「スーパーラグビー2016」日本開催

Go! ワラビーズ in Japan

日本ラグビー界では現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界の強豪チームでの代表経験を持つ選手が多数プレーしており、日本のレベルアップにひと役買っている。そこで、かつて豪州で活躍し、現在は日本に舞台を移した元ワラビーズの選手たちについて日本からリポートする。文=山田美千子/写真=山田武

「スーパーラグビー2016」日本開催

「スーパーラグビー2016」(以下、スーパーラグビー)日本開催2回目の朝、関東地方は雨だった。雨の日の秩父宮のスタンドは観客に優しくない。ラグビー好きたちが特に多く集まるバックスタンドに屋根はなく、雨足が強くなれば、ずぶ濡れ覚悟でスタンドにとどまるか、試合の見えないスタンド下に逃げ込むしかない。観客の入りは大丈夫だろうか?ピッチコンディションは? そんな心配を胸に東京・秩父宮へと向かった。スーパーラグビーの熱い戦いぶりをリポートする。

心配は杞憂に終わった。スタジアムの最寄駅・地下鉄銀座線の外苑前駅にもラグビー観戦スタイルの人があふれ、スタジアムまでの細い道は人の波が途切れることはなかった。

更に、あれだけ降り続いていた雨も、私が地下鉄に乗っている間にほぼ上がっていた。どんよりとした灰色の空ではあったが、もう傘がなくてもいられるほどだった。

すでにスタンドは多くのファンで埋まり始めていた。これもラグビー・ワールドカップでの日本代表の活躍のおかげだろう。もし、ワールドカップ前だったら、この天気でこれだけの人が集まることはなかったのではないだろうか、そんなことを思った。

マッチプログラムを開くと、サンウルブズのメンバーの中から目に飛び込んできたのがNo.8のエドワード・カーク選手だった。オーストラリア・ブリスベン出身。U20オーストラリア代表、センブンズ代表、そしてスーパーラグビーはレッズでの出場経験を持つFL。

サンウルブズでプレーするオーストラリア出身選手がいて、レッズやレベルズ、ハイランダーズなどオーストラリアやニュージーランドのチームに名を連ねる日本出身選手がいる……日本も本当にスーパーラグビーに参戦したんだなと実感した。

試合はサンウルブズがペナルティー・ゴールで先制。ファースト・スクラムでも負けていなかった姿に「もしかして……」と、初勝利の期待を持ったのは私だけではなかっただろう。

濡れて滑る芝、滑るボール。両チームともボールが手につかない。ペナルティーも多くなかなか得点にはつながらない。それでもWTB山田章仁選手やCTB立川理道選手が光るプレーを見せた。山田選手はフォース、立川選手はブランビーズに所属したこともある選手だ。そういった選手が生まれたばかりのサンウルブズを牽引している。一方のレベルズは、ワラビーズでも活躍するショーン・マクマーン選手やオール・ブラックスのキャップを持つアダム・トムソン選手ら経験豊富な猛者たちが力強い献身的なプレーを見せた。6-11とレベルズのリードで終えた前半、大きな力の差を感じることはなかった。

しかし、世界最高峰と言われるスーパーラグビーはそんなに甘くない。

ゴール・ラインを割るのにあと少しというところまで攻め込むもののトライにはなかなか繋がらない。ミスも重なり、後半は完全なレベルズのペースで試合は進み、9-35でレベルズが勝利。初勝利はお預けとなった。それでもこの試合を見る限り、得点差ほどの力の差はないように感じた。日本のラグビーが世界レベルに近付いてきているということなのだろうか。

レベルズには今シーズン、松島幸太朗選手が所属している。それ以前にもサンウルブズキャプテンの堀江翔太選手や稲垣啓太選手も所属していたことがある。日本でも馴染みのあるレベルズとサンウルブズの間に、「Ganbatte Trophy」が創設された。今後も友好関係はそのままに、エキサイティングな試合を期待したい。

この試合の後、サンウルブズは第5節シンガポールでブルズと対戦。続く第6節には南アフリカのポート・エリザベスでキングスと対戦。未だ初勝利の報せは届いていない。初勝利はいつになるのか気になるところだ。

日和佐篤選手のパス出し
日和佐篤選手のパス出し
高い身体能力をみせつけたミッチ・インマン選手
高い身体能力をみせつけたミッチ・インマン選手
昨年のRWCでの活躍も記憶に新しい山田章仁選手
昨年のRWCでの活躍も記憶に新しい山田章仁選手
『Ganbatte Trophy』を手に微笑む両キャプテン
『Ganbatte Trophy』を手に微笑む両キャプテン

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る