川内優輝選手インタビュー、シドニーマラソン優勝!

シドニー・マラソン2012
公務員ランナー、
 

川内優輝選手、大会新記録で優勝


©Sportshoot

9月16日に開催され、日本からも400人以上が参加(現地在住者を含めると800人)した「第12回ブラックモアズ・シドニー・ランニング・フェスティバル」(シドニー・マラソン2012)で、「公務員ランナー」として知られる川内優輝(埼玉県庁)選手が2時間11分52秒の大会新記録で優勝し た。シドニー五輪を記念し、01年に始まった同大会で、男子の日本選手が優勝するのは初めてのこと。川内選手にシドニー・マラソン優勝について感想を伺った。

 

──日本人男子として初の優勝、さらには大会新記録まで達成しましたが、まず感想をお聞かせください。

「想定以上のタイムで海外マラソン初勝利を飾ることができ、非常に嬉しかったです。シドニーのタフなコースで、前日到着というタイトなスケジュールにもかかわらずサード・ベストで走れたことは、今後のマラソン人生にも大きなプラスになるような気がします。また、レース展開においても、13キロ過ぎからずっと並走していたケニアの選手を31キロ過ぎの下り坂からのスパートで突き放せたので大きな自信になりました。学習院OB会のシドニー支部の方々も10人ほど応援に駆けつけてくださり、ほかの現地の日本人やオーストラリア人も大勢応援してくださったので、シドニー・マラソン初の男子フルマラソン優勝をコース・レコードという形で飾れて本当に良かったです」

 

──シドニー・マラソンのコースは曲がり角やアップダウンが多く、攻略しがいのあるコースとして知られていますが、川内選手の目にはどのように映りましたか。

「途中何度も仮設のブリッジがあったりして、非常にタフなコースでした。特に下り坂途中でのUターンはテクニックが試されたように思います。しかし、非常にタフなコースではありましたが、ハーバー・ブリッジを駆け抜けたり、シドニー五輪のコースでもあったセンテニアル・パークのブルー・ライン沿いを走ったりと、全く飽きることのない楽しいコースでした。折り返しが多かったのも印象に残ってますね。そのため、すれ違うランナーから何度も声援をいただけたことが嬉しかったです」

 

──最後にシドニーの街についての感想をお聞かせください。

「ハーバー・ブリッジやオペラ・ハウス、シドニー・タワー、タウン・ホールなど特徴的な建築物が多く、街全体が洗練されているという印象を受けました。また、大きな公園が多く、海も近く、都市と自然の調和した街という印象を受けました」

 

──ありがとうございます。川内選手の今後のさらなる活躍を期待しています。



左が河野比佐志さん。一緒に参加した友人の高山雄介さんと

シドニー・マラソン2012優勝者の川内選手とは対照的に、全選手中最下位という結果を残した日本から参加の河野比佐志さんはレース後こう語った。「参加してよかった」。初めてのフルマラソン・デビューをシドニーで飾った河野さんからの手記が届いたので紹介したい。

最高の誕生日プレゼント

〜「最下位」とともに私が得たもの〜

それまで10キロ位しか走ったことがなかったのですが、「何とかなるだろう」と軽く考えていました。そして確かに10キロまでは自分のペースで走れたのですが、16キロ辺りで体が急にだるくなり、早歩きに。それ以降は走ったり歩いたりの繰り返しになりました。

28キロ地点あたりではもう全く走れなくなっていました。このままリタイアしようかと考えながらトボトボ歩いていると、お爺さんが私を抜きながら、「Come on my friend, come with me.」みたいなことを言ってくれました。せっかく励ましてくれたので諦めるわけにはいかないと思いましたね。とは言うものの、ゆっくり走ってくれるそのお爺さんにももはやついて行けない状態でした。

30キロくらいでシティに戻ってくると、ゴールしたほかの選手たちがメダルを下げて帰っているころでした。そこでもまた「Keep going」と励まされました。実はこの日は私の30歳の誕生日で、辛いけど完走したいという思いと、何でこんなに苦しい目に遭わないといけないのかという恨みがましい思いが交錯し、正直複雑な気持ちでした。

38キロくらいの地点だと思いますが、後ろからパトカーと自転車に乗ったポリスが寄ってきました。英語はよく分からないのですが、おそらく「時間ギリギリだけど走る? それとも止める?」みたいなことを言っていたのだと思います。とりあえず走る格好を見せながらパトカーを背にして進むも、意識は朦朧として足がふらついていました。

そしてもう今度こそリタイアしようと思った時、自転車に乗ったオージーらしき人が現れ、「Keep going!」と言いながらフラフラの私を先導し始めてくれたのです。40キロ辺りでやっと遠くの方にゴールのオペラ・ハウスが見え始めた時に、その自転車のオージーが「あそこがゴールだぞ! 頑張れ!」と再び激を入れてくれました。その言葉がなければきっともう動けなかったでしょう。

ゴールまでは平坦な道でしたが、微妙なスロープですら後ろに倒れそうになりました。顔を自分で2、3発張って気合を入れ直し1歩1歩進みました。街行く人が拍手をしながらゼッケンに書かれてある「HISASHI!」という私の名前を呼んでくれました。

残り400メートル! オージーが自転車から降り、手を差し伸べてくれ、さっと握手を交わした私は彼に「Thank you!」といって最後の花道を走りました。この人がいなかったら私はきっと途中で諦めていたに違いありません。そしてゴール! 時間の表示は5時間50分。

アナウンスで「HISASHI KONO!」と名前が読み上げられたのは、最高の誕生日プレゼントです。 制限時間はとっくに過ぎていましたが完走メダルと記念Tシャツもいただけました。大会の主催者や関係者、それに応援してくれた多くの見ず知らずの方々にも深く感謝しています。シドニーの街や人がとても好きになりました。

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