のあるタイミングで上手く一定の運動時間を組みましょう。大切なのは規則的な運動時間を継続することです。

定期的な水分補給

ランニングをすることで体から水分だけでなくミネラルも排出されるので、脱水症状にならないためにも、なるべくスポーツ・ドリンクなどで定期的な水分補給をしましょう。

ランニング・フォームの確認

パフォーマンスが上がるとランニングが楽しくなると思いますが、そこでけがをしてしまうと意味がありません。伸びを感じている時ほどフォームにこだわり、けがをしないよう注意しましょう。

3. けがを防ぐストレッチ法


実際に走り出す前に必ず覚えておきたいのが、体を温めたり柔軟にすることでけがの予防に努めること。それにより、故障によって運動を嫌いになるリスクを防ぎ、定期的な運動習慣の持続につながります。いろいろなストレッチ法がありますが、ランニングの前と後で必要なストレッチの内容には違いがあります。ランニング前後での、それぞれに必要なストレッチの方法とポイントを以下にご紹介します。

ランニング前のストレッチ

ランニング前は、筋肉の柔軟性の向上や体温の上昇を目的とした「動的ストレッチ」を行いましょう。そこで、動的ストレッチに必要な肩甲骨周りと股関節を中心にしたストレッチの方法とポイントを説明します。また、基本的に1つひとつの動きは20回程度行うことをお勧めします。

肩甲骨:ローテーション
極力リラックスし、ひじで大きな円を描くように大きな動きを心掛けてください。前回し、後ろ回しとしっかりコントロールして回すことが重要です。

肩甲骨:左右の腕振り
背筋を伸ばし正しい姿勢を意識し、大きく腕を上下に動かすことを心掛けましょう。手の平は体の内側を向けるのがポイントです。

股関節:ローテーション
ひざで大きく様に円を描くように、前回し、後ろ回しとしっかりコントロールして脚を動かすことが重要です。

股関節:振り上げ
軸足でしっかり体を支え、大きな動きを心掛けながら脚を前後に動かし股関節周りの筋肉の温度を上げましょう。

ランニング後のストレッチ


ランニング後は筋肉の可動性を向上させ乳酸などの老廃物を流す「静的ストレッチ」を行いましょう。ここでは、ハムストリング・大腿四頭筋・腹式呼吸の3点を中心にストレッチの方法とポイントを説明します。1つひとつの動きはだいたい25秒から30秒は保つようにしましょう。

ハムストリング
太ももの裏の部分をしっかり伸ばしましょう。この際に上半身の姿勢をなるべく真っすぐにすることがポイントです。背骨が曲がると伸ばさなければならない筋肉が伸びていないことが多くなります。上半身が丸まらないように姿勢を意識しましょう。

大腿四頭筋
太ももの前の部分をしっかり伸ばしましょう。重要なポイントとしては、無理のない体勢で動きをコントロールするということです。

腹式呼吸
呼吸は非常に重要なストレッチです。リラックスした状態で横隔膜の大きな動きの練習をしましょう。7秒から8 秒かけて鼻からお腹へゆっくり息を吸い、ゆっくり口から息を吐くことが重要です。

4. 正しいランニング・シューズ選び


ランナーにとって非常に重要な点がシューズ選び。自分に合った正しい1足がランニングのパフォーマンスを高め、けがを予防してくれます。そこで、シューズ選びで大事なポイントを紹介します。

自分の足の形を把握する

足の形は大きく3種類に分かれ、それぞれの形によって適したシューズの形も変わってきます。それぞれの足の形とシューズ選びのポイントは以下の通りです。

① スクエア型

● 比較的、横一直線に足の指の長さがそろっている足の形。
● 足が幅広になりがちなため、シューズ幅に注意して選ぶのがポイント。

② エジプト型

● 親指が最も長く小指にかけて傾斜を持つ足の形、日本人に最も多いタイプ。
● 親指のつま先がシューズに当たりやすいため、つま先に余裕があるシューズを選ぶのがポイント。

③ ギリシャ型

● 足の人差し指が最も長く、親指よりも人差し指が飛び出た足の形。
● どんなランニング・シューズでも合いやすい足の形のため、横幅を意識して選ぶのがポイント。

足のサイズを正しく測る

人間の体は必ずしも左右対称にできているとは限らないため、足の長さと足の周囲をしっかり把握する必要があります。また、シューズ選びの際はソックスを履いて足のサイズを測らなければ、適切なサイズが分かりません。ランニングを専門にしたショップに足を運びサイズを測り、そして実際にシューズを履いてみることをお勧めします。

ランニング・シューズ種類

ランニング・シューズは、クッション系、トレーニング系、レース系と大きく分けて3種類が存在します。「軽い方が走りやすいだろうからレース系」といった安易な選び方は注意が必要です。レース系のシューズは、クッション性やフィット感を犠牲にして軽さを優先させているため、初心者が使うとひざや腰の故障につながりかねません。
 今までほとんどスポーツをしてこなかったという人の場合は関節への衝撃吸収性を高めたクッション系を、学生時代に部活動などのスポーツ経験がある方などはクッション系かクッション性と軽量性をバランス良く合わせたトレーニング系のシューズを選ぶのが良いでしょう。
 自分の足に合ったシューズを見付けて、楽しく安全なランニング生活を始めてみてください。

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