Go! ワラビーズ in Japan「2018年 スーパー・ラグビー開幕」

Go! ワラビーズ in Japan

日本ラグビー界では現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界の強豪チームでの代表経験を持つ選手が多数プレーしており、日本のレベル・アップにひと役買っている。そこで、かつて豪州で活躍し、現在は日本に舞台を移した元ワラビーズの選手たちについて日本からリポートする。 文=山田美千子/写真=山田武

2018年 スーパー・ラグビー開幕

ラグビー・ワールド・カップ日本大会まであと約1年半となった2月末、今年の日本ラグビーが、スーパー・ラグビーで幕を開けた。参戦3年目を迎えサンウルブズがこれまでを上回る大きな成果を残せるか、新シーズンの船出を見守った。

可能性見せたブランビーズ戦

2月24日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたラウンド2「サンウルブズ対ブランビーズ」。観客数は1万4,614人、ラグビー・ファンの今シーズンに懸ける思いがうかがえる数字だ。

同カードで一番楽しみだったのが、病からの復活を遂げたブランビーズのクリスチャン・リアリイファノ選手のプレー。試合前のウォーミング・アップ姿を目にした時には、思わず胸が熱くなった。同選手が白血病に罹ったという衝撃的なニュースが駆け巡ったのは、日本でのプレーが決まった一昨年の8月のこと。その後、病に打ち勝ち、第一線に戻ってきた同選手は、一回りも二回りも大きく、そして強くなったように見えた。

試合が始まり、ゲームが動いたのは開始5分、ブランビーズがリアリイファノ選手のペナルティー・ゴール(PG)で先制。しかしその後、サンウルブズが立て続けにトライを奪い、サンウルブズのリードで前半を終えた。前半のプレーを観る限り、ブランビーズは動きが重いように感じた。またこの日、リアリイファノ選手はゴール・キックを3本外すなど、キックに精度を欠いていた。ブランビーズにはFWだが、キックに定評があるジョシュ・マンレー選手もいる。マンレー選手は、九州電力在籍時には正確なゴール・キックを蹴っていた印象が強かった。この日もそのキックを観ることができるのではと密かな期待をしていたが、試合を通してその願いが叶うことはなかった。

白血病からの復帰を果たしたクリスチャン・リアリイファノ選手
白血病からの復帰を果たしたクリスチャン・リアリイファノ選手
サンウルブズは後半、ブランビーズの勢いを抑えられなかった
サンウルブズは後半、ブランビーズの勢いを抑えられなかった

後半に入ると前半とは一転、序盤からブランビーズのプレーにリズムが出てきた。開始直後にテヴィタ・クリンドラニ選手が、トライを決め、激しいブレイク・ダウンも見られるなど、前半に比べ試合自体に活気が見られた。

その後半、ブランビーズで特に目立ったのがトム・キューザック選手のディフェンスだった。7人制ラグビー出身の選手だけにフォワード(FW)でありながらも、走力があり、バランスの取れたプレーが魅力だ。試合後の記者会見でもダン・マッケラーHCから「よくやっていた」というコメントと共に同試合のキープレーヤーとして名前が挙がった。ユニオン2年目、今シーズンは同選手にとって大躍進の1年になるかもしれない。

一方のサンウルブズで注目していきたいのがスクラム・ハーフ(SH)の流大(ながれゆたか)選手である。ゲーム・メイクに優れ、視野も広い。サンウルブズはもちろん、これからの日本代表の中心選手としてプレーすることは間違いないだろう。ヴィリー・ブリッツ選手と共同キャプテンを命ぜられた今年は、同選手の更なる飛躍が期待される。

不運に見舞われたラウンド3

3月3日に行われたラウンド3「サンウルブズ対レベルズ」では、サンウルブズはけがに泣かされた。前半にセンター(CTB)のラファエレ・ティモシー選手が脳震盪(のうしんとう)のアクシデントに見舞われると、司令塔であるスランド・オフ(SO)のヘイデン・パーカー選手が負傷により立川理道選手と交代、加えてウイング(WTB)の山田章仁選手の負傷により徳永祥尭選手に交代という事態が発生。ゲーム・プランが根底から崩れてしった。

一方のレベルズは、ウエスタン・フォースからの移籍も多く、チームとしてどう機能するのか興味深いところだった。まず、注目していたのがフル・バック(FB)のデイン・ハイレットペティ選手。ウエスタン・フォースから今シーズンレベルズ入りした。U-20大会から観続けている選手だが、落ち着き払った佇まいは28歳となった今も変わらないように感じた。そしてリース・ホッジ選手(CTB)。昨年秋にワラビーズの一員として来日した際、大きなインパクトを残したそのプレーが忘れられない選手だ。今回はFBではなくCTBでの出場だったが、思うような活躍は見られなかった。更に、ウィル・ゲニア選手(SH)。侍を意識したようなヘア・スタイルで登場した彼には一際大きな声援が飛んでいた。

レベルズのNo.8、アマナキ・レレイ・マフィ選手は日本代表選手あるが、彼の良いところを日本のファンの前で見せたいというチームメイトからの後押しもあり、同選手がトライを決めた時にはかなりの盛り上がりだった。

試合結果は17-37と、残念ながらサンウルブズはまたもや白星を逃がしてしまった。サンウルブズの今季初勝利の知らせはいつ聞くことができるのだろうか――。

アマナキ・レレイ・マフィ選手のトライに会場は盛り上がった
アマナキ・レレイ・マフィ選手のトライに会場は盛り上がった
ヘア・スタイルでも注目を集めたウィル・ゲニア選手
ヘア・スタイルでも注目を集めたウィル・ゲニア選手

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