Go! ワラビーズ in Japan「注目の大会結果とラグビー界の今後」

Go! ワラビーズ in Japan

日本ラグビー界では現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界の強豪チームでの代表経験を持つ選手が多数プレーしており、日本のレベルアップにひと役買っている。そこで、かつて豪州で活躍し、現在は日本に舞台を移した元ワラビーズの選手たちについて日本からリポートする。文=山田美千子/写真=山田武

注目の大会結果とラグビー界の今後

スーパーラグビー、オリンピック、トップ・リーグと今年の夏はラグビーの話題が途切れることがない。日本ラグビー界にとってこれまで以上に国内外からの注目が高まっている今が、将来へ向けての正念場だ。

8月中は、すっかり寝不足が当たり前になっていた。4年に一度のスポーツの祭典、オリンピックのせいだ。ブラジル・リオデジャネイロでの開催だけに、日本やオーストラリアとは昼夜真逆だったのだから仕方がない。

日本チームは素晴らしい滑り出しを見せた。競泳、柔道とメダルを獲得し、チーム全体に勢いを与えた。そんな中、今回から正式種目となったラグビー・セブンズ。男子はメダル獲得こそならなかったが、世界に大きな衝撃を与えた。

初戦の相手はニュージーランド。これまでのワールド・セブンズ・シリーズでの戦いを見ても、今現在の力量でニュージーランドに勝利するのは難しいだろうと思われていた。しかし、いつもと違うオリンピックという大舞台で、日本は見事にその壁を打破。昨年のRWC南アフリカ戦を彷彿とさせる大金星を上げた。その勢いに乗ってケニア、フランスといった強豪も打ち負かし、その結果4位という好成績を収めた。惜しくもメダル獲得はならなかったが、圧倒的なインパクトを与え東京オリンピックに期待をつないだ。強化の仕方によってはメダルも狙えるだろう。

一方、オーストラリアの女子は金メダル獲得という大活躍を果たしたが、男子は残念な結果となった。東京セブンズでも度々取材に応じてもらっていただけに特に思い入れが強く、その結果を見守っていたのだが、本当に残念で仕方がない。こちらも4年後に期待しよう。

また、セブンズ・チームで活躍するキャメロン・クラーク選手がワラタスと契約した。笑顔が印象的な23歳で、正確なキックと力強いランニングが魅力的な将来的にも非常に期待できる選手だ。以前、取材時にユニオン(15人制)でプレーする気持ちはないのか尋ねると、「セブンズとユニオンのスケジュールが重なってしまうので掛け持ちは無理。今はセブンズでのプレーが楽しい」と話してくれたが、オリンピックという1つの区切りを経て、ユニオンでプレーすることを選択したのであろう。近い将来グリーン・アンド・ゴールドのジャージに身を包み、グラウンドを縦横無尽に駆け回る姿が見られるのではないだろうか。

そのワラタスはスーパーラグビーの日本国内での最終戦に登場。マイケル・フーパー選手やバーナード・フォーリー選手、イズラエル・フォラウ選手、ロブ・ホーン選手ら、現役ワラビーズが多数在籍するスーパースター軍団のプレーを見逃すわけにはいかないということで、18347人ものファンが集まった。

華麗なるステップでDFを翻弄するフーパー主将
華麗なるステップでDFを翻弄するフーパー主将
5本のコンバージョンを決めたフォーリー選手
5本のコンバージョンを決めたフォーリー選手

試合は前半26対12、ワラタスがリードして折り返したが、炎天下での消耗戦となったためか、点差は思いのほか開かなかった。しかし、後半に入るとタフな戦いに慣れたワラタスが本領を発揮。サンウルブズ0点に対し31点を加え、57対12で勝利を収めた。フォワード3列目のサイズとパワーの違いや、フォラウ選手のボディー・バランスの良さや力強い走りなど、一流のプレーに魅せられた1戦であった。アンドリュー・ケラウェイ選手は今季、デビューを飾ったばかりの20歳。ハイ・ボールの処理でも、敵のタックルを想定したキャッチングなど、丁寧で落ち着いたプレーが光った。

試合後の会見の中で、フーパー主将からは「日本ラグビーの盛り上がりを肌で感じた」という、うれしいコメントがあった。今季のスーパーラグビーへの参戦で多くのことを学んだであろうサンウルブズ。2年目にはどんな成長を見せてくれるのか楽しみだ。

重心の低さを生かしたプレーが光ったホーン選手
重心の低さを生かしたプレーが光ったホーン選手
攻守のバランスも良く将来が楽しみなケラウェイ選手
攻守のバランスも良く将来が楽しみなケラウェイ選手

8月下旬からは日本のラグビー・シーズンが本格的に始動。スーパーラグビーに参戦した選手、オリンピックに参加した選手、新しい経験を積んできた多くの選手たちが日本ラグビー界にどのようなフィードバックをもたらすのか。また、元ワラビーズの選手も多数所属するパナソニックとサントリーの2強に続くのはどこなのか、興味は尽きない。

最後に、非常に衝撃的なニュースが飛び込んできた。今シーズン、日本のサントリーでのプレーが決まっていたクリスチャン・リアリーファノ選手が白血病の診断を受けたという。つい先日までブランビーズで活躍している姿を見ていただけに、あまりにも突然のことで驚きと同時に大きなショックを受けた。しかし、タフな彼だけに病に負けることなく、2019年のRWCには必ず笑顔でグラウンドに帰ってくると信じたい。

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