オーストラリア・モトGP 2017 観戦ガイド

(Photo: AFP)
(Photo: AFP)

MotoGP2017年の第16戦オーストラリアン・グランプリ(GP)が10月22日(日)にメルボルンの南にあるフィリップ島GPサーキットで開催される。今年は、ベテランのドビツィオーゾと世界チャンピオンのマルケスがトップを争い、新鋭のビニャーレスが追うという異例の展開になっている。ベテランのロッシ、ペドロサも年間チャンピオンの可能性があり、その行方は日本GP、続くオーストラリアンGPまでもつれ込む可能性が高い。 (記事の情報は9月20日時点)

今季のオーストラリアンGP見所紹介

ドビツィオーゾの快進撃はどこまで続くか
ドビツィオーゾの快進撃はどこまで続くか
逆転での年間王者を狙うマルケス
逆転での年間王者を狙うマルケス
期待の新鋭ビニャーレス
期待の新鋭ビニャーレス

モトGPは、MotoGP(1,000㏄エンジン)、Moto2(600㏄)、Moto3(250㏄)の3つのクラスに分かれ、初戦ドーハGPから最終戦バレンシアGPまでの18戦を戦い年間チャンピオンが決定する。

今年、モトGP界にちょっとした異変が起きている。

序盤戦は、昨年までわずか1勝のビニャーレスが第1戦のカタールGP、アルゼンチンGPと開幕2連勝してモトGP界を驚かせた。フランスGPでも勝ってマルケス2世の誕生かと騒がれている。

続いたのは、ドゥカティのベテラン、ドビツィオーゾの快進撃だ。初戦カタールGPで2位に入り、イタリアGP、カタルーニャGPで優勝、更にオーストリアGP、イギリスGPを連覇し、今年4勝を飾り、中盤戦までを引っ張ってきた。

若き天才ライダー、マルケスは、第13戦サンマリノで優勝してやっとドビツィオーゾに並んだ。

ベテランのドビツィオーゾと天才マルケスが2強でしのぎを削り、若き逸材ビニャーレスが追うという異例の展開である。マルケスは、アメリカGP、ドイツGP、チェコGPで3回の優勝だが転倒癖が治らない。3位には新鋭のビニャーレスがぴったりと付けている。

最近5年間を引っ張ってきたライダーは、ロレンソ、ロッシ、ペドロサだが、ロッシとペドロサが1勝ずつして上位3ライダーを追っている。過去3回の世界チャンピオンに輝いたロレンソだが優勝がなく中位に低迷しているのが意外である。

活躍が期待されるトップ・ライダーたち

今年のオーストラリアGPで活躍が期待されるトップ・ライダーを以下に紹介する。

■アンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ、31歳、イタリア)
 2008年にモトGPに参戦し今年10年目のベテラン。今季は4勝して堂々の1位を走っている。長いモトGPの歴史で、ドゥカティが年間優勝したのは一度だけであり、ドビツィオーゾが2人目となるかどうかは、今年一番の注目点である。モトGP史上最高速度は昨年のカタールGP予選でドビツィオーゾがたたき出した時速361kmである。ドゥカティは間違いなく速いマシンであるが、コーナーの操作性に難点がある。うまく乗りこなしているのが、まさにドビツィオーゾなのである。

■マルク・マルケス(ホンダ、24歳、スペイン)
 13年にMotoGPクラスに昇格し、6勝を挙げたMotoGPの年間チャンピオン。14年は開幕から10連勝して2年連続の年間チャンピオンとなった。昨年は5勝ながら混戦を制して年間チャンピオンに返り咲いた。天才マルケスは転倒さえ防げれば、ドビツィオーゾを逆転する可能性は高い。

■マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ、22歳、スペイン)
 15年に20歳でMotoGPに昇格しスズキからデビュー。2年目の昨年、ドイツGPで自身初の優勝を獲得すると共に、スズキに復帰後初優勝をもたらした。今年は、ヤマハに移籍。今年3年目で3勝して早くも年間チャンピオンを狙っている。

■ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ、30歳、スペイン)
 08年にMotoGPクラスでデビュー。天才ライダーと騒がれた。10年、12年、15年と3回の世界チャンピオン。今年ヤマハから移籍。

■バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ、38歳、イタリア)
 イタリア人らしい陽気な性格で人気が高く史上最強のライダーと称される。09年までに7回の世界チャンピオンを獲得。ドゥカティ時代は未勝利だが、ヤマハに復帰後14年2勝、15年4勝、16年2勝して3年連続年間2位と依然として実力がトップ・レベルであることを示している。

■ダニ・ペドロサ(ホンダ、31歳、スペイン)
 06年からモトGPに参戦。毎年1、2勝して上位陣の一角を占める。今年も1勝している。派手さはないが、堅実な戦いで定評がある。

■ジャック・ミラー(ホンダ、22歳、オーストラリア)
 QLD州タウンズビル出身。10代前半でオーストラリアの多くのレースに優勝し、15年からMotoGPに昇格。昨年、1勝したが、オーストラリア出身者でMotoGpに優勝したのは12年に5勝したケーシー・ストーナー以来であり、地元の注目は熱い。

メーカー別の争いは三つ巴の展開

メーカー別の争いはホンダが優位に立つ
メーカー別の争いはホンダが優位に立つ

メーカー別(マニファクチャラーズ・ランキング)では、ホンダ5勝249pt(ポイント)、ヤマハ4勝244pt、ドゥカティ4勝232ptと激しく優勝を争っている。

過去10年の年間優勝ではヤマハ5勝、ホンダ4勝、ドゥカティ1勝と日本勢が圧倒している。ホンダがエースで3勝を挙げているマルケスを擁し、堅実なペドロサも1勝とやや優位。

ヤマハは新鋭ビニャーレス3勝、ロッシ1勝。ドゥカティは、10年ぶりの王座奪回に燃えているが、ドビツィオーゾ4勝に頼っており、鍵はロレンソの復活勝利だろう。どのチームが勝っても不思議はないが、ホンダがやや有利と見られる。

Moto2クラスではイギリスGPで中上貴晶(カレックス・ホンダ、25歳)が優勝を果たした。昨年もオランダGPで優勝を飾り、3位3回など年間6位の成績を残した。オーストラリアンGPで優勝すれば、トップ3進出も見えてくる。長島哲太(カレックス・ホンダ、25歳)も今年は全レースに参加している。

Moto2クラスのエンジンはホンダCBR600RRのワンメイク(独占供給)である。タイヤはダンロップタイヤ製のワンメイク。エンジンのスパーク・プラグは、日本のNGK社が全クラスを通じて独占供給している。

若いライダーの登竜門であるMoto3クラスには鈴木竜生(ホンダ、20歳)、佐々木歩夢(ホンダ、16歳)、鳥羽海渡(ホンダ、17歳)が参戦している。サンマリノGPまでに鈴木が47点、佐々木が16点、鳥羽が7点を獲得している。主に10代から20歳くらいまでの選手で戦われる。Moto2、MotoGPが目の前で戦われ、世界トップも手が届く場所であるので、若い選手たちの意気込みは高い。

モトGP観戦情報

■レース・コース
 フィリップ・アイランド・グランプリ・サーキットは、メルボルンから140㎞南に位置し、コアラやペンギン・ツアーとして名高いフィリップ島にある。
 晴れた日には美しい海と緑に囲まれた世界一美しいサーキットと呼ばれるが「咆哮する南緯40度」と恐れられるバス海峡から強烈な南風が吹き込むと、世界一の難コースに変わる。

■交通
 メルボルンからは市内サザンクロス鉄道駅構内にあるバス・ターミナルからシャトルバスが運行している。決勝戦当日は朝6時45分と9時半の2便。メルボルン空港から会場まで毎朝10時に直行バスがある。

■交通
 メルボルンからはシャトル・バスが運行している。市内サザン・クロス鉄道駅構内の北側にあるバス・ターミナルから乗る(フェデレーション・スクエアのバス乗り場は廃止)。

■イベント
 一番人気はマルケス、ビニャーレスなど世界の人気ライダーによるサイン会。20日と21日の朝9時にサイン会場に並んで整理券をもらうこと。
 決勝戦のある22日の午前中は9時過ぎからスーパー・バイク・レースや各クラスのウォームアップなどが行われる。
 午後12時25分からは、MotoGPライダーのパレード。1時からはMoto3クラス決勝レース(23周)、2時20分からはMoto2クラス決勝レース(25周)、4時からMotoGP(27周、120km)がスタートする。
 サーキット内の各種レースだけでなく、各種イベントが開催されており、丸1日楽しみたい。帰りのバス乗り場は大根雑で、車もフィリップ島から出るだけでかなりの時間を要するので注意。

■2017 Australian Motorcycle Grand Prix
日程:10月20日(金)~22日(日)
会場:Phillip Island Grand Prix Circuit, Cowes VIC
料金:一般$42.50~(金)、$89.00~(日)、グランド・
スタンド$240.00~、VIP$690.00~
Web: motogp.com.au


文・写真=イタさん(板屋雅博)
日豪プレスのジャーナリスト、フォトグラファー、駐日代表
東京の神田神保町で叶屋不動産(http://kano-ya.biz/)を経営

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