Go! ワラビーズ in Japan「秩父宮フレンドシップ・マッチ2017」

Go! ワラビーズ in Japan

日本ラグビー界では現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界の強豪チームでの代表経験を持つ選手が多数プレーしており、日本のレベルアップにひと役買っている。そこで、かつて豪州で活躍し、現在は日本に舞台を移した元ワラビーズの選手たちについて日本からリポートする。文=山田美千子/写真=山田武

秩父宮フレンドシップ・マッチ2017

「秩父宮みなとラグビーまつり2017」での親善試合、サントリーサンゴリアス対ワラタス。両チームとも主力メンバーを欠いたが、それでも将来のワラビーズを背負って立つであろう有望な若手選手の今後を楽しみにせずにはいられない1戦となっている。

関東地方の梅雨入りで試合当日の天候が心配されたが、6月とは思えないほどさらりとした空気という好条件の中、「秩父宮みなとラグビーまつり2017」のメイン・イベント「秩父宮フレンドシップ・マッチ2017サントリーサンゴリアス対ワラタス」が行われた。

秩父宮ラグビー場最寄りの外苑前駅からスタジアム前までを通行止めにして、企業やラグビー・ワールド・カップ(RWC)2019開催都市など、多数のブースが並びPRが展開されていた。また、開催都市各地の名物を食すことも出来、お祭り気分を盛り上げるイベントとなっていた。

注目の1戦の最初のトライは、ワラタス。ゴール・ポスト中央に6番マイケル・ウェルズ選手がトライを決めた。対するトップ・リーグ王者のサントリーも、ワラタスの厳しいタックルを受け続けながらもフェーズを重ね、すぐに同点に追いつく。その後、一進一退の攻防が続く。自陣奥深くまで攻め込まれてもディフェンス・ラインの形成が早いワラタスは簡単にゴール・ラインを割らせない。しかし、24分、サントリーはライン・アウトからモールで押し込んでトライを奪い、逆転に成功。

後半に入ると、時間の経過と共にサントリーにミスが目立ち始めた。それでも、57分にはRWCでの活躍とその人柄で人気の畠山健介選手が左中間にトライを決めた。人気選手のトライに会場の観客の歓声もより大きくなった。

開始3分過ぎにトライを決めたウェルズ選手
開始3分過ぎにトライを決めたウェルズ選手
華麗なステップを切るディーガン選手
華麗なステップを切るディーガン選手

一方、前半からキッカーにプレッシャーをかけ続けていたワラタスだったが、とうとうチャージに成功。直後のリスタートではデイヴィット・ホーウィッツ選手が抜け出し右隅にトライ。続けざまにリース・ロビンソン選手がディフェンス2人を振り切ると、そこへブライス・ヘガティー選手が走り込んでそのまま中央へトライ。キックも決まって、19−21逆転に成功し、この得点差のまま試合終了となった。

シーズン終了間近のチームとシーズン開始前のチームの対戦は、選手の立場やコンディションの違いもあり、思った以上に均衡した面白い展開となった。

今回、ウィル・スケルトン選手、タンゲレ・ナイヤラヴォロ選手、パディー・ライアン選手といったワラビーズ・キャップ・ホルダーはもちろんだが、特に注目していた選手が3人いた。

1人はアンドリュー・ケラウェイ選手。昨年のスーパー・ラグビー(SR)でサンウルブズと対戦した時にFBでのプレーが印象的だったため、今回も期待していた。CTBでの出場だったため、前回と単純に比較することは出来ないが、積極的なプレーでボールに絡み、攻守に活躍する姿が見られた。もう1人の注目選手、ダミアン・フィッツパトリック選手は、09年に日本開催されたジュニア・ワールド・チャンピオンシップ(JWC)のU-20オーストラリア・チームのキャプテンで、その時既にワラタスのプレーヤーだった。試合中に見せる大人びた顔とは違い、試合後にスタンドの両親から声をかけられた時のあどけない表情が印象的だった。あれから8年、すっかり精悍(せいかん)になりプレーにも円熟味を増してきた。そろそろワラビーズの2番を背負ってプレーしている姿を見たいものだ。そして3人目はキャメロン・クラーク選手。言わずも知れたオーストラリア男子セブンズ・チームのスター選手だ。東京セブンズの際のプレーのすばらしさはもちろん、インタビューでの実直さ、人懐こさなどとても魅力的な選手だ。リオ五輪後、ユニオンへの転向を聞き、ワラタスのジャージ姿を見るのを楽しみにしていたのだが、後半からの出場で、ボールに絡む機会も少なく、セブンズで見せた正確なキックや力強いランを見ることが出来なかったのは残念だった。しかし、1年目の今年は肩慣らし。来季からはセブンズ時代以上の活躍をしてくれると信じている。

昨シーズンまでTLでプレーしていたナイヤラヴォロ選手
昨シーズンまでTLでプレーしていたナイヤラヴォロ選手
タックルをものともしないトレアフォア選手
タックルをものともしないトレアフォア選手

今回は、時期が時期だけに両チームとも国を代表する主力選手は名を連ねていなかったが、特にワラタスはこれからのワラタス、更にはワラビーズを背負って立つであろう有望な若手中心のチーム編成となっていた。メンバーを見た瞬間、06年の日本代表対オーストラリア首相XVと同時期に来日していたレッズを思い出した。無名時代のクエイド・クーパー選手、ウィル・ゲニア選手など後にワラビーズで活躍した選手が多数含まれていた。今回のワラタスのメンバーの今後の活躍を期待せずにはいられない。

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